概要
都営地下鉄大江戸線(12号線)用の電車。形式名は文章や書面ではハイフン入りだが呼称はハイフンを飛ばして「いちまんにせんがた」と読んでいる。
同線最初の形式であると同時に、日本ではOsakaMetro(旧大阪市営地下鉄)長堀鶴見緑地線70系に続いての二例目となるリニア地下鉄車両である。
他のリニア地下鉄と同じく、小型のトンネルに合わせる形で一般の地下鉄車両よりも1回り小柄なサイズで製造されている。
試作車
1986年(昭和61年)、試作車の12-001・12-002号車(00F)が落成した。この2両は当初、通常の回転式モーターを小型化したものを搭載・試験を行っていた。
試作車と言うこともあり、1986年製ながらも、当初からVVVFインバータ制御・運転モニター装置・LED式車内案内装置を搭載する等、当時としてはかなりハイテクな仕様であった。一方、量産車とは異なって車体はステンレス製。
当時、大江戸線は完成していなかったため、当時の浅草線馬込検車場(当時)の10番留置線(延長300m)に、大江戸線用サイズの剛体架線設備や列車無線設備、信号設備を仮設し、1986年5月 - 1988年(昭和63年)11月に掛け、馬込工場構内及び浅草線西馬込 - 戸越間で走行試験を実施した。浅草線での試験においては、屋根にヤグラを組んでから仮設パンタグラフや無線アンテナを設置した上で行われている。
翌年には、よりメリットの大きいリニアモーター駆動方式に改造され、当時採用例のない同方式を含めた数々の実証データを得て、後の量産車の製造へ活かされる事となった。
試作車は車籍を持っておらず、厳密には車両として竣工されていない。加えて完成した大江戸線の線路での最終試験は1次車で行うことになったため、1990年を以て試作車での試験は終了。営業運転には使用されずに廃車となった。このため一度も大江戸線に入線していない。
廃車後、2両とも豊島区へ無償譲渡され、東京メトロ有楽町線・副都心線要町駅と西武池袋線椎名町駅の中間付近に位置する「千早フラワー公園」にて2両並べて静態保存されている。このうち12-001号車は日中時間帯のみ車内が一般開放されている。保存開始後、車体の補修はほぼされておらず、ラインカラーのマゼンタもかなり色褪せている。
1次車~2次車
画像右。1991年の光が丘駅~練馬駅間の開業にあわせて1次車6両編成5本が、予備車確保のため1994年に2次車6両編成5本が製造された。このグループはアルミ合金製の車体にアイボリーの塗装が施されている。先頭部は流線型。走行機器はGTO素子によるVVVFインバータ制御とされた。
1997年の練馬駅~新宿駅間の延伸開業に際し8両編成化されることになり、3次車にあたる中間車12両が製造されて第1~6編成に2両ずつ組み込まれた。組み込みに際し、空気圧縮機の移設や車内サービス機器のプログラム変更などが実施されている。
経年劣化のため12-600形2次車による代替・廃車が行われ、2016年6月30日の運用をもって営業運転を終了した。
廃車後、木場車両検修場にて05Fの先頭車1両が保管されていたが、こちらも後に搬出されている。
3次車~4次車
画像左。このグループは先頭部形状がシンプルなものに変更され、アルミ合金製の車体には塗装が施されなかった(ラインカラー貼り付けのみ)。走行機器はIGBT素子によるVVVFインバータ制御に変更。
1997年の練馬駅~新宿駅間の延伸開業に際し3次車8両編成9本が導入。環状区間開業に際し1999年から2000年にかけて4次車8両編成38本が一挙に製造された。
2019年度以降、保守部品製造終了に伴い12-600形3次車以降による置き換えが開始。3次車が優先的に廃車され、こちらは2023年までに全廃。現在は4次車が徐々に廃車されており、2024年にはとうとう12-600形に在籍数を抜かれ(現時点では微々たる差だが)少数派となった。
また、2027年度からのCBTC(無線式列車制御システム)運用開始に伴い、2027年度以降残存が見込まれる編成には2023年度より1号車・8号車の車端部にCBTC機器を増設する改造が行われている。
余談
- 車両番号はハイフン以下の百の位と十の位で編成番号を表し、一の位で号車番号を表すもので、新宿線車両や三田線6000形と同様のものである。この付番法則は12-600形にも継承されている。
- 1次車は先進性を意識してか、試作車と同じく運転台にデジタル式のメーターやヘッドアップディスプレイを装備していた。しかしいずれも運転士から不評で、2次車以降は一般的なアナログ式に変更されている。
- マイクロエースからNゲージの完成品鉄道模型が発売された。実車同様に小さい車輪を採用し、車高の低さを再現していた。
- 修繕や部分的な更新工事こそ行われているが、本格的な延命工事が行われなかったのは、大江戸線では「木場と光が丘の車庫が全地下型の車両基地であるため車体を更新修繕する広い敷地と設備が無く、仮にそれをやる場合は大規模な修繕施設がある外部の馬込車両検修場へ持ち出して行わないといけないためコストが掛かる」という背景があるため。
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