南京博物院で美術品が不正流出 元院長ら関与、20億円で競売の品も

上海=里見稔
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 中国江蘇省南京市にある南京博物院で、所蔵する歴史的な美術品が不正に外部に流出し、販売されていたことがわかった。同省などの調査チームが9日に公表した調査結果では、博物院の元院長らが不正に関与したとしている。

 問題となっているのは、明の時代の仇英(きゅうえい)による図巻「江南春」など5点。調査結果によると、5点は元院長が副院長だった1997年にいずれも贋作(がんさく)と認定された後、博物院の傘下で、元院長が代表を務める組織に不正に移されたとされる。「江南春」は同年のうちに2250元(約5万円)で外部に売却された。

 ネットメディア「澎湃新聞」が2025年12月、この江南春が中国のオークションで同年5月に8800万元(約20億円)で出品されていたとする転売疑惑を報じたことで問題が発覚。同省などが調査に乗り出していた。

 澎湃新聞は、贋作と認定した当時の鑑定作業について、基準や過程が十分に示されておらず、記録の開示方法にも不透明さが残ると指摘している。

 元院長にはこのほかにも「重大な職務違反」の疑いがあり、当局が調査しているという。

 南京博物院のホームページによると、博物院は国民党政権下で南京が首都だった1936年に、「国立中央博物院」として建設が始まった。現在は国宝級を含めて43万点以上を所蔵している。中国では、北京と台北にあるそれぞれの故宮博物院とあわせて「三大博物院」とも呼ばれている。

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この記事を書いた人
里見稔
上海支局長
専門・関心分野
中国社会、日中外交、安全保障