売春「買う側」への罰則を議論、法務省が検討会設置へ
平口洋法相は10日の閣議後の記者会見で、売買春への法規制のあり方を議論する有識者検討会を設置すると発表した。「売る側」の勧誘行為などにしか適用されない現行の売春防止法の罰則規定を、「買う側」も対象とするかが主要な論点となる見通し。3月末までに初会合を開く。
平口法相は「社会情勢を踏まえ売買春の規制のあり方について幅広い知見に基づき議論していただく」と述べた。検討会は刑事法学者や法曹三者、売買春の実情に詳しい専門家らで構成する。
現行の売春防止法は「対価を受け取り不特定の相手と性交すること」を売春と定義し、売る行為と買う行為の双方を禁じている。
公衆の目に触れる場所での客待ちや勧誘、あっせん行為を刑事罰の対象とする一方、買う側への罰則規定はない。ただ、売る側が未成年だった場合には児童買春・児童ポルノ禁止法や児童福祉法の摘発対象となる。
借金を抱えた女性が新宿・歌舞伎町などの路上で売春の客待ちをしたとして売春防止法違反容疑で摘発される事例が相次ぐなど社会問題化し、「売る側」のみ処罰される不均衡な法規制を見直すべきだとの声が上がっていた。
2025年11月には東京・湯島の個室マッサージ店で12歳だったタイ人少女が違法に働かされていた事件が発覚。国会では「買われる側が処罰される構造で、女性の尊厳が軽視されている」などとして、同法の見直しを求める意見が相次いだ。
高市早苗首相は同月の衆院予算委員会で、現行法制の見直しを検討するよう法相に指示すると表明。検討会では買う側への罰則導入の是非や法定刑の引き上げなどが議論されるとみられる。