『女性としてエプスタイン・ファイルを読み漁った』
"小説家ジェーン・オースティンは、女性がいない空間での男性同士の会話をほとんど書かなかったことで知られている。彼女自身、それがどのようなものか知らなかったからだ。今、私はエプスタイン・ファイルへアクセスできる。
〈*以下、過激な記述がつづく〉
「エプスタイン・ライブラリー」と大袈裟に名づけられた空間は、まるで男性限定の高級紳士クラブ。ある意味、貴重な機会だ。弁護士や政治家、著名人が、我々女性──彼らの言葉を借りれば「pussy 〈女性器を指すスラング〉」──についてどんな内輪話を繰り広げているのか垣間見ることができる"
"〈2016年、大統領選挙に出馬していた〉ドナルド・トランプが2005年に語った音声が流出した。「スターになれば何でもできる。女性たちのpussyを掴め」"
"その3日後、アンドレス・セラーノがエプスタインにメールした。「私は正当な理由でトランプに反対票を投じるつもりだった」。セラーノはNYの写真家で、手首を縛られた女性が血を浴びせられた作品を撮った作品もある。「だが『pussyを掴め』発言への過剰な糾弾にうんざりしすぎて」「同情票を入れてしまいそうだ」。
エプスタインは数分で返信している。「良い選択肢がないね、よぉ」。
著名な知識人ノーム・チョムスキーへの2016年のメールで、エプスタインは自身について「性差別主義者だ」と認めている。しかし問題はもっと根深い。〈第二波ラディカル・フェミニスト〉ジャーメイン・グリアの半世紀前の言葉を思い出させた。「女性たちは、男性たちからどれほど憎まれているかわかっていない」"
"エプスタイン界隈の男性たちはほとんど異性愛者のようだが、お互いを壮大なロマンスの相手として扱っている。男同士では高尚な憧れを告白しあい、女性蔑視ジョークを交わし、知的なアドバイスをしていく。一方、若い女性はセックスのためにしか存在せず、使い捨てされていく。大人の女性は、彼ら全員の利益にでもならないと無用だ"
"長寿医療の第一人者ピーター・アティアに至っては、エプスタインの夢すら見ると明かしている。「彼に会わないとJE禁断症状が出てしまうんだ」。
このアティアは2016年「pussyは、たしかに低糖質」だとエプスタインに教えている。当時、すでに未成年への性的人身売買で性犯罪者になっていた相手に。
男性たちのジョークなのかわからないメッセージも多かった。ハーバード大生物学教授マーティン・ノヴァクは、2014年「スパイ」についてのメールで「彼女を拷問した?」と聞いている。文脈は示されない。
さらにさかのぼると、2002年、このノヴァクは〈エプスタインの相方〉ギレーヌ・マクスウェルの「素晴らしいホスピタリティ」に感謝を告げ、やや滅裂とした謝罪を述べている。「本当にごめんなさい。心配させてしまったし、あの日を台無しにした。誰も殺してなくて本当に良かったよ。人生観が変わった気がする… たくさんの愛を、マーティン」。再度、何が起こったのかはわからない。
トランプ政権の首席補佐官であったスティーブ・バノンは──たくさんの男たちと同じように──2018年、性犯罪歴がついたエプスタインの評判を改善しようとしていた。バノンは、相手の「女の子たち」が有利な証言をするか聞いている。「女の子たちには録画証言を強制できる」。エプスタインのおぞましい返信。
そしてバノンの返答。「巨大な人身売買センターを建設するのはどうだ? ティーン売春とか色々のための。国際問題だから、解決しなきゃいけない」。これがダークなユーモアだったとしても、地獄の底の暗黒だ。冗談ですらないなら、それでも同じだ。
そのままエプスタインは、公聴会に召喚された場合について語っている。「〈就任前に性加害疑惑が出た〉カバノー判示と同じことをやろうか」「はい、議員さん、私はpussyが好きです。pussyです。あなた方もそうでしょう」。
今度のバノンの返信はジョークだとわかる。政治家たちを性的不能として扱っているのだ。「80%の答え:『pussyとはなんですか?』」。
これがこの男たちの決まりごとだ。女性とはpussy、あるいはビッチか娼婦かでしかない。2011年、エプスタインからある人物について聞かれたイタリアのアニェッリ家の親族エドゥアルド・テオドラーニの返信はこうだ。「知らないね。最近は新しいpussyがそのへんに転がりまわってるの?」"
"アリゾナ州立大の物議学者ローレンス・クラウスは、女性リーダーシップ会議について話している。「世界の男たち会議も開こう」。リストされたのは性的不品行で告発されたことのあるビル・クリントンやアル・フランクリン、ウディ・アレン。
クラウス自身も告発されると、エプスタインに助言を求めていき、このように言っている。「君と意見が一致してる。クソマ●コのメラニーは自分の首を絞める縄を自分で用意した」"
"一方、私が読んだかぎり、性的搾取していた「女の子たち」に対して、エプスタインは叱咤したり値切ったりしていた。立ち向かう子もいた。一人は2015年に送っている。「最初に会ったときから、2つ言ってきた。(1)乱交には参加しないし「女の子を紹介する役」にもならない (2)あなたの友だちとセックスはしない」。
年若の被害者たちの証言も散らばっていた。行為を強制され、痛めつけられ、損傷を受け、流血していた"