複数の大学に合格した受験生が進学先以外にも入学金を支払う「二重払い」の解消が進まない。文部科学省が昨年、受験生側の負担軽減を検討するよう全国の私立大に要請したが、入学辞退者への返還に応じる大学は少ない。負担軽減によって入学辞退者が増加し、経営にも影響するという懸念があり、大学側は慎重な姿勢を崩せないでいる。
「払わないに越したことはないが、入学先確保のためには仕方ない」。高校3年の長男(18)が大学受験に臨んでいる大阪市の男性会社員(49)はこぼす。
長男の本命は関西の私立大。しかし、滑り止めとして別の私立大1校も受験した。併願先の入学金は26万円。支払期限は本命校の合格発表の前日で、入学を辞退しても返還されない。
文科省によると、令和7年度の私立大入学金は平均約24万円。大学入学者全体の2割超が入学しない大学にも支払っていると推計される。二重払いへの批判は根強く、法廷で争われたこともある。