ブラウンダスト2メインストーリー18章感想
ブラウンダスト2のメインストーリー18章が先日7/17のアップデートで公開されましたね。待ちに待ったシーズン3の最終章であり、これまでの章でユースティアにまつわる過去や各勢力の裏側なども描かれてきた中での一つの終着点が描かれています。この記事では感想がメインとなっており考察については別記事でまとめようと考えています。それぞれのキャラクタに焦点を当てての感想となっています。ほんとは今開催中のイベントのシナリオが全部公開されてから書いた方が良さそうな気もしましたが、ちょっと我慢しきれませんでした。ネタバレがありますので、ゲーム内で読了後に記事をご覧になる事をお勧めします。
ユースティアとオリビエ
この章の主題でもある「救済」、それはどんなものだったのでしょうか。私はこの章、というかオリビエの生涯において、二つの「救済」が最後に訪れたように感じました。それを語る前にまずはユースティアについて触れたいと思います。
・ユースティア達の成長
ユースティアに関してまず思う事がありまして。以前の章やこの章でも闇落ちラテル達と出会った時に、これはグレイやシェラにも言える事ですが、もう少し感情を露わにしてラテルに「自分たちの元に戻ってきてほしい、一緒にいたい」という想いを叫んでもいいのでは?と思ったりしてます。まあ個人的な好みですけどね、人物の素直な感情の吐露もまた物語の中での一つの魅力かと思います。とは言え、過去と向き合い自身の闇でありトラウマを押し付けていたティアと和解し、己の弱さから目を背ける事を辞めたユースティアはもちろんですが、グレイやシェラも辛い経験や過酷な戦いを経て成長していますから、今のラテルの姿を見たからと言って無暗に動揺したり感情が昂ったりせず、彼を信じているし必ず戻ってくるという強い信頼ゆえに落ち着いているのかもしれません。16章でのユーティのラテルへの赤裸々な告白(リベルタ曰く)を見てもそれは分かります。しかしそんなユースティアでもやはりずっと求めていた母との再会の時には年相応の子供のような振る舞いをしていて、ほっこりしました。結果として短い再会にはなってしまったのですが、それでも最後に母への思いを伝えることができたのは彼女の人生において深い意味のある出来事だったかと思います。
・娘による救済
オリビエの話に移りますが、作中で描かれているようにヴァルキリーは神に作られた生来闇を持たない神聖な存在であり、個体によってはやや感情が希薄であったり、もしくは何らかの一つの感情に特化しているパターンが多いように見えます。仕える神を何よりも強く信じ、与えられた使命や守るべき神聖な世界が自身の全てであると信じた。そういった思いをどのヴァルキリーよりも強く持っていて、だからこそ信心の翼という異名を得た彼女。ノルヘイヤよって作られた最強のヴァルキリーでありフレリアの時代に至るまで最高の栄誉を授かり、そのような高潔な信心を持っていたからこそ、生来心の中に闇や弱さを持ち容易く楽な方向に流れる人間を忌み嫌っていたわけです。
そして妖精王国の件でテラを多量に浴びた上に任務にほぼ完全に失敗したショックから堕落して闇に染まってしまったオリビエ。しかし闇・負の感情とは裏を返せば強烈な願望や欲求であり、元が神聖なので強い闇に晒された時に耐えることが出来ず容易に堕落してしまうからこそ、その強い衝動や欲求はハンセンやレピテアとの大切な日々や想いを経て、最終的には娘ユースティアへのあまりにも深すぎる愛情に帰着したのかなと想像しています。
親であれば子供への深い愛情があるのは当たりまえ、普通の人間の母親でもそうだ、と思うかもしれません。しかし全ての生命力を渡しても娘への想いで何とか生を繋ぎとめる精神力がある上に、アザールの策略でほとんどテラしか体にない状態から生み出された影のオリビエであるカリエンすら娘を助ける為に抵抗したり、自身を倒してくれたことに感謝を述べるなど、普通では考えられない母親としての強い想いを感じずにはいられません。
そして最終的にその最愛の娘が、心強い信頼しあえる仲間・友を得て立派に成長している事、そこに自身の生涯に対する救済を見出したのではないでしょうか。大切な存在への強烈な執着、それは彼女の強い内面を表しもするし、闇へあらがう術を持たないにもかかわらず人の心を知ってしまった彼女の弱さの表れでもあったように思います。
・神による救済
罰とは許される事であり、大いなる存在に全てを委ねて救いや許しを請うなど恥ずべき事。イベストで描かれているようにオリビエはこのような考えをもち任務に失敗した後もフレリアの元に戻ることはなく、一人みじめに心をすり減らしながら暮らす時期がありました。その後成長したハンセンとの出会いユースティアを授かった事から、人としての心が芽生えてある種の救済を得ることはできたのですが、やはり自身が信心を捧げていた主とその命令を裏切ってしまったことへの負い目は消えることはなかったようです。
神への懺悔、告白を己の内に押しとどめて人としての生き方を選んだオリビエ。ですがその最後の瞬間、フレリアと同じ半神であり妹であるエッダは彼女に許しを与え、天界の戦士としての名誉ある生涯を認めるのでした。自分たちを造った偉大なる存在に全てを委ねることで得られる安息、これは彼女が昔捨て去った物ですが、愛する娘ユースティアによる救済を得て、自分のやるべきことは全てやったという心境でならそれを素直に受け取ることができたのではないでしょうか?これがオリビエの得たもう一つの救済なんだろうなと感じました。いやあ本当にこの章のオリビエとユーティ周りのシナリオは素晴らしかったですね。なんか最近親子の絆をテーマにした話だとすごく涙腺が緩むんですが、歳取ったなと少し心配になったりもしましたが、とはいえ満足したのは間違いないので、よかったよかった。
アザール
ストーリーを読み進めて彼がベイルーンの法廷裁判官であると知った時、「なるほど、正義感に溢れていたけど何かのきっかけでそれが反転して闇落ちしちゃうんだろうなあ」と思っていましたが、まさかの最後まで闇落ちしていない展開で驚きました。だいたいこの手の正義執行キャラって融通が利かなかったり、自分のやり方を認めない周りの人間を疎ましくおもったりするものですが、彼は、記憶装置の危険性をウィルヘルミナに指摘された挙句職位を剥奪され謹慎を命じられても素直に従い彼女の期待に応えるべく努力を続けます。
最終的に研究に行き詰まった際も自身の非とオルシュタインの助言の正しさを認めて、その上で今自分に出来る最善を尽くそうとします。自身の間違いに気付くのがわずかに遅かった為、記憶抽出装置に記憶と意識と身体を乗っ取られてしまいましたが、それでも彼の精神自体はテラの影響をかなり受けているにも関わず堕落する事はありませんでした。最後までウィルヘルミナの為に、そしてベイルーンの為に行動していました。
アザールを名乗って彼の体で今までのコキュートスでの悪行を重ねていたのは自我を持った記憶抽出装置であって、アザール本人の罪と言えばテラを用いた研究の危険性を軽んじていた点くらいかと私は感じましたが、実際どうなのでしょう?現実とは違うファンタジー世界の話ですし、ライターの方も記憶抽出装置の原理や構造を厳密に明示したわけでもないですから確定はできませんが、記憶抽出装置は最初の被験者・親衛隊達・アザールの記憶や意識を取り込んで次第に自我を形成した、アザールとは完全に別個の存在であると私は読み解きました。
なので、モルフェアやユースティアによるアザールを乗っ取っていた存在への最後の言葉は、ちょっと引っかかるものがありましたね。オリビエを救い出したようにアザールも救い出してあげても良かったのではないでしょうか。もちろん記憶抽出装置に取り込まれた記憶はテラで汚染されますから彼は無事な姿で戻ってこれる保証はありません。おまけにベイルーンの法律次第ですが法で裁かれれば死刑になる可能性がかなり高いでしょう。中世ファンタジー世界ですし心神喪失などの概念は法の中に取り入れられてなさそうなイメージですしね。
ただ彼はもう救われないような状況であったとしても、せめて最後まで高潔さは失っていなかったという事をユースティア一行はウィルヘルミナやオルシュタインに伝えて挙げてほしいです。特にウィルヘルミナからすると、信頼していた家臣が両親を殺害して逃亡し、挙句世界に害をなす黒魔術師集団の参謀となって再会することになってしまい、その辛さはどれほどのものだったかと胸が痛くなります。せめてその誤解を解いて、ウィルヘルミナとオルシュタインの心の中だけでもアザールの名誉を保ってあげられなかったか、そういうシーンを描けなかったかというのが心残りですね。おそらく尺の問題や話の都合から二人を同行させられなかったのが痛い。まあ話をブレさせず母と娘の話にちゃんと絞ったのは英断だったのかもしれないですね。
ところで、私はここまで一貫してアザール本人は闇落ちしていないというスタンスで進めていますが、人によってはもしかしたら「アザールはテラによって堕落しており彼を乗っ取った存在も堕落したアザールそのものである」というスタンスの方もいるのかな?と思っています。それくらいアザールと記憶抽出装置の話はちょっとややこしい気がして、いろんな意見を聞いてみたいですし、私はこういう解釈したよって意見をコメント等でいただけると嬉しいです。
モルフェア
18章の話の流れからユースティア一行と同行することになったモルフェア。「プレイアブルに伴って安易に良い人キャラ、善人キャラにして彼女の悪女としての価値を貶めるようなら許さんぞ」と読了前は息巻いていましたが、ただ、ブラダス2のカセットシステムや、テラによる人格面への影響といった設定があるおかげで、モルフェアに関してはそういった印象をあまり感じない構造にできてるのかなって感じました。アデリーヌやテラの影響を受けていないモルフェアはどのような人物なのでしょうか?グルトークやイベントカセットのシナリオでの彼女を見ると自信家・完璧主義・高飛車・不器用といったワードが浮かびます。
そのような性格ですから、合わない人とはとことん合わないでしょうが、ダイナーのマスター・バニーロエン・マスターラビット、そして本編でのユースティア一行など、自身が実力を認めた者・自分に優しく接してくれた者には、軽んじたりいがみ合う事もなく自然な態度で交流することが出来るようですね。うん、かわいい。
6章や15章でのジェフリー・カリーナ・その他手下の黒魔術師等、自分以外の人間を使い捨ての道具としか見ておらず死んでもなんとも思わない極悪人として描かれていた彼女が、18章においてユースティア一行と割とうまくやれていたのはどうしてでしょうか?利害が一致してたという前提はもちろんありますが、それならコキュートスの面々、特に部下達とももっと親密な関係になれたはずです。まず一つ大きかったのは、16章で自身の生命力を燃やすほどの全力を出しても勝てなかったユースティア一行の実力を認めたという点でしょうか。18章で優れた推理を見せたシェラに魔女としての才能を見出し惚れ込んだ段階でこの心理はゆるぎないものになったように思えます。
では強い相手優れた相手ならお互いに認め合い健全な関係を気づけるかと言うと、コキュートスでの使徒同士やアザールとの最悪な人間関係を見ればそうでないことは一目瞭然です。18章でのユースティア一行は様々な経験を経て、扱う力の性質で人間性を全て決めつける事の愚かさを学んでおり、また利害が一致していることから、モルフェアに対して警戒はしつつも憎しみや恨みをストレートにぶつけることは決してありませんでした。このようなユースティア一行の実力と態度によって、テラとアデリーヌに憑りつかれて極悪人になり果てていたメインストーリー世界の彼女であっても、ある程度の友好を築けたのだろうなと想像しました。
次元の扉を使えたりと結構便利キャラとしても今後活躍の道はありそうですし、至高のツンデレキャラみたいな感じでエクリプスに虐待されたりしながらも活躍してくれると楽しそうですね。
ノックスとパルタン
ドスケベむちむちゲー化のあおりを受けて強キャラ感を漂わせつつも普通に倒されて墓の下に入ることになってしまった方々。ライターの方々の温情があったのか再登場してくれました。ボスラッシュみたいにサクッと片付けられてはしまいましたが、登場しただけでもありがたいことなのかな。プレイアブル化は現実的にもう可能性ゼロでしょうけども、仮面を外した使徒の全員集合絵イラストとかでかっこいいパルタンやノックスを描いてくれないかな。折り紙さん是非ともお願いします。あ、でもバークは要らないかな、4人でお願いします。
リベルタ
率直な感想として、18章は彼女の内面にももう少し踏み込んで描くべきだったんじゃないかなと思いましたね。自身の両親・姉妹の様に親密な関係だった侍女・その他周りの全ての人々から見放されたどころか激しい怒りや恐れを向けられ、まともな精神状態ではなくなってしまったリベルタ。彼女は自身と同じ境遇である(少なくとも彼女はそう思い込んだ)光と闇を併せ持つ存在である堕落したヴァルキリーであるオリビエを心の支えのようにしてこれまで生きてきました。
彼女はストラスの元に下ってからオリビエが今どのような状態に置かれているのかを知り、アザールに捕らえられているオリビエを解放する為、母の記憶を持ったユースティアが必要であるという点から逆算をしてオリジナルラテルの善の心(原初の力?)をホムンクルスラテルの中に埋め込む等、入念な計画を立てて暗躍します。
そして計画通りにオリビエがアザールから解放された後も、彼女のトラウマであるストラスの話を持ち出して完全に精神が堕落してしまうように仕向けます。このシーンは正直読者目線でいうと「おいふざけんなよ、せっかく再会できた母と娘の感動の場面で何やってんだ!」と言いたくはなりますが、彼女の行動原理からすると特におかしなことはしてないんですよね。狂ってはいますが、その狂った理屈からするとおかしくはない。
ただ、待望の堕落したヴァルキリーと出会えたその後リベルタの言動はちょとしっくり来ないですね。ここまで入念に準備していたなら彼女を捕えて拉致する術式の準備とかしててもおかしくないと思いますが、そういうわけでもなく彼女と戦おうとするユースティアとグランヒルト達に従うだけ。そして最後の最後で堕落から一時的に脱した母と娘の最後の会話を外野からおとなしく見届けて、エッダから見逃された際には「なんなの、これは。全然面白くない」というセリフを吐くので、君は結局何がしたかったの?って感想にはなってしまいますね。
彼女の内面を想像すると、まずオリビエが想像以上に母の愛に溢れた人物で自分の事を欠片も気にせず娘の事だけしか見ないので、せっかく理解者になってくれると思ってたのに「なんか冷めた、面白くない」って気持ちだったのかもしれません。もしくは、もうリベルタは特に生への執着もなく、最後に自身の理解者の手によって殺されたかった可能性もあるかなとも思いました。堕落したオリビエを目の前にして全員が実力差に絶望している状況で彼女だけがこの状況を楽しんでいましたからね。しかし彼女に殺されることも叶わず、それなら半神エッダの裁きでオリビエの元に後を追って逝けるかと思っていたら想定外に許されて拍子抜けしてしまった、そんな風に想像しました。
彼女が自身の内面をこの章でほぼ語っていないので、彼女の目的がこの時点で何だったのか、達成できたのか、よく分からずもやもや感が残ります。この章ではオリビエやユースティア、アザール等丁寧に描くべき人物が沢山いるので尺の都合でリベルタまで手が回らなかったのでしょうか?もしくはライターの方がリベルタを描くのはここではないと思ったのでしょうか(むしろここしかないような気もしますが)。いずれにしてもリベルタというキャラの内面をこのまま描かないままで終わるのはもったいなさすぎるので今後のストーリーに期待したいですね。イベストでラテルやブレイドはリベルタに対して「心の底から望んでいたものを既に手に入れていたのに、それに気づかなかった事が哀れだ」という旨の発言をしていますが、まさにその通りで、アンジェリカという心からの理解者を得られるチャンスがあったにもかかわらず自分からそれを捨てて書物の中の会った事もない存在に救いを求めたリベルタ。彼女が今後アンジェと再会して何らかの人間模様が描かれるといいなあって色々妄想してます。
半神エッダとグランヒルト
ついに登場したエッダ様。グランヒルトに抱えられて降り立つ姿がかわいいですね。緊迫したシーンでの登場もあってか凛々しい声で神威を示す様はかっこよくもあります。あとなんか無印に比べて割と流暢に喋るグランヒルトを見て、カッコいいんだけどなんかちょっと笑いました。ちゃんと喋れるんじゃん笑。
人間の弱さや闇を忌み嫌う姉のフレリア様と違って、弱さを乗り越えようとする意志こそが人間の本質であり大切なものと考えるエッダ様の考え方はやはりここでもブレておらず、闇成分マシマシのラテル君達三人もひとまずは見逃してもらえます。ここに助けに来たのがフレリア様じゃなくて良かった、多分彼女が来てたらオリビエはともかく、ラテル君達はその場で死刑執行だったと思う。フレリア様ももちろんオリビエに対して救済は与えるでしょうが、エッダ様ほど上手く優しく諭してあげられたかと言うとちょっと心配な面もあり、エッダ様が来てくれてほんとよかったなと思いますね。
そしてエッダ様は母と娘の最後のひとときを見守った後、地上に未曽有の危機が訪れる事を伝え、手を貸してほしいと助けを求めます。各々の正義や些細な復讐心は問題ではないレベルの戦争とは一体なんでしょうか?闇の支配する世界が関連しているようですが、ブラウンダスト無印で考えるとシーズン1の日食関連のストーリーやその裏側にあった陰謀、もしくはシーズン2の常夜の世界との戦いに繋がっていくのでしょうか?イベスト「GOING HOME」ではブラウンダスト2においてはじめて「常夜の世界」というフレーズが出てきましたし、私も過去記事で常夜の世界が関連してくるシナリオは予想していましたがにわかに可能性が高まってきた感があります。
時系列で考えるとやはりすぐ近くに控えている日食関連のイベントがあり得そうでしょうか?今現在帝国歴250年には冥黒教団が既に現皇帝のアルテイア二世に取り入っており、まもなく魔物が世界中で大量発生します。そこに魔物を操る力をもつ龍のアデリーヌを絡ませてくるのではと前々から予想はしていましたが、はたしてどうなるか。そしてその一年後の帝国歴251年にはファビアンが実際に活動を開始して六魔星を結成し(6章の最後のセリア勧誘もその一つですね)、世界各地の魔物を討伐しながらその背後に蠢く闇の勢力の調査を行い、253年の日食に至ります。この時ラテルやユースティア達も実はこんな風にあんな風に活動してたんですよ、って裏側が描かれるなら中々テンション上がりますね。もしくはブラダス1も2も並行世界的世界観をもっていますから、2の世界線は1のデフォルトの世界線とは違うものになっていて全然違う歴史が描かれるなんてのも面白いかもしれません。本当に楽しみでしかたないですね!



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