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次に、ドイツの移民問題の変遷。 1960年代:単身男性労働者が中心(トルコ系・南欧系)。 一時滞在・帰国前提の労働力として受け入れられ、家族帯同や定住は想定していない。 1970年代以降:オイルショックで労働需要が減少しても帰国せず、家族呼び寄せが拡大。 移民が「一時的労働力」から「定住人口」へ転換し始める。 1980年代以降:定住が進み、福祉制度の中に組み込まれる。特定都市・地区への集住が進行。 1990年代:第二世代以降で失業率の高さ、低学歴層の固定化が問題化。冷戦終結後の難民流入も重なり、「移民国家ではない」という建前と現実の乖離が拡大(1960〜90年代に来た人々の子孫が今日問題化)。 2000年代以降:統合政策(語学教育・市民教育)が本格化するが後追い。宗教・文化的摩擦、社会的分断が問題化。 2015年以降:大量難民の流入により、それまでの統合の遅れ・制度の矛盾が一気に可視化。移民・難民問題が政治的争点となる。 ドイツはずっと「移民国家ではない」と主張していたが、2010年にその立場を放棄した。現実として、ドイツは移民社会になっていた。その現実を前提に、移民の受け入れと統合、多様性を国家政策として進めている。 「移民ではない」と言い続けている日本も、ドイツと同様「移民社会化」しつつある。
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