8日に投開票された衆院選は高市旋風がすさまじかった。

 野球で例えると、打者高市が一回の表に先頭打者ホームラン、その後も打線が打ちまくり、高市は2巡目に満塁ホームラン、初回に10点入れた。その後、投手高市がノーヒット・ノーランをやったような感じだ。

 高市自民が国会冒頭解散に対し、立民・公明は「中道改革連合」という新党で対抗。これが悪手だった。旧公明は比例上位優遇でまずまず。しかも、旧公明の基本政策を旧立民が丸のみした。旧立民は公明票頼みだが、小選挙区での比例復活は難しかった。

 ふたを開けてみれば、自民は118増の316議席。これは現行制度では最高だ。しかも、票を取りすぎたため事前に用意した比例の候補者が足りずに14議席を他党に譲ったほどの歴史的大勝利だ。一方、中道は118減の49議席と惨敗だ。ただし、旧公明は28人全員当選なので、旧公明としては悪い気がしないだろう。

 一方、旧立民は党執行部や重鎮が相次いで落選した。思えば、野田佳彦代表と安住淳氏のコンビは、民主党政権時、野党の安倍晋三自民党総裁を相手に解散して、大敗し民主党政権を終わりにしている。また歴史的大敗を繰り返した。

 今回、他のリベラル勢力である共産とれいわも惨敗した。共産は4減の4議席、れいわは7減の1議席。連立パートナーの維新は2増の36議席、野党の国民民主は1増の28議席と、高市旋風の中でも踏みとどまった。

 リベラル勢力の崩壊と石破政権時代に離れた自民保守層を一部拾ったのが、みらいと参政だ。みらいはゼロから11議席に、参政は13増の15議席となった。

 それにしても、リベラル勢力、親中勢力、オールドメディア、緊縮財政勢力の高市攻撃はすさまじかった。しかし、高市旋風の相手でなかった。自民党調査では当選ラインに達していなかった人も高市旋風の底上げで楽々当選した。東京、埼玉、神奈川小選挙区で自民党は全勝だった。さらに、沖縄でも全勝だ。

 筆者は公示前から自民圧勝という予想をたて、その後も高市旋風が強くなっているのをデータで確認していた。ただし、それを言うのは、自民党関係者から組織が緩むと示唆され、選挙期間中の予測は控えていた。

 東京は投票日の翌日、前日の雪がウソのような澄み切った青空だった。

(たかはし・よういち=嘉悦大教授)

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