東大時代から熱中していたアメフトをプレイする姿/講談社写真資料室
東大時代から熱中していたアメフトをプレイする姿/講談社写真資料室

迫りゆくディレカンの崩壊

続いて、ディレカン時代の知られざる企画を紹介しよう。小泉今日子の主演企画『俺』は、あるサラリーマンが出会った女子高生が死んだ父親の生まれ変わりだったというコメディタッチのアイドルもの。80年代半ばごろ日本テレビを幹事に進められたが、「このホンには“怒り”が足りない」という長谷川の意見により、連合赤軍の要素を入れようと迷走が始まる。

すでに中止が明らかな状況となっても長谷川は、夜通し焼肉屋で構想を語ったという。その顛末は3月発売の書籍『80年代90年代、新しい日本映画の始まりと終わり──その裏側』(山田耕大・高鳥都/かや書房)に掲載される予定だ。

山田耕大・高鳥都『80年代90年代、新しい日本映画の始まりと終わり──その裏側』(かや書房)
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当時、なかなか新作に着手しない状況に「ゴジは臆病者」との評判も立ちはじめる。『青春の殺人者』と『太陽を盗んだ男』で得た世評のハードルを越えるため、慎重な姿勢を崩さず、あがくような模索が続いた。一方で、後進や若者相手に豪快な兄貴ぶりを示し、周囲からは反面教師と目された。

東宝の特撮大作『ガンヘッド』(89年)は企画段階で降板し、原田眞人に交代。そのほか村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を松田優作主演で撮る、井上ひさしの『吉里吉里人』を菅原文太プロデュースで撮る、1979年の角川映画『戦国自衛隊』の続編を撮る……どのプロジェクトも瓦解し、ディレカンそのものの崩壊も近づいていく。

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