いつでもおいで「こどものこころ外来」
医療・健康・介護のコラム
7歳息子が発達障害 子育ては腹八分目で お母さんの心のゆとりが子どもの心を育てる土壌になる
7歳のみなと君(仮名)は、幼少期からこだわりが強い子どもでしたが、乳幼児健診等で発達の問題を特に指摘されるようなことはありませんでした。
幼稚園時は少人数のクラスで支障なく過ごしましたが、小学校へ入学してクラスの人数が増えると、それまで見られなかった、他のお子さんとの交流の苦手さが目立つようになってきました。友達に話しかけることができず、クラスになじむことができません。登校時に腹痛や吐き気を伴うようになったため、かかりつけの小児科を受診したところ、身体的異常はなく、発達面での指摘を受け、当病院を受診されたのです。
みなと君は、成育歴や心理検査、学校や自宅での様子などから自閉スペクトラム症(ASD)と診断されました。最初は戸惑っておられたお母さんは、時間をかけて少しずつ診断を受け入れながら、ASDについて書籍やインターネットなどで熱心に調べ、理解を深めていきました。一方、学校とも連携し、通常の学級に在籍しながら障害に応じて一定の時間だけ個別支援を受ける「通級」や地域の放課後デイサービスを利用し始め、障害の支援が少しずつ前に進んでいるように感じられました。
意外なことが分かってきた
ところが、その後少し時間がたち、「息子が、かんしゃくを起こすようになってきた」とお母さんから相談がありました。イライラして物に当たることも増えてきたといいます。本人に聞いてみたものの、理由ははっきりとしません。お母さんも思い当たるようなことはないと言います。そこで、さらに、普段の生活スケジュールについても聞いてみることにしました。ASDのお子さんは、ささいな変化に反応して不安になってしまうことがあり、突発的な用事が増えたり、それまでルーチンとしていたことが変更されたりすると精神的に不安定になる可能性もあるからです。
すると、意外なことが分かってきました。お母さんは、学校や放課後デイサービスだけではなく、自宅でも様々な発達支援に取り組んでいたのです。みなと君は極端に運動が苦手な「発達性協調運動障害(DCD)」の特徴も持っていましたが、専門的な支援ができるところは少ないのが現状です。お母さんは参考書籍などを読んで、それに基づく支援プログラムを自宅で行い、加えて、みなと君が以前からしていた習い事も継続していました。
みなと君のスケジュールを見てみると、毎日のように予定が組み込まれていました。お母さんは、ASDの子に良いとされることは何でもやってあげたいと思っているので、まだまだ時間は足りない、とおっしゃっていました。
1 / 2
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。