選挙に挑むこと17回、ドクター・中松が97歳になって選挙を憂う「パフォーマンスで選ぶなんて愚かだね」
海軍中佐「遺言」の約束
中松氏が選挙に出るのは、その晩年に親密になった故・藤村義朗元海軍中佐に「総理になって日本の国を良くしてほしい」と遺言を残されたからだという。東京大学に入学前、海軍兵学校に通っているさなかに終戦を迎えた中松氏。海軍での教育もあり、「死と交換で言った重い言葉。責任があるから実行しないといけない」と、約束を果たすために選挙に出続けている。石原慎太郎・元東京都知事からも「あとは君に頼む。特に青少年を頼む」と知事退任後に自宅まで来て言い残されたそうだ。だから都知事選にも出ている。
中松氏と言えば、靴にバネがつけられたフライングシューズで飛び跳ねながら演説するなど、選挙戦で強烈なインパクトを残してきた。それはパフォーマンスではないのだろうか。
「常に人と違う新しいことをしてきた」理由について、「関心を集めたかったからではない」と否定する。発明品を通じ、「僕の能力を見てもらう。フライングシューズも膝や内臓への負担を軽減する『人々の健康のため』のものだと知ってもらうためだった」。中学時代に発明し、灯油ポンプの元となった「しょうゆチュルチュル」は、寒い台所でも一升瓶からしょうゆ差しに移しやすいように母を思っての発明品だった。政治にも「人のためになる」というポリシーを重ね、選挙でもそう訴えてきたつもりだという。
「投票する人も賢くないと」
だからこそ、昨今の選挙戦で問題となっている目立つために手段を選ばないような品位を欠いた選挙運動に対しては、「非常に憂うべきこと。そういう不真面目な人が国民のために仕事をするはずがない」と真っ向から否定する。自分の価値を知ってもらうための選挙戦だからこそ、他者の悪口は言わなかった。誹謗(ひぼう)中傷などもってのほかだ。
一方で、「選ぶ側も人の価値を分からなければ選べない。賢くないと賢い人を選べない」と有権者の質も問う。立候補者の人物に興味を持てるようになれば投票に行く人も増えると考えている。「選挙で目立つための単なるパフォーマンスを見るんじゃなくて、あの人は素晴らしい人物だから投票しようと深く検討しないと。候補者も有権者も両方Stupid(愚か)だよ」