「ラオスの帝王」のブログに関与
「海外での児童買春は日本の恥。逮捕は抑止力になる。なんとかしたい」
2025年12月末、筆者は東京・霞が関にある警視庁に呼ばれ、ラオスでの児童買春に関する情報提供を求められていた。対応したのは、少年育成課の担当者で、海外での児童買春問題に長年携わるエキスパート。2時間ほどの協議の終盤、担当者が冒頭の決意を明らかにしたのだった。
デスクには分厚い捜査ファイルが置かれ、覗き見えた資料の中には、悪名高い児童買春ブログの記録などが多数残されていた。さらに、ラオスやタイで児童買春をアテンドしていた疑いのある日本人の名前も担当者の口から出てきた。
筆者は過去10年、東南アジアに関する記事を書いてきたが、振り返るとラオスでの児童買春はほとんど野放しにされていたといっても過言ではない。個人的に日本の警察は気にも留めていないのだろうと思っていたが、想像以上に警察は実態を把握していたのだ。
警視庁での協議から約1ヵ月後、冒頭の決意表明を裏切らない出来事が起きた。ラオスでの児童買春を示唆するブログを不正に開設した疑いで、大阪府河内長野市の紀田浩容疑者(61歳)が逮捕されたのだ。
ブログ名は「ラオスの帝王ラオジー」。ラオジーを名乗る人物のSNSには、10歳前後の少女がタオルを体に巻いた状態でうつむく姿や、児童買春をほのめかす投稿が数多く載せられ、2023年にネットで大炎上していた。
各種報道によれば、当時ブログがSNSで拡散され、匿名通報が相次いだことで警察が捜査に乗り出したという。実はこの紀田容疑者、ラオス在住の邦人らの間では「ラオジーなのではないか?」と、まことしやかに囁かれていた。
紀田容疑者を知る人物は、「紀田とラオジーのSNSへの投稿を見比べると、食べ物や服装の趣味が似ていました。本人が周囲に、『動画は儲かる』とも話していたんです」と語る。
さらに、紀田氏の素性についてこう述べる。
「普段はおとなしかったですが、酒癖の悪さで有名でした。夜中にどんちゃん騒ぎをして、紀田が住むアパートの関係者から勤め先の会社に苦情が入ったこともあったそうです」