2040年に高校の文系理系は同割合、将来は区分なし 文科省が目標
文部科学省は、高校普通科で2040年に文系と理系の生徒の割合が同じになるよう、教育改革を進める方針をまとめた。文系が多い現状を変えて、理系の知識を備えた人材の育成を急ぐ。
さらに、文理横断型の教育を広げ、将来的には文系・理系の区分がなくなることを目指す。
近く公表する高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)に盛り込む。関係者への取材でわかった。
文科省の推計(2024年度)では、普通科の最終学年の45.6%が文系、27.1%が理系、文理分けのない学校の生徒が27.2%。ただ、AI(人工知能)やデータサイエンスが急速に広まる中、2040年にかけて産業界では理数系人材の不足が指摘されている。
高校入試改革にも言及
文系と理系の区分は、古くから行われてきた。1918年に制定された高等学校令(勅令)には、高等学校高等科を文科と理科に分けることが明記された。1947年の学校教育法の制定で廃止されたが、入試制度などで文系・理系の枠組みが残り、多くの高校で進路を決める際の区分けとされてきた背景がある。
グランドデザインは、①AIに代替されない能力や個性の伸長、②国や地域の経済・社会の発展を支える人材育成、③多様な学習ニーズに対応した教育機会・アクセスの確保――を柱に据える。
高校入試改革にも言及し、「多面的な入試となるよう改善が求められる」とした。文理の区分にとらわれない学びなど各校の特色化・魅力化を進め、普通科のあり方を転換する必要性も強調する。
都道府県の取り組み、交付金で支える
今後、グランドデザインに沿って都道府県が実行計画を作り、その取り組みを、2027年度にも新設を見込む高校教育改革交付金(仮称)で支える道筋を描く。
先行して今年度は、3千億円規模の高校教育改革促進基金を補正予算でつくった。理数系人材や高度な技能を備えたエッセンシャルワーカーの育成、遠隔授業を活用した学びなどに取り組む高校を支援する。改革の先進的な拠点とするため、内容を審査して資金配分を決める予定だ。
グランドデザインには他に、2040年までの目標として、専門高校の生徒数を今と同水準に(30%程度)▽高校生の学びの状況に関する生徒調査の実施――などを盛り込む。
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