憲法をよむ

25 第36〜40条 拷問、残虐刑、自白の強要禁止

 憲太君 第36条は拷問や残虐な刑罰を「絶対に禁ずる」と書いているね。

 先生 「絶対に」という言葉が出てくるのはこの条文だけです。戦前や戦中は特高警察による拷問で獄死する人まで出ました。同じ過ちを二度と繰り返さないために「絶対に」とされています。

 憲太 自民党案は「絶対に」がないね。

 先生 「絶対に」とする方が禁止の度合いは強いですね。「例外を認めるという解釈を将来生んでしまう可能性がある」という指摘があります。

 憲太 死刑は残虐な刑罰じゃないの?

 先生 最高裁の判例では合憲とされています。判例は、残虐な刑罰を「不必要な精神的、肉体的苦痛を内容とする人道的に残酷な刑罰」とし、火あぶりやはりつけなどを挙げています。日本では死刑の執行方法で絞首刑を採っていますね。判例は「絞首が特に人道上残虐だとする理由は認められない」としています。ただ、死刑廃止を求める意見もあり、執行方法にも議論があります。

 憲太 第38条は供述や自白の話だね。

 先生 1項は、刑事責任を問われそうなことで自白を強いられることはないとしています。黙秘権の保障ですね。2項は拷問など不当な方法で得た自白は証拠にならず、3項は自白だけでは有罪にならないとしています。第38条は、自白を重視するあまり、違法な取り調べを行うことを防ごうとしているんですね。第37条は刑事被告人の権利、第39条は法律ができる前にさかのぼって罰する「遡及(そきゅう)処罰」の禁止、第40条は無罪判決を受けた後の補償を定めています。=次回は第41条です


 <現行憲法>

第36条

 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

第38条

1 何人(なんぴと)も、自己に不利益な供述を強要されない。

2 強制、拷問若(も)しくは脅迫による自白又(また)は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。

 <自民案>

第36条

 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、禁止する。


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