テクノロジー

2016.10.17 07:00

アップルが買収狙う「謎の電動バイク企業」リット・モーターズの苦境

リットのC-1 (Lit Mortors)


製品はいまだ未完成

2014年夏にはリットは30人の社員や契約社員を抱え、事前注文台数は1,100台を超えた。2012年にフォーブスがキムをインタビューした際、彼は早期の商品開発に自信を見せ、2014年後半には出荷を開始すると語っていた。

それから2年が経ったが、リットはまだ1台も車両を生産できていない。同社の公式フェイスブックページを見ると、今年4月の段階でまだ事前注文の受付を行なっていた。ファンからは出荷の遅延にガッカリする声が多く挙がっており、中には「リットも経営破綻した自動車ベンチャーのFisker AutomotiveやApteraの二の舞になるのでは」と、リットの経営難を心配するコメントも寄せられている。Ward Tomasiakと名乗るフェイスブックユーザは次のようなコメントを残している。
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編集=上田裕資

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2016.10.12 17:00

欧州のEV販売台数が減少、新たな競争が原因?

ルノーEV「ゾエ」 Oleg Golovnev / Shutterstock.com

ルノーEV「ゾエ」 Oleg Golovnev / Shutterstock.com

中国に次ぐ世界第2位の電気自動車(EV)市場である西欧で、バッテリー電気自動車(BEV)の販売台数が4か月連続で減少している。今年8月の自動車全体の販売台数は前年比8%増加した一方で、BEVは同1.2%減少した。自動車業界の専門誌、英「AIDニュースレター」が報じた。

10月6日に発行された最新のニュースレターによると、EU加盟国の一部ではEVの購入を推進するための施策が講じられているものの、「西欧での市場シェアは、昨年の低い水準から変わっていない」。さらに懸念すべき点は、これまでEVの人気が高かったノルウェーで、消費者が急速にBEV離れを起こしているとみられることだ。

AIDの編集者、マティアス・シュミットはこれについて、同地域では全体的にプラグインハイブリッド車(PHEV)への注目度が急激に高まっており、それがBEVの人気低下につながっているもようだと指摘する。

一方、フランスではディーゼル車の所有者がEVに乗り換える場合、政府が10,000ユーロ(約114万4,000円)の「スーパーボーナス」を支給している。同国のこうした奨励策の効果を考慮しなければ、西欧全体でみた場合のEV(PHEVを除く)市場は、一層弱含みの状況となっていただろう。

AIDは、仏ルノー・日産アライアンスのEV「ゾエ」の国内市場での好調な結果がなければ、西欧全体での販売台数は今年1~8月、前年比で-6.1%、8月には同-6.7%を記録していたと推計している。



テスラの動向も気になるところだろう。テスラの販売台数も、同期間中に21.4%減少した。ただ、同社は8月にSUV「モデルX」の販売を開始。ノルウェーでは同月だけで、前年比53.6%増を記録したと伝えられている。

各社を救うのはPHEV

ディーゼル車の人気が落ちている中で、EU域内の自動車メーカーは排ガス規制が2020年に厳格化されるのを前に、主力をEVに切り替える必要に迫られている。

次ページ > BMW、ダイムラーを見習うべき?

編集 = 木内涼子

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2016.10.11 13:21

サムスンの苦境はアップルの好機 株価は今年最高水準に

Photo by Spencer Platt / gettyimages

Photo by Spencer Platt / gettyimages

10月10日、アップルの株価は2%近い上昇となり、年初来高値を更新した。iPhone 7のローンチがほぼ成功との見方が流れる一方、競合のサムスンはGalaxy Note 7のリコール問題を受け、株価が下落した。

アップル株は116ドル以上に上昇し、2015年12月8日以来の高値水準に達した。ここ5ヶ月の上昇率は28%となっており、株主らはこの夏の成果を受け取った形だ。今年5月13日の時点で、アップル株はわずか90.52ドルで取り引きされていた。

ここ数ヶ月の値動きはiPhone 6S/6S Plusに続き、同社が次世代の成長エンジンとして望みをかけたiPhone 7/7 Plusのリリースの流れに呼応している。売上データはいまだ未公開だが、業界筋の見方では堅調な実績が予測されている。マーケティング企業Fiksuのデータによると、最新バージョンのiOSは過去最も速いペースで普及が進んでいる。

一方、アップルの最大のライバルであるサムスンはGalaxy Note 7の深刻なトラブルに直面している。Note 7はリコール後、顧客らに交換端末が与えられたが、交換後のデバイスがまた爆発したとの報告が複数あがった。通信キャリアの多くはNote 7の販売を停止した。当然ながらサムスンの株価は値下がりし、10月10日の日中取引で1.5%の下落となった。

サムスンの苦境は他のアンドロイド端末メーカーらの好機だ。また、アップルがさらにiPhoneの売上を伸ばすことにつながり、同社の株主にとっては良い報せと言えるかもしれない。

編集=上田裕資

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2016.10.14 07:00

7.5兆円市場、中国「配車アプリ」に急ブレーキ 壊滅的規制案の行方

shutterstock.com

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数ヶ月前、配車アプリサービスを合法化した中国が突然、その流れに逆行する動きを始めた。中国の配車アプリ市場は2020年に730億ドル(約7.5兆円)規模に達するとの予測もあるが、その成長に陰りがもたらされるかもしれない。

10月上旬、中国の7都市(北京や上海、深センや杭州市等)の交通担当官は配車アプリ規制の草案を公開した。政府は7月のガイドラインで、配車アプリのドライバーや車両の審査に関し、地方政府が独自のルールを設けることを認めていた。

今回提出された規制案は、配車アプリのドライバーを地元の戸籍を持つ者に限定すると定めている。さらに北京、上海、深センの3都市は登録車両の車体に関する細かな規定も盛り込んでいる。

当局は今後数週間をかけ、規制案に関する意見を募るという。その結果、改訂が加えられる可能性もあるが、先行きは不透明だ。規制が実行されれば最大手の「滴滴出行(ディディチューシン)」のみならず、出資元のアップルやアリババ、バイドゥ、テンセントらにも大きな脅威がもたらされる。

規制の導入はドライバーや車両の調達コスト増大につながる。上海のベンチャーキャピタル「ゴビパートナーズ」のケン・シューは「滴滴は条件を満たすドライバーの雇用のため、新たなインセンティブを投じる必要に迫られる」と述べる。

滴滴は中国の配車アプリ市場で80%以上のシェアを持つ。同社は規制により登録車両が減少し運賃は倍増、配車の待ち時間は3倍になると述べている。

「上海では41万人の滴滴ドライバーがいるが、上海の戸籍を持つ者は3%以下だ。現在登録されている車両の8割以上は新規制に適合しない」と滴滴の女性広報担当者は語る。配車アプリ市場に詳しいリサーチ会社iiMediaは地元戸籍のドライバーは北京では3.6%、杭州市では10.8%とリポートしている。

政府からの「脅し」との見方も

「弊社は地方の規制担当者らに、地元出身以外のドライバーにも平等な権利が与えられることを求め、これまで築きあげた起業家精神やイノベーションを破壊しないよう呼びかけています」と滴滴の広報担当者は述べた。

YidaoやUcar等の小規模な事業者らも「戸籍の制限を設けるルールは厳しすぎる」との声明を発表した。ゴビパートナーズのシューは「規制強化の裏側には地方のタクシーの競争力を高めたい、政府の思惑がある」と分析する。

中国のタクシー会社のほとんどは政府の管理下におかれ、運賃や車両、ドライバーの保険の適用範囲に厳しい基準が設けられている。対照的に滴滴ではドライバーの保険も無く、車両の点検もしないことで低い運賃を実現した。

北京の交通規制委員会のXu Kangmingは10月9日、中国共産党の機関紙「人民日報」の記事で「配車アプリの台頭により、地方タクシーの乗客数は3割減少した」とコメントしている。

海外企業の中国進出を支援するAlliance Development Group社のクリス・デアンジェリスは「今回の規制案は議論が重ねられた結果、現状よりも緩やかなものになりそうだ」と述べている。

「この件は政府から配車アプリ業界への警告だと見ています。今後は規制案に盛り込まれたような、条件を満たす努力を続けない限り、お前たちの未来はないぞという脅しを政府は行なっているのです」とデアンジェリスは分析する。

編集=上田裕資

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