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独仏、戦闘機開発で攻防 ドイツ産業界の離反要求にマクロン氏反論 日英伊計画に波紋も

フランスのマクロン大統領(ロイター=共同)
フランスのマクロン大統領(ロイター=共同)

【パリ=三井美奈】独仏スペイン3カ国による戦闘機共同開発計画で、存続の是非をめぐる攻防が激しくなってきた。マクロン仏大統領は11日付仏紙ルモンドで「これはよい計画だ」と述べ、継続を主張。中止を促すドイツ産業界に対抗した。独政府が離反を視野に、日英伊3カ国による戦闘機開発への参加を検討しているという報道もあり、欧州を巻き込む論議に発展している。

「戦車共同開発に影響」

独仏スペイン3カ国の計画は「将来戦闘航空システム」(FCAS)と呼ばれる。ステルス性が高く、随伴する無人機の司令塔となる第6世代戦闘機の共同開発を目指している。だが、計画に加わる企業の権限争いが先鋭化。独仏関係が冷え込んでいることもあり、現在は膠着状態にある。

こうした中、ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)は9日、労働組合とともに「2機開発」を求める声明を出した。独仏はそれぞれ別の戦闘機を製造し、協力はシステム開発に縮小するべきだという立場だ。マクロン氏はルモンド紙で「産業界が勢いをそごうとしている」と牽制し、メルツ独首相と協議する意向を示した。戦闘機開発で両国が決裂すれば、独仏が進めている戦車の共同開発にも影響が広がると警告した。

メローニ首相に打診?

「ドイツ離反」の可能性は、メルツ氏が1月にローマでメローニ首相と会談した後、急浮上した。

イタリア紙コリエレ・デラ・セラによると、メルツ氏は日英伊3カ国の戦闘機計画をめぐり、ドイツ参加の可能性について、イタリアの反応を探った。メローニ氏は「反対せず、むしろ前向き」な姿勢を示したという。参加国が増えれば、資金の負担軽減につながるとの期待があるとしている。独紙フランクフルター・アルゲマイネも、独政府が日英伊計画への参加を選択肢の一つとして検討していると報じた。

仏戦闘機、常に単独開発

FCASは2017年、マクロン氏が大統領に就任した直後にメルケル独首相(当時)と合意したのが始まり。マクロン氏は欧州安全保障の米国依存脱却を主張しており、独仏主導の戦闘機開発は「強い欧州」を目指す構想の象徴でもあった。

一方、フランスはミラージュ、ラファールなど主力戦闘機を自主開発した伝統と技術力があり、ドイツ、スペインとの権限分担で常に摩擦があった。これに対し、ドイツ、スペインは英伊とともに第4世代戦闘機ユーロファイターを共同開発した実績がある。

独仏首脳は12日の欧州連合(EU)首脳会議に続き、13日にドイツで始まるミュンヘン安全保障会議で顔を合わせる。メルツ氏は1月、FCASの行方について、仏側と「数週間内に決めたい」と述べており、トップ会談で決着を目指すとの見方が強まっている。

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