USBメモリの話2
前の記事から13年経っていますが、NAND型 Flashメモリの仕様移行で耐久度がだいぶ下がっていて、寿命が短い物を手にする機会が増えているので、
再度USBメモリの注意点を書きます。
【USBメモリとは】
| SanDisk 512GB Extreme PRO デュアルドライブ - 最大1,000MB/秒、USB Type-C、USB Type-A、高性能フラッシュドライブ - SDDDE1-512G-G46。 (2025/1/15) SanDisk |
USBメモリとは、SDカードの様な小型メディアやSSDと同様にNAND型 Flashメモリを記憶媒体に使用しているUSB(Universal Serial Bus)接続の小型ストレージ(外部記憶装置)です。
半導体メモリにデータを保存するので小型で持ち運びがしやすく、最近は↑の例の様にType-C端子を持っていたり、USB3.2 Gen2(USB3.1 Gen2)の高速化に対応、1TB以上の大容量の物が出ていたりと進化しています。
高解像度の画像や動画等、年々扱うデータ量も上がっているのでUSBメモリも進化していくのは良いのですが、大容量化に伴ってデメリットが大きくなっているので、扱いに注意が必要になっています。
【NAND型 Flashメモリの劣化速度が上がっている問題】
前の記事でも説明していますが、【フラッシュメモリとは】で説明している様に、
NAND型Flashメモリは、書き込みと消去時にトンネル酸化膜を破壊しながら電子が通過する仕様の問題で、書き込みと消去すればするほど劣化していくので完全に消耗品です。
Flashメモリの改良によって1素子辺りのデータ容量を増やしたり、素子の実装を平面から積層化(3D NANDFlashメモリ)
して全体の容量を大容量化、更に大容量化によって容量単価を下げて安価化出来る様になった訳ですが、
1素子辺りの容量増加による1素子辺りの劣化までの期間がかなり短くなっているので注意が必要です。
フラッシュメモリとはの方で説明していますが、電子が有るか無いかで0か1を判別して1bitのデータ保存を可能としたSLCは1素子辺り10万回の書き換え限界がありましたが、
現状一般化したTLCで3000~5000回まで減っており、大容量低価格でQLCを採用していた場合、300~1000回程しか書き換え限界がありません。
SLCやMLC(8000~10000回)のUSBメモリと同様な使い方をしていると、かなり早い段階で素子の書き換え限界がきたり、通電していないと電子漏れが起きてデータ破損が起きる問題が出る様になります。
積層化による素子数増加で全体の耐久度が上がると言っても、SSDの様にFlashメモリの枚数自体を多く載せられるわけでもなく(USBメモリのサイズの問題で載せても2枚)、更に空きブロックの分散制御もSSDより細かく制御していないので、集中的に使っている素子が出る問題もあり、大容量化するほど耐久度が下がっていくと考えて下さい。
USBメモリは上記した様に記憶媒体が物理的に劣化していく消耗品なので、保存媒体にはなりません。
データ移動用として使用する様にし、PCか外付けHDD等にデータを保存する様にして下さい。
【書き換え限界で壊れたり、全体の劣化で出る症状】
【SSDのデータ構造について】でFlashメモリのデータ構造を説明していますが、書き換え限界で1素子が壊れると、ブロック単位で使用不可能になる為、書き換え限界で素子が壊れると一定量ずつ容量が下がってきます。
更に、死にかけや使用できないブロックが多くなると読み込み限定に移行して書き込めなくなる症状がでます。
物によってはデータは表示できるが、ソフトウェアで読み込もうとすると壊れていて読み込めないという症状がでます。
最悪読み込み限定に行かず、反応しなくなる物もあるので注意が必要になります。
だから、重要なデータはUSBメモリだけに保存してはいけない訳です。
必ずPCや外付けHDDやNAS等別の場所にデータをバックアップした上でUSBメモリにもデータを置く様にして下さい。
【USBメモリ選択の注意点】
【容量単価をよく確認】
容量に対して金額が異常に安い場合、QLCやPLCを使った極短寿命のFlashメモリを使用している可能性があるのでよく確認して下さい。
また、前は64GB辺りでもありましたが、現状128GB以降の製品は容量偽装している偽物がネットショップで販売されている事があるので、よくわからない販売元の中国製USBメモリは確認が必要です。
実容量が4G~16GBのFlashメモリに、偽装プログラムでフォーマットして128GB以上の容量に見せかけています。
一件大容量に見えますが、実容量を超えたデータを書き込もうとした段階で古いデータを上書きしていくため、古いデータから壊れて行きます。
128GBのUSBメモリに40GBのデータを書き込もうとしたら途中からブロックの消去処理が入って遅くなった上に、書き込み処理が終わったら無いデータや壊れたデータだらけという症状が出ます。
128GB以上の物は使う前にフォーマットすれば偽装プログラムが排除されて実際の容量が表示されるので、偽物だった場合は返品する様にして下さい。
【速度が遅い物はMicroSD変換の可能性】
↑の画像は正規のUSBメモリの中身の画像です。
正規のUSBメモリの場合、赤で囲ったFlashメモリがきちんと基板上にハンダ付けしてありますが、書き込み、読み込み速度が変に遅い物の場合、側を割ってみると、基板にMicroSD用のスロットがついていて、実態はUSBメモリではなく、SDカードのカードリーダーという事があります。
最近は少なくなっていますが、安い物の中にはそういった物もあるので、USB3.0以上対応なはずなのにUSB2.0並みの遅い速度しか出ないという時は、他者が中身を確認していないか型番で検索して下さい。
中身が偽装だった場合は返品を。
【購入する場所】
ネットショップでもAmazonの様な返品できる所で買う様にするか、実店舗も存在するPCパーツ店や家電量販店、OCN(旧NTT-X)等の信用できるネットショップで購入する様にして下さい。
ネットショップの場合結構な確率で偽物も当る可能性があるので。
【その他注意点】
【フォーマット】
USBメモリでも初期のデータ形式で問題が出る可能性があるので、使い始めにフォーマットを確認する様にして下さい。
基本的に複数のプラットフォーム(Windows、Mac)で使用出来る様に互換形式のFATでフォーマットされていますが、バージョンによっては1データの最大容量があって、大容量データを移動できないという事があるので、フォーマットし直す必要が出る事があります。
また、機器の世代で新しい形式が使えなかったり、古い形式でフォーマットすると容量が制限されてしまうことがあります。
プラットフォーム専用のフォーマット形式もあるので、覚えておいてください。
NTFS:基本Windows用、Mac環境は読み込めるが、書き込めない。
FAT32:Windows、Mac互換性あり、但し1データ4GBまで、全体で32GBまで。
exFAT:Windows、Mac互換性あり、1データ制限はないのと同じ。
HFS+:Mac専用、Windowsでは使用不可、周辺機器でも使用できない。
APFS:Mac専用、Windowsでは使用不可、周辺機器でも使用できない。
Mac環境を使用する時にフォーマットする時は、フォーマット形式をexFATでする様にして下さい。
HFS+やAPFSだとWindowsやLinux等のPCで使えない上に、周辺機器に直接接続しても認識すら出来ないので。
【USB接続のバージョン】
現状USBメモリが対応しているバージョンはUSB3.2 Gen2までですが、殆どのUSBメモリはUSB3.2 Gen1なので、データ伝送速度が速い物が欲しい場合はよく確認して下さい。
尚、USB3.0やUSB3.2は規格移行時に命名が変わっているのでよく確認を。
USB3.0(USB3.1 Gne1、USB3.2 Gen1):5Gbps(理論値)
USB3.2 Gen2(USB3.1 Gen2):10Gbps(理論値)
USB3.2 Gen2対応のUSBメモリは安くてもSanDiskの13,000円の物からしかないので注意。
【周辺機器の対応容量限界】
前に【プリンターのメディアの対応容量について】で説明していますが、USBメモリを直結してデータを移動できる周辺機器の中には、
最大容量を指定していて大容量のUSBメモリを認識できない事があります。
なので、PC同士でデータ移動する用なら大容量の物を購入しても問題ないですが、周辺機器に使う事がある場合は、大容量の物を適当に購入すると認識できず使えない、という事があるので、よく確認する必要があると考えて下さい。
前の記事と同様な注意点を書いていますが、前よりも故障までの期間が短くなっているのと、機器によっては大容量の物では使用できない事があるので新たな記事として注意点を書きました。
現状でも突然壊れて困ったという情報が上がって来る事があるので、USBメモリの扱いに注意する様にして下さい。
【関連記事】
【フラッシュメモリとは】
【USBメモリの話】
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