中国、アプリ企業に「世論誘導」要求 新規則案発表
【北京=多部田俊輔】中国政府は5日、スマートフォンなどで使うアプリの情報サービス管理規定の改訂案を発表した。アプリ提供企業に対し、中国当局にとって正しい政治的な方向性や世論誘導などを要求し、国家安全を強化する内容を盛り込んだ。今年中の施行をめざす。
中国のネットを統制する国家インターネット情報弁公室が改訂案を発表した。2016年に施行された従来規定で11だった条文数を27に増やし、アプリを通じてネット空間を統制する姿勢を鮮明にした。
改訂案では、新たにアプリ提供企業に対して政治的な方向性や世論誘導などを要求し、社会主義の核心的な価値観を発揚することを盛り込んだ。アプリ提供企業は世論形成や社会の動員能力を持つ技術や新サービスを投入する場合に、国家の安全評価が必要になる。特にアプリでニュースを掲載する場合は、当局の認可を得たサービスの利用を求めた。
一部サービスでは電話番号、身分証明書などで実名を確認することを求め、虚偽のコメントや評価なども禁じた。
中国政府系機関の中国インターネット情報センターによると、中国のネット利用者は21年に10億人を突破した。多くがスマホのアプリを使って決済や通販のサービスを利用したり、ニュースを閲覧したりしている。
中国政府はネットの統制を強めている。昨年には配車アプリ最大手の滴滴出行(ディディ)が国家安全上の調査を受けてダウンロードが禁止されたほか、映画の情報を提供する人気アプリを含む100以上のアプリが個人情報保護法などに違反してダウンロードが禁じられた。