🐯🐅概要
哺乳綱食肉目ネコ科に属する猛獣。
現存する(狭義の)肉食獣の中では最大の体躯を持つ。雌雄で縄張を重複させる単独生活者で、各個体が広大な縄張りを保持し、主にシカやイノシシやウシ等の大型植物食動物を獲物とする。また、鳥類に亀や魚、蛙といった小動物も食する辺り守備範囲はかなり広い。
縄張り意識も極めて強く、繁殖期や子育て以外では自身の縄張りに入り込んだ他の虎は夫婦以外の相手なら親兄弟であっても容赦なく排除に掛かり、死ぬまで戦いが続くことも珍しくない(雄個体の縄張りは多くの場合、雌個体の縄張りを内包することで「番」となっている。強い雄なら複数の雌の縄張りを内包することも出来る)。また、縄張りを持たない個体は各地を点々と放浪する習性があり、常に他個体の縄張りの奪取を狙っている他、奪取するつもりがなくともコッソリと忍び込み、警備の行き届きにくい場所に潜伏したり、狩場から獲物を掠め取って逃げていくコソ泥のような行動を行うこともあるため、縄張り内の見回りを頻繁かつ厳重に行う。
その代わり、御近所付き合いは意外と良く、獲物を捕らえた際に、縄張の重複部分に持って行ってお裾分けをする行動を行う。
雄が自分の妻子の下に餌を持って行ったり、子供と一緒に水浴びをしたりと哺乳類としては珍しく父性を示す。
小型の獲物に対しては咽頭部を噛み続けて窒息死させる、大型の獲物は頸部に噛みついて首の骨を破壊して仕留めるのが主な狩りのパターンである。
パワー型のライオンとテクニック型のヒョウの中間に位置するような優れた身体能力を有し、木登りも得意で、長い距離を走るスタミナはないが、巨体ながら動きは非常に俊敏である。しなやかに発達した後ろ足によって特に瞬発力・跳躍力に優れ、ゾウの背中にまで軽々と跳んでゾウ使いを強襲するほどのジャンプ力を持つ(ゾウではなくその上にいる人間を直接狙うという知能の高さも注目すべき点)。
多くのネコ科に共通して夜行性だが、主に薄明薄暮時や昼間に活動することもある。
ネコ科の中ではジャガーと同様に水を嫌がらず、積極的に水浴びをする他、泳ぎも得意で獲物を水辺に追い込んで強襲するという技も持つ等、獲物に合わせて幅広く柔軟に対応できる。
ちなみに猫の舌はザラザラとした鑢のようになっている事で有名だが、巨大な猫と比喩される事もあるトラの舌はどうなっているのかと言うと…
コチラをご覧いただきたい。
それはもはや、「ザラザラ」などという表現では済まないレベルのギザギザのトゲトゲであり、まるで舌から細かい牙がびっしりと生えているかのような(正確には牙ではなく舌小骨)構造をしている為、ただ舐められただけで人間の皮膚など容易に削り取られる。
なぜこんな舌なのかというと、完全肉食であるネコ科の動物は獲物の肉を舌でこそぎ取ったり、効率よく毛繕いを行う為に細かいトゲが生えているとの事。なのでトラだけでなくライオンなどの大型のネコ科も同様の舌を持っている。
一応共通して生まれたばかりの幼獣の時は、母親のミルクを飲むのでそこまで鋭くはなっていないが、ある程度成長して肉を食べるようになる頃には、もう既にギザギザの突起が舌に生えてきている。とある飼育員がまだ牙が鋭くないトラの子供に指を舐めさせたところ、皮膚が削り取られてしまったらしい。
🐯🐅密林の王者
インドに生息するトラは密林や湿地帯にいるため、草原や林にいるインドライオンとはなかなか遭遇しない。
成熟したヌマワニと1対1でも仕留められたり、シベリアではヒグマを襲って餌として食べたりできるが、逆に返り討ちに遭ったり、ツキノワグマに近い大きさのナマケグマに撃退されたケースもあるが、虎の縄張りにおいて、そのエサにならないものはほぼない、とされるほどの頂点捕食者であることで知られる。
自身の5倍のウシを殺すのは日常であり、時と場合によっては、俊敏な動きと跳躍力を利して自身の10倍以上のインドゾウやインドサイも仕留められる。
※但し、インドゾウに関しては流石のトラでもノーリスクで勝てるような相手ではない。
🐯🐅生態にまつわる逸話
- よく言われるのは、トラはイエネコのようにしか鳴かないというものであるが、これはあくまでも幼獣の話。成獣はよく聞くとライオンよりも少し甲高い…かな?くらいの重低音を轟かせて吠える。ただ、トラはライオンと違い森林を単独で行動するため、あまり縄張りを主張するために吠える必要がないのかもしれない。
- また、意外にもトラの狩りの成功率は10~20%程度なのだが、その分トラが捕食する獲物は先述の通り大型の獲物の上に、他の食肉目同様腐肉食もするし、他の肉食動物との餌の奪い合いでも有利であるため、1回成功すれば数日は生きられる。ちなみにライオンも同様だ。
- トラは英語でTigerと呼ばれるのは有名だが、その起源はペルシャ語で「速い」「矢のような勢い」という意味の単語に由来する。実際この巨体で、その疾走速度は時速75キロにまで達し、歩幅が大きく瞬発力もある。特に強靭な後足の生み出す初速、跳躍力はすさまじい。ただその分、長距離を走るスタミナはあまりない。
- 実は木登りも得意で、狩りや休息の時によく行う。さらに言ってしまうと、森林に生息するためなのか泳ぎも得意なのだ。暑いときには水風呂でのんびりするのだが、密林の王たる者、この時には非常に可愛い表情を見せのんびりする。
- 真っ当なライオンは中途半端な攻撃で逆上させない限りは人間を殺す事は意外と少なく、アリストテレス動物誌でも「人間を襲った場合でも、爪を引っ込めた手加減済みの攻撃で威嚇して縄張から追い出すに留める」と記載されており、女優の松島トモ子女史が赤ちゃんライオンと戯れようとして母親を怒らせた際にも、「手加減済みの一撃で殴り倒された後、ライオンの群れの中で凄まれる」と死なない程度に加減されたのに対して、トラは平気で人間を捕食する個体の比率がライオンよりずっと高い。両者の違いが何故、生じるのかは詳細には不明だが、ライオンは群れで暮らす性質があるため、人間を殺すと、その人間が属している「群れ」が復讐にくる、ということをある程度、理解できている可能性もある。一方、トラは単独生活が基本のため、ライオンのように「仲間が復讐に来る」という概念を持てないのかもしれない。
🐯🐅種類
亜種
9亜種に分類されるとされていたが、近年の遺伝子調査でユーラシア大陸のトラとスンダ列島産のトラの2亜種とされた。
また別の遺伝子調査では9亜種とされている。
大陸産のトラ
スンダ列島のトラと比べると、体色は淡色であり、横縞は少ない。
スンダ列島のトラ
大陸のトラと比べ、小型であり、体色は暖色で、横縞は多い。
色違い
🐯🐅人間との関係
十二支の3番目「寅」を象徴する動物でもある。
夕方のうちに神様のところへ出発したネズミ(子)とウシ(丑)を除けば一番でもある。
竜とはライバル同士とされ、「龍虎」という表現がある。なお五行説では、虎はメタル属性で、鱗系の生き物とそれをすべる龍が属する木属性(風とか雷など)のものをやっつける生き物である。
なお、本来、百獣の王とは中国の故事「虎の威を借る狐」にあるようにライオンではなく、トラを指す言葉である。また、日本ではゴリラにたとえられるガキ大将は、中国ではトラ(胖虎/パンフー/太ったトラ)である。
日本では虎は生息しないが、中国や朝鮮から何度か贈られることがあり、古くから存在は知られていた。毛皮などの虎由来の製品は高級品として輸入、使用されてもいた。屈強な動物であると有名であり、武将には「虎」を名前に入れることもあり、武田信虎や藤堂高虎、長尾景虎(上杉謙信)などがいる。朝鮮出兵における加藤清正の虎退治の逸話も有名である。また、虎を描いた浮世絵も多い。ただ、実物を見て描いたわけではないことから、浮世絵などでは、猫を大型にしたような姿になってることも多い。また、縞模様は「黄色に黒」で表現される事が多いが、実際の体色(毛色)は赤褐色に近い。
しかし近年は生息地の開発や乱獲によりほとんどの種類が絶滅危惧種となっており、昔から洋の東西を問わず様々な地域で絵画のモチーフにされてきたなどメジャーな動物の割に危機に瀕している。
乱獲の理由としては毛皮だけでなく、アジア圏内では未だに強さの象徴として骨や睾丸が滋養強壮などの効能があると信じられているのが理由である(※根拠は不明。おそらく製薬会社も買い取るまい)。後述のように飼育下でもよく繁殖するため、一部地域では、こういった需要を見込んで「養殖」がなされることも(それでも肉食で狂暴かつ巨大な動物のため、大変な手間と金がかかるが)。
広範囲に分布する大型ネコ科では比較的現存範囲は確保されてる部類だが、数万年前には更に広範であった生息地のうち、中国のかなりの部分や朝鮮半島(白頭山付近に生き残っている可能性もある)、ジャワ島、バリ島、日本やスリランカ(氷河期の前後だが、人間の関与が原因なのかは不明)、ヨーロッパ(おそらく)からは消えてしまった。
虎の白変種はホワイトタイガーと呼ばれ、神秘的キャラや縁起物として人気が高い。
英語名のタイガー(Tiger)の語源は、その速さからチグリス川共々、アヴェスター語で矢を意味する語(ティグリとか言う と南方熊楠『虎に関する史話と伝説民俗』に書いてある)であるという説がある(参考:げたにれの “日日是言語学”)。
ライオンが百獣の王とされて以降の時代の作品ではライオンの方が序列や力が上という扱いをされるが、実際は単独での戦闘力や巨獣殺しという面ではトラに、鬣での防御力や群れでの狩りをする能力という意味ではライオンに軍配が上がる為、甲乙付け難いのが本当の所。獣拳戦隊ゲキレンジャーのようにライオンとトラがライバル関係とされるのも納得である。尚、両者は古代ローマ時代の闘技場にて十回程対戦しているが十回中七回迄トラが勝利している。
野生動物であるわりには飼育下でよく繁殖する動物でもあり、実際、現在の地球では「人間に飼われているトラ」のほうが「野生下のトラ」より個体数が多いとされるほどである。動物園などでも飼育管理をして、個体数を無闇に増やさないようにしているほど。そのため、一部の国や地域などでは権力者や資産家などがペットにしたりしていることもある。アメリカではペット目的で飼われているのが6000頭ほどいると考えられて、これが野生個体を多く上回ると考えられている。無論、猛獣であるため、飼育には大変な危険が伴う。
日本でもかつて、猛獣の飼育への規制が緩い時期には民間でトラを飼っていた事例があり、1979年8月には、日本の千葉県君津市にある寺で飼育されていたトラが脱走するという事件が発生している(神野寺トラ脱走事件)。
🐯🐅ことわざ、慣用句
以上のように強者の喩えに使われることが多い。
🐯🐅虎耳状斑
ちなみに耳の裏の模様は縞模様ではない。
耳の裏は黒地に白い斑点が一つあるという特徴的な模様をしており、
これは「虎耳状斑(こじじょうはん)」と呼ばれ、トラのみならずヒョウやチーターなど大型のネコ科猛獣全般に見られる模様である。
トラを描く際には十分に注意したい。
更に詳しくは→虎耳状斑
トラ耳娘(漢)を描く際にも注意したいが、分かりやすさの為にあえて縞模様を描いてしまうのも否定はできない。
そういった場合のトラ耳は「本物の虎の耳」ではなく、「虎模様のある獣耳」ということにしてしまうのもアリである。
→虎耳
🐯🐅トラの名が付く生物
縞模様や大きな牙を持つ動植物にトラの名前が付けられることがある。
トラの縞模様は獲物から身を隠す為の保護色だが、これらの動物のものは敢えて目立つことで外敵を威嚇する為の警戒色という正反対の目的のものが多い。
動物
節足動物
魚類
爬虫類
その他
植物
🐯🐅その他トラの名を持つもの
🐯🐅トラをモチーフとしたキャラクター
※現在普通にトラをモチーフにした者やドラベースの妖怪モチーフや別のネコ科猛獣モチーフの者が混じった感じになっております。
神話・伝承・都市伝説
その他特撮
アニメ
ゲーム
漫画
キン肉マンシリーズ
小説・文学
ほか
その他
キャラクターのモチーフとしての扱い
ライオンよろしくよくモチーフに使われる。
🐯🐅モチーフ以外の関連キャラクター
名前、コードネーム、リングネームが虎
異名が虎
虎をイメージした技の使い手
虎の飼い主、虎を操る
その他
🐯🐅トラがシンボルの組織
スポーツ関連
野球
サッカー
- アジアの虎(韓国代表チーム。아시아의 호랑이/アシアエ・ホランイ)
- ハリマウ・マラヤ(マレーシア代表チーム。「マレーの虎」を意味する)
その他の競技
企業
架空・創作
🐯🐅関連タグ
虎 とら タイガー tiger 寅 寅年
動物 虎耳 虎毛 虎人 白虎 老虎
虎縞/虎縞ビキニ タイガーメイデン
ホワイトタイガー サーベルタイガー(和名;剣歯虎) 호랑이
龍虎/竜虎 猛虎落地勢 バター 山月記
ライガー/タイゴン:ライオンとの混血種。オスを交配したかメスを交配したかで呼び名が変わる。
トラキチ
永遠のライバル扱い
龍 ライオン
🐯🐅関連外部リンク
トラ - Wikipedia
トラとは - ニコニコ大百科
虎 - アンサイクロペディア