私の昨年のXで、「食料品にかかる消費税率を恒久的にゼロ税率とすることが望ましいが、それには5兆円必要とされる。大雑把に考えて、消費税率1%当たりの税収を2.5兆円とすると、5兆円は2%に相当するので、自然増収が起こらないと仮定すると、食料品以外の標準税率を10%→12%にするならば辻褄が合う、という主張が出てくる」という、いわば警告のような意図であった。
私は、この意見に賛成ではない。現在、日本経済はコロナ不況からの回復過程にあり、また、主に海外要因による物価上昇は当分、不可避なので、名目GDPは3%を超え、税収弾性値は、2倍を超えているはず。自然増収は政府の措定よりずっと大きい。5兆円の税収減は、ゼロ税率適用の1年だけ起こり、その後はフラットになるので、持続的に自然増収が起これば、5兆円の減収は、2年以内に回復するだろう。そのためにも、2%の物価安定目標は、一刻も早く「持続的に」実現しなければならない。
日常の食料品は、価格弾性値が小さいので、ゼロ税率にしても顕著な消費増は期待出来ないかもしれない。しかし、エンゲル係数が、途上国並に上がってしまった日本の、食料品にかかる税率が、G7先進国で最も高いというのは、おかしくないか。国家の品格の問題である。
財源をどうするかは、究極的には国民の判断である。「埋蔵金」なるものはない。公正な社会の下で、潜在的な生産力の上限の中で消費をするしかないのである。
なお、恒久的ゼロ税率から「給付付き税額控除」制度に円滑に引き継ぐことが、極めて重要である。今こそ、知恵を結集しよう。