「もう日本は無理!」という人のための日本国籍離脱ガイドブック(簡易版)
0.はじめに
※この記事は、あくまでも日本国籍離脱の「入口」にたどり着くための簡単なガイドブックに過ぎない。正確な最新情報は各自の責任において調査してほしい。
※カナダ、フィンランドについて大幅に加筆修正を行ったほか、ニュージーランド、中華民国(台湾)について新たに項目を立てて加筆した。
※(2月11日追記)フランスについて重要事項を加筆修正した。
この記事にたどり着いた人は、きっと「もう日本は無理!」「もう日本国籍を離脱したい!」「これから生まれてくる我が子を日本で徴兵されたくない!」「憲法改悪反対!」「もう日本人には呆れた!わたしはもう『日本人』であることをやめたい!」「日本を脱出したい!」など、さまざまな思いを抱えていらっしゃることだろう。
何を隠そう、筆者もその一人である。
2026年2月8日に衆議院議員選挙の投開票が行われ、現「総理」率いる自民党が衆議院で単独過半数はおろか、単独で3分の2を獲得した。
そして現「総理」は、衆院選の序盤に掲げていた「消費税減税」を早速「税制控除拡大」と方向転換する一方、衆院選の終盤に触れた「憲法改正」に踏み切る構えを見せている。スパイ防止法の制定、国家情報局という名の特高警察復活も打ち出した。
こうした状況下で、Twitter上では「心が折れてしまった」「選挙のたびに『もう一度前を向いて頑張ろう』と言ってきたけど、もう無理だ」という声だけでなく、生きることそのものを諦めてしまっている声も目立ち始めている。
良識ある市民として、左派として、どんなに日本という国が極右カルトに汚染されようとも、日本に踏みとどまって、平和主義の民主国家の樹立、左派政権の樹立まで戦い続けるのが筋……というのはあくまでも一般論だ。敢えて言うなら、この状況下で「もう無理だ」と涙を流す人に「泣くな!歯を食いしばって闘おう」と呼びかけるのは、ある種の「マッチョイズム」であると筆者は考える。
現「政権」の延命、差別や排外主義のさらなる増長、憲法改悪と徴兵制導入など、日本に未来と希望を見いだせなくなってしまっている人たちの「もう日本を脱出したい」という気持ちもまた、尊重されなければならないと筆者は思う。
ただし、「日本脱出」の中でも、「外国国籍取得による日本国籍離脱」は、簡単ではない。さらに言えば、筆者は「海外移住」という物事に関する専門家ではない。
それでも、日本国籍を離脱する方法を知りたい……という方だけ、次の節に進んでほしい。
また、Twitterへ投稿した「居住により国籍が取得できる国」の情報の一部に「配偶者ビザ」を前提としたものが混ざっていたため、本稿では「配偶者ビザ」を前提としない形に書き改めた。これにより、「居住」による国籍取得年数のランキングに変動がある。「配偶者ビザ」=国際結婚による国籍取得については、本稿の末尾で別途まとめる。
1.「居住」により国籍取得(帰化)をする方法
居住により国籍を取得するルートの場合、一定の年数をその国で暮らして永住権を獲得したのち、さらに数年の時を経て国籍取得(帰化)を申請する、という流れになる。
なお、永住権取得のためには、ほとんどの国で事前のビザ取得および居住許可申請が不可欠である。
ここでは、永住権取得年数+国籍取得年数の合計が短い国から順にまとめる。また、2026年2月現在、カナダ、シンガポール、スウェーデンには「徴兵登録制度」が存在することに留意が必要である。その他の国々は、志願制ではあるが軍を保有している。
① アルゼンチン(合計約2~3年)
国籍取得条件:2年間の合法居住+基本的なスペイン語能力+犯歴なし
国籍取得までの年数が世界最短クラスのアルゼンチンは、実は結構特殊な制度を採用している。
「入国→一時滞在許可→永住権取得→国籍取得」というプロセスを多くの国が採用する中、アルゼンチンは「永住権取得」と「国籍取得」が並立する構造となっている。
アルゼンチンの場合、国籍取得の申請条件は「2年以上の合法居住」である。連邦裁判所に申請を行い、犯罪歴の有無、基本的なスペイン語能力、社会への統合の証拠を裁判官が審査し判断する。すなわち、「永住権の有無」が国籍取得の条件になっていないのだ。
比較的パスポートも強く、国籍取得の年数も短いとあってアルゼンチンは魅力的だが、2025年11月に就任したハビエル・ミレイ大統領は、「アルゼンチンのトランプ」とも呼ばれる極右のリバタリアンである。移民政策についても引き締めが続いており、予断を許さない状況である。
② ドミニカ共和国(合計4年)
国籍取得の条件:一時滞在ビザでの2年の居住を経て永住権取得(雇用契約、収入証明、銀行残高、犯歴なし、健康診断書必須)→2年間の永住権資格保持+安定した収入と生活基盤+社会的信用+スペイン語の基本能力+ドミニカ共和国の歴史や社会に関する簡単な知識+犯歴なし
ドミニカ共和国も、アルゼンチンに次いで国籍取得までの年数が短い国である。ただし、中絶禁止など価値観が極めて保守的な国であることに留意が必要である。また、書類が多いうえに手続きが遅く、制度上の年数よりもプラス1年程度余分にかかるという話もある。
③ ウルグアイ(合計3~5年)
国籍取得の条件:観光目的の入国であっても、パスポート、日本の無犯罪証明、収入証明、健康診断書に加えてウルグアイ国内の住所があれば永住権申請可能(取得まで半年~1年)→家族連れの場合「ウルグアイに入国から3年以上居住」/単身者の場合「ウルグアイに入国から5年以上居住」+ウルグアイ社会への統合+基本的なスペイン語能力+安定した収入基盤+犯歴なし
ウルグアイは、永住権取得に際しビザが不要である。観光目的で入国し、そのまま永住権申請が可能だ。帰化に際してもスペイン語の公的な試験はない。
南米でトップクラスの治安の良さを誇り、徴兵制もない。民主主義が安定しており、左派・中道左派の政治文化が強い。2025年に中道左派政権が復活したことも心強い。
ただし、ウルグアイの給与水準が低いという点は留意すべきである。
④ パラグアイ(合計4年)
国籍取得の条件:一時滞在ビザを省き、一足飛びに永住権取得→3年間の居住+社会統合の証明+スペイン語の基本的能力+犯歴なし
パラグアイは、永住権取得までの年数がかなり短い。通常は「一時滞在ビザでの数年の居住」が必要だが、パラグアイの場合、有効なパスポートと無犯罪証明書、健康診断書、収入または経済的自立の証明、パラグアイの銀行への一定額の預金、パラグアイ国内の住所があれば、入国から数か月~1年で永住権取得が可能である。
語学要件が緩く、経済条件も緩いため魅力的だが、中絶や同性婚を禁止する右派政権である。
⑤ カナダ(合計4~5年)※移民縮小政策に転換しつつある
国籍取得の条件:入国から約2年で永住権取得(ただし条件が厳しい)→その後合計1095日(3年)以上カナダに居住+税金を適切に納税+CLB(Canadian Language Benchmarks)4レベル以上の語学力+市民権テスト合格+犯歴なし
カナダは法制度が安定しているほか、国籍の国際的信用度がかなり高く、多くの人にとって憧れの国だろう。
ただし、カナダは永住権取得の条件が厳しい。A:Express Entry、B:州推薦プログラム、C:雇用主スポンサーなどいくつかの制度があるが、AはIELTS、CELPIP、TEF/TCFなどの語学検定のスコアが必須であり、最低CLB7以上の語学力が必要である。また、外国の学位はECAによる学歴認証が必要である。ざっくりいうと、この制度は「永住権申請者に、語学力や学歴職歴などで点数をつけ、点数の高い人に優先的に『招待』を送る」というものである。Bはその州で働ける能力、職業需要、語学力などが必要である。Cはカナダ企業からの正式なジョブオファーが必須である。いずれの場合も、犯歴が無く健康で、身元保証と身分証明が必要だ。
なお、所定の語学力があり、カナダの定める職歴レベル0,1,2,3に該当する人の場合、Express Entryをして『招待』を得たのち、Federal Skilled Workerを申請することで、比較的早くに永住権を取得することが可能である。ただし、これはかなり規定が細かいので、外部サイトで最新情報をご確認いただきたい。特にカナダの場合、州ごとのルールが大きく異なっていることに注意が必要である。例えば、ケベック州はFederal Skilled Worker制度の適用対象外であり、ケベック州独自の制度に申請が必要である。
語学力が最重要で、次いで学歴・職歴を重視するカナダの永住権取得や国籍取得の制度は、公平だが競争率が極めて高い。
(追記)
カナダ政府が永住権申請者に求める「点数」(スコア)の計算を、下記のサイトで行うことができる。カナダの永住権取得とカナダ国籍取得を検討している方は、まずこのサイトで計算を行うことをおススメする。カナダが永住者、カナダ国籍取得者に求めるラインがかなり高いことがお分かりいただけるであろう。(残念ながら筆者は現時点ではスコアを得ることができなかった)
⑥ シンガポール(合計4~5年)
国籍取得の条件:就労ビザで2~3年就労後、永住権取得(ただし審査に際して学歴、年収、職業などに加えて「人種バランス」が考慮される)→永住権取得後2年間の合法居住+英語能力+安定した雇用
本節の末尾で触れるが、フィリピンやタイなどの東南アジア諸国は、日本から近く物価も安い一方で、永住権取得や帰化申請は原則として「その国の国民との国際結婚か、その国への多大なる貢献」が前提となっているため極めて難しい。
そうした中で、シンガポールは比較的永住権取得・帰化申請に要する年数が短い。治安は東南アジアトップクラスでビジネス環境も整っているが、世界トップクラスに物価が高い。さらに、永住権取得や帰化申請の競争率も非常に高い。また、法律も非常に厳しく抑圧的である。
⑦ ペルー(合計5年)
国籍取得の条件:一時滞在ビザでの3年の居住を経て永住権取得→2年間の永住権資格保持+一定の社会統合要件を満たす+スペイン語能力+犯歴なし
政情が不安定であるほか、中絶禁止など保守的な価値観の国である。
⑧ エクアドル(合計5年)
国籍取得の条件:一時滞在ビザでの2年間の居住を経て永住権取得(有効なパスポート、無犯罪証明、健康保険加入、雇用契約、経済的自立の証明、銀行残高、エクアドル国内の住所、ビザの合法的継続)→3年間の居住+スペイン語の基本的能力+エクアドルの歴史や文化の基礎知識
永住権取得の条件がやや緩く、経済条件も比較的緩いが、2026年現在右派政権である。
⑨ フランス(合計5年)※2026年1月に語学要件引き上げ
国籍取得の条件:長期滞在ビザで入国後、合法な居住を5年継続+安定した収入と納税+フランス社会への同化+語学力+犯歴なし
フランスは、国籍取得に際し永住権取得を必須としていない。5年間合法に居住すれば、帰化申請が可能である。語学力はフランス語B2レベル(追記:本記事のコメントで情報をいただいた。2026年1月より語学要件がB1からB2に引き上げられている)以上が必要で、フランス的価値観の理解、共和国理念の理解、市民教育的な面接が行われる。
EUの市民権を取得できることや、帰化までの年数が短いことは魅力だが、フランス語能力は高いレベルが求められる。
⑩ オランダ(合計5年)
国籍取得の条件:所定のビザで入国後、5年間の継続した合法居住を経て永住権取得(安定した収入、犯歴なし、納税、オランダ社会への統合)→そのまま帰化申請が可能
オランダは、永住権の取得に際し「市民化試験(Inburgeringsexamen)」を課している。これはA2レベル以上のオランダ語能力、オランダの社会知識、オランダ文化の理解を問うものである。
なお、オランダは二重国籍を認めておらず、「オランダ国籍取得と同時に、元の国籍を放棄する」ことが必須である。
1912年に締結された「日蘭条約」に基づき、日本人とオランダ人は相手国における商業活動の自由、居住・営業の自由、財産権の保護、最恵国待遇が認められているが、これは「日本人はオランダ国籍取得で優遇される」ということではない。ただし、他のEU圏外の出身者に比べて日本人がオランダ国内で経済活動を行いやすいことは事実である。
⑪ ポルトガル(合計5年)
国籍取得の条件:所定のビザを取得して入国し、5年間の合法的居住を経て、A2レベルのポルトガル語能力、ポルトガル社会との結びつきが証明され、犯歴が無ければ帰化申請可能
ポルトガルは、帰化申請に際し永住権の有無を問わない。また、ポルトガル語のA2レベルは簡単な会話や読み書き程度であり、英語のB2レベルより遥かに易しい。
EU市民権も取得できるとあって魅力的だが、給与水準がEUでは比較的低く、行政手続きも遅い。また就職の競争率も高い。
⑫ スウェーデン(合計5年)
国籍取得の条件:所定のビザを取得して入国し、5年間(就労ビザの場合4年間)居住すると永住権取得(安定した収入、納税、犯歴なし)→入国から5年間合法居住し、永住権を取得した時点で、犯歴が無く、スウェーデンへの継続居住の意思があれば帰化申請可能
スウェーデンの特徴は、「永住権取得と帰化申請に際して公式の語学力試験を課していない」だけでなく、スウェーデン語能力自体を公には求めていないことにある。理論上は英語のみで帰化が可能だ。
ただし、スウェーデンは物価と税金が高く、冬が長くて寒い。また、仕事がないと継続居住が難しい。
⑬ アイルランド(合計5~6年)
国籍取得の条件:所定のビザを取得して入国し、直近9年間で合計5年間の合法居住に加えて、申請直前1年間の継続居住実績があれば帰化申請可能+善良な性格+アイルランドに継続居住する意思+法律順守の宣誓
アイルランドは、帰化申請に永住権を必須としていない点が特徴である。また、帰化申請に際して、公的な英語力の試験・審査も課されない。EU市民権の取得も可能で、ITや研究職の雇用が豊富である。また、学歴や学位も重視される。
ただし、物価と家賃が高く、仕事を確保できないと継続居住自体が難しい。また、北アイルランドを巡る闘争と紛争も完全には終結していない。武力により「統一アイルランド」の建国を目指す勢力が一定の力を保っている。
⑭ ニュージーランド(合計7~8年)
国籍取得の条件:「技術移民」の場合0~2年の合法居住(原則55歳以下、IELTS Overall6.5以上のスコア、認定された学歴、現地雇用オファー必須)、「就労ビザ」の場合2~3年の合法居住(認定雇用主からのフルタイム雇用契約、スキルレベルに合った職種と給与、一定の英語力必須)で永住権(Resident Visa)取得→Resident Visa取得から5年間合法居住+英語能力+ニュージーランド居住継続の意思+犯歴なし
多様な移民制度を準備しているのがニュージーランドの特徴である。治安が良く、社会保障も手厚く、多文化共生社会で差別も少ない。
ただし、英語力はそれなりに必要であるし、給与水準はオーストラリアと比べても低めである。
⑮ フィンランド(合計7~8年)※2026年1月より、永住権取得に必要な居住年数が「4年」から「6年」に引き上げられた
国籍取得の条件:所定のビザで入国し、6年間の継続した合法居住を経て永住権取得(最低2年のフィンランドでの就労、安定した収入、納税、社会への適応、犯歴なし)→永住権取得後1~2年間の継続居住+語学力試験(フィンランド語またはスウェーデン語でB1レベル)合格+犯歴なし
フィンランドは、永住権取得の段階までは語学要件がないが、帰化にはフィンランド語かスウェーデン語の能力が必要である。
なお、「年収4万ユーロ以上」「フィンランドで認定された修士号以上+2年就労」「フィンランド語・スウェーデン語が高レベル+3年就労」いずれかの条件を満たせば、永住権取得申請の必要年数は4年に短縮される。
治安・教育・福祉が世界最高水準であり、英語環境が整っている一方で、生活コストが高く、冬が厳しい。
注:Twitter上ではコスタリカ、メキシコ、ベルギー、トルコをリストに加えたが、配偶者ビザを使用しない場合、国籍取得まで8年~10年程度かかることが判明したため、本稿から除外した。
「居住」により永住権取得・国籍取得ができる国のうち、取得年数が比較的短いものを概観した。
筆者は個人的に、語学力に自信のない方にはウルグアイかポルトガルかアイルランド、語学力に自信のある方にはカナダかオランダをおススメしたい。
パスポートの国際的な信用という点や、移動の自由を考慮すると、ポルトガル、アイルランド、オランダのいずれかの国籍を取得して、EU市民権を同時に入手するのが最も安全であろう。
読者の中には「あれっ?日本から近くて物価も安い東南アジアは?」という声もあるだろう。しかし、東南アジアは「居住」のみによる国籍取得が難しい国ばかりなのだ。参考までにいくつか列挙する。
フィリピン:事実上「居住のみでの帰化」は不可能で、配偶者ビザ、リタイアメントビザなどで入国の上、10年以上の居住が必須。
タイ:連続3年以上の長期ビザで入国し、所定の就労や収入条件を満たせば永住権取得が可能だが、永住権取得は「年間100人」と枠が狭いうえに、永住権取得後帰化申請まで5年の居住が必要。東南アジア諸国の中では比較的必要年数が短いが、永住権取得があまりにも狭き門である。
ベトナム:ベトナム人との結婚か、ベトナムという国家への大きな貢献が無ければ永住権取得→帰化申請は難しい。社会主義国ということもあり、帰化申請には政府の裁量が極めて大きい。
インドネシア:就労ビザでの連続5年以上の滞在を経て永住権申請が可能だが、帰化申請にはさらに連続5年(累計10年)の居住が必要。
マレーシア:永住権取得には連続5年以上の就労ビザと高収入が必要で、帰化申請には永住権取得から10年の居住が必須。
(追記)中華民国(台湾)について
ここまでは、2026年現在の国連加盟国に絞ってまとめたが、日本から近い国連非加盟国として、中華民国についても取り上げる。
中華民国において、永住権取得+国籍取得にかかる年数は「合計5年以上」である。
永住権取得に必要な条件は、所定のビザで5年以上合法居住+その5年間で毎年183日以上中華民国に滞在+安定した収入+犯歴なし、である。
永住権取得自体は、他国と比べて極端に難しいわけではない。
国籍取得に必要な条件は、理論上は「永住権取得の条件」に加えて中国語能力の証明+中華民国の法規に関する知識+日本国籍の放棄、である。
つまり、理論上は永住権取得と同時に帰化申請が可能だ。ただし、実運用上は、永住権取得後に安定した生活を数年送ったうえで帰化を認めるという形になっていることに注意が必要であろう。
2. 「投資」により国籍(Citizenship by Investment)が取得できる国
この項目については、添付の画像を参照いただきたい。
ドミニカ国(ドミニカ共和国……ではない。筆者もうっかり書き間違えていた)とセントルシアが10万ドルと世界最安クラスである。グレナダはアメリカの「E-2」ビザが取得可能である。
カンボジア、ヨルダン、さらに富裕層の間で人気のマルタは、投資だけではなく一定の居住義務がある。
3. 「出生地主義」かつ徴兵制のない国(原則、徴兵登録制度のある国を除く)
ここでは、「これから生まれてくる我が子を日本で徴兵されたくない」という方のために、「出生地主義」を採用し、かつ徴兵制のない国をリストアップする。
要するに「日本国外で出産し、生まれてくる子どもに外国の国籍を付与する」ための出産旅行を想定している。
注意しなければならないのは、このケースで国籍を付与されるのは「生まれてきた子ども」だけである。親には国籍は付与されない。また、出産旅行には数百万円の費用がかかる。
まず、「観光客であっても、国内で出産した場合、生まれた子どもに国籍を付与する」という完全出生地主義の国は、カナダ、アルゼンチン、ペルー、エクアドル、ウルグアイ、コスタリカ、パナマ、ガイアナ、スリナム、ベリーズ、グアテマラ、ホンジュラス、ドミニカ共和国、ジャマイカ、バハマ、バルバドス、トリニダード・トバゴ、グレナダ、アンティグア・バーブーダ、セントルシア、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセント・グレナディーンである。また、パラグアイは憲法上義務徴兵制だが現在は選択的運用となっており、アメリカは徴兵制を停止しているが徴兵登録制度がある。なお、コスタリカとパナマには軍隊がない。
注:Twitter上では、レソト、サントメ・プリンシペをリストに加えたが、この二か国は、徴兵制はないものの出生地主義ではないため本稿では除外した。
次に、「親が観光客の場合は不可だが、永住権、在留許可があれば、生まれた子どもに国籍を付与する」という条件付き出生地主義の国は、イギリス、アイルランド、ポルトガル、南アフリカ、ナミビア、インド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジーである。このほか、ドイツも該当するが、徴兵制復活の懸念がある。
注:Twitter上では、ベルギー、オランダ、スペイン、イタリア、フランスやアフリカ諸国などをリストに加えたが、条件付き出生地主義、または徴兵制なしという条件の両方を満たしてはいないことが判明したため、本稿では除外した。
注:「出生地主義」の国で生まれた子どもについては、「出生から3か月以内に日本国の在外公館へ出生届と国籍留保届の提出が必要。未提出なら日本国籍喪失」となることに注意が必要である。
4.在外公館の公邸料理人を目指す道
「在外公館公邸料理人募集サイト」というものがある。
こちらにリプライで貼らせて頂きます。
— Midori Harada (@aireverte) February 9, 2026
在外公館公邸料理人募集サイトhttps://t.co/MZf98sgWlj
公館に限らず世界各地のレストランで日本人料理人が不足しています。
調理師経験のある方の海外進出をお待ちしています。比較的低い語学レベルでも働けます。
調理師経験者の方は、厳しく語学レベルを問われることなく応募が可能だ。
5.外国人と結婚して日本国籍を離脱する方法はどうなの?
「外国人と結婚すれば、外国の国籍をゲットして日本国籍を離脱できる!」というわけではない。かつては「我が国の国民と結婚した外国人に、自動的に我が国の国籍を与える」という国や「外国人女性に限り、我が国の国民と結婚した場合我が国の国籍を与える」という国もあったが、男女平等の原則などから、こうした運用は現在ではほぼ行われていない。
本節では「性別を問わず、その国の国民と結婚してから帰化申請までの年数が短い国」をリストアップする。
第1位:スペイン(最短1年)
条件はスペイン国民と結婚後、1年間の合法居住+基礎的なスペイン語能力+犯歴なし
第1位タイ:ブラジル(最短1年)
条件はブラジル国民と結婚後、1年間の合法居住+基礎的なポルトガル語能力
第3位:メキシコ(最短2年)
条件はメキシコ国民と結婚後、2年間の合法居住+基礎的なスペイン語能力
第3位タイ:イタリア(最短2年)
条件はイタリア国民と結婚後、イタリア国内に2年間合法居住、または海外居住の場合イタリア国民との婚姻関係を3年継続
第3位タイ:アルゼンチン(最短2年)
条件はアルゼンチン国民と結婚後、2年間の合法居住(語学試験一切なし)
第6位:ポルトガル(最短3年)
条件はポルトガル人と結婚後、3年間の婚姻関係継続+ポルトガル語A2レベル(ポルトガル国内居住義務はないが、ポルトガル社会との実質的なつながりは必要)
第6位タイ:アメリカ(最短3年)
条件はアメリカ国民と結婚後、グリーンカード保持で3年+英語と公民のテストあり
第6位タイ:カナダ(最短3年)
条件はカナダ国民と結婚後、永住権を取得し3年居住+英語またはフランス語能力
第9位:フランス(最短4年)
条件はフランス国民と結婚後、4年間の婚姻関係継続+フランス語B1レベル
第10位:ドイツ(最短3~5年)
条件はドイツ国民と結婚後、最低2年の婚姻関係継続+3年以上の合法居住+ドイツ語B1レベル
「居住」や「投資」による国籍取得年数ではランク外であったスペインやブラジルが、「結婚」の場合「最短1年」という短期間での国籍取得が可能ということでランクインした。
ただし、ここでも気を付けなればならないことがある。
まず、しつこく「最短〇年」と書いていることについてだが、制度上は最短でこの年数で国籍が取得可能であっても、審査の遅れや書類の差し戻しなどによって、+2~3年はかかる可能性があるためにこのような書き方を採った。
また、言うまでもないことだが「国籍取得のみを目的とした偽装結婚」は論外である。各国とも、偽装結婚であるか否かについては、居住実態やパートナーとの関係性などを厳しく調査したうえで審査に臨んでいる。
「とりあえずスペイン人をマッチングアプリで引っ掛けて、スペインで結婚して1年暮らして、スペイン国籍がゲット出来たら離婚して日本に戻ろう」という邪な考えは持つべきではない。
6.ややネガティヴな未来予測
現「政権」の憲法改悪やスパイ防止法制定、国家情報局創設、さらには自衛隊の「自衛軍」への改組と徴兵制導入の可能性を高まりを考えると、筆者は次のように日本の未来を予想する。
①富裕層による海外への資産移転と、「投資」による外国国籍取得の加速
②海外移住による日本国籍離脱者の増加
③カナダへの「出産旅行」の増加
おそらく、この三つを当て込んだ「仲介業者」「コーディネーター」「コンサルティング業者」が次々と参入してくるのではないだろうか。
嫌な言い方になるが、今後の日本の軍事国家化は、2026年2月時点で「海外投資」「留学」「海外ワーホリ」「海外就職」などについて実績とノウハウを持ち現地駐在員を置いている企業、そして旅行会社にとっては、絶好のビジネスチャンスになるだろう。国際結婚も増加するのではないだろうか。「外国人とのマッチング」を謳う業者も増えるだろう。
「もう日本は無理!」「日本国籍を離脱したい!」「生まれてくる我が子を日本で徴兵されたくない!」という思いを、食い物にしようとする人間がこれから出てくるだろう。読者の皆様におかれては、正確な最新情報を自ら収集し、怪しげな人物に引っかかることが無いよう気を付けていただきたい。
7.筆者からひとこと
ここまでこの記事をお読みになった方の中には「日本国籍離脱、案外簡単じゃん」という希望を見出した方も、逆に「私にはもう時間もお金もないよ……」と絶望を深めてしまった方もいらっしゃることだろう。
筆者からは、
「とにかく命を大切に。生き延びるために日本国籍を離脱したい……という皆さんの願いが叶いますように。一人の人間として尊重される場所で、生き延びましょう。そして、この日本が、人間を尊重しない場所ならば、躊躇なく日本に別れを告げましょう」
というメッセージを読者の皆様に送りたい。
Twitter版の「旧版」ガイドブックの扱いなどについて
Twitter上に投稿していた、画像4枚形式のガイドブックは、誤りが多いため2月9日23:30ごろにすべて初版、改訂版ともに削除した。
また、これらのTwitter投稿をほかの方がまとめたposfieの記事についても、誤った情報の拡散は適切ではないため、当方の投稿を権利者削除とした。
posfieの記事は相当な反響を呼んだが、そこついたコメントの大半は読むに堪えない罵詈雑言であった。しかし、中には首肯させられる指摘もあった。
筆者から、それらの指摘を踏まえたうえで、ここで読者の皆様にお伝えしたいのは、「日本を脱出し、日本国籍を離脱するには、お金と時間、学歴と仕事……だけでなく、日本語文化圏を離れる覚悟、米食文化圏を離れる覚悟、肉親や友人のもとを離れる覚悟、移住先の国の言語や文化を正しく理解する覚悟、そして移住先の国民としての責務を全うする覚悟が必要である」ということである。
くれぐれも、「ちょっと時間とお金はかかるけど、国籍だけちゃっかりゲットできたら、外国のパスポートを持って日本に戻って、今度は『外国人』として、慣れ親しんだ町で両親や友人たちと平和に暮らそう。いざとなったらパスポート持ってる国に逃げ帰ればいいや」とは考えないでいただきたい。それは、新たに国籍を取得した国の制度と社会を"利用"しているだけである。人によっては「フリーライドしているだけ」と言うだろう。
筆者自身「現在の政治状況が長く続くなら、日本が再び軍国主義の道を進むなら、できることなら日本国籍を離脱したい」という気持ちはある。しかし同時に「都合よく外国の国籍を『利用する』人間にはなりたくない」という思いがある。
8.日本国法務省への国籍離脱の届け出について
これについては、法務省のサイトを参照いただきたい。
手続きの流れとしては「先に別の国の国籍を取得→各種書類を、日本語訳を添えて日本国法務省に提出」となる。
追記その①:「日本人難民」発生の可能性について
読者の中には、「自民党による軍事独裁政権が樹立されたら、政治難民として国外に脱出したい」という考えの方もいらっしゃることだろう。
国連難民条約に基づき、ざっくりと政治難民として認定される基準を整理すると、
「人種・宗教・国籍・特定の社会集団・政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがある者」
ということになる。
今後日本において政治難民が発生するシナリオとしては
・反政府活動をして実際に逮捕・起訴された
・ジャーナリストとして取材を理由に迫害された
・良心的兵役拒否で実刑の危険がある
・LGBTなど特定の社会集団として弾圧された
・左派政党所属を理由に弾圧された
・デモ参加で実名公表され身の危険がある
というあたりが考えられる。特に、特定の社会集団への弾圧、左派政党への弾圧、さらに「デモ参加者の実名公表」は今後発生の可能性がゼロではない。
政治難民として日本を脱出する際に目指すべきは、カナダ、ドイツ、スウェーデン、オランダ、ニュージーランドであろう。
とりわけ、「居住」および「出生地主義」の項でも名前の挙がったカナダこそが、日本人にとっての「駆け込み寺」になりうるのではないだろうか。ただし、どの国においても難民認定の基準はそれなりに厳しく設定されていることは言うまでもない。「日本で生きるのがつらいから逃げてきた。左派政党支持者の自分は身の危険を感じた」という程度では、難民として扱われることはないだろう。
いま、日本は、外国人とその文化への理解を欠く日本人の主張に端を発した「いわゆる『外国人問題』」「いわゆる『移民問題』」が盛んに論じられている。
しかし、今後の日本の軍事国家化の行く末によっては、日本は「移民を受け入れる国」から、「日本人の移民を送り出す国」へ、そして「難民を受け入れる国」になるどころか「難民が発生する国」になりかねない……と筆者は考えている。
余談
(ここからはですます調で)
投稿から24時間足らずで初めての「100スキ」に到達したことに驚いています。たくさんの方に読んでいただけていることをうれしく思います。
普段私は、韓国野球、特に日本語での情報が極めて少ない韓国の社会人野球について書いています。特に、下記の記事2本はかなり力を入れて書いたものですので、お時間のある方で、野球に興味関心のある方にはぜひお読みいただけたら嬉しいです。
また、日本人KBOファンが一人でも増えたらうれしいな、という思いで、外国人がKBOの前売り券を買う方法についてもまとめています。
マニアックな内容ですが、「おそらく現時点で最も詳しい北朝鮮野球の記事」も書いていますので、ぜひご覧いただけたらうれしいです。



"本稿では「配偶者ビザ」を前提としない形に書き改めた。" ここが素晴らしい。ありがとうございます。 筆者も、この記事の情報提供者も読者の皆さんも、どうぞお元気で。生き延びましょう。
コメントいただきありがとうございます。この種の情報を調べていると、「手っ取り早く国籍を変えたかったらまずは外国人と結婚しよう!」という話ばかりが出てくるので、敢えて配偶者ビザを前提としない形で執筆しました。みんなで知恵を出し合って、力を合わせて生き延びましょう……!
面白かった。アルゼンチンいいよね。でも役所や政府が日本以下なんだよね。
アルゼンチンはとにかく国籍取得までの年数が短いのが魅力的ですが、現政権がトランプ以上にヤバいあたりがちょっと……という感じですね💦
こんにちは。フランス在住のものです。おすすめ記事に出てきて、拝読いたしました。 2026年1月付けからフランスへの帰化要件が変わりました。フランス語のレベルがB2以上を求められます。 フランスは国籍を取得しにくい国だと思っていましたが、必要な居住年数は世界的に見ると短いんですね。…
貴重な情報をありがとうございます!2026年1月から帰化要件を厳しくした国がいくつかありましたが、フランスもそうだったのですね……。フランス国籍取得に必要な年数は、正直もう少し長いと思っていたので、案外短めで私も調べてみて驚きました。
個人的に防衛費増額、憲法改正⇒守るって理屈が理解できないです。戦争は突然始まるんじゃないし前兆あるんだからそれを止めるのが外交だと思う。不安で考えず対話解決が本質だし、武力無いと話せないって告白の時に銃突きつけ無いとOK貰えないって言ってるのと同じ
日本の外交下手は昔からですが、たった一つの失言を謝罪も撤回もできず、憲法改悪から戦争へと突き進む現「政権」は、もはや外交努力を放棄しています…