【速報】各地でM4クラスの地震相次ぐ―“速報”に振り回されないために、地震情報を冷静に読む視点
【速報】各地でM4クラスの地震相次ぐ 東北や能登沖、北海道釧路沖で今朝 M7・5の青森県東方沖地震から1週間
とのニュース
私はこのニュースを見て、正直なところ強い違和感を覚えました。
「速報」として伝えるほど、特別な事象なのだろうか、という疑問です。
マグニチュードにはよく知られた経験則があります。
マグニチュードが1下がるごとに、発生頻度は約10倍になる
―いわゆるグーテンベルク・リヒター則です。
(防災科研「マグニチュード」
https://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/sec1.2.html)
この関係を踏まえると、日本周辺での地震発生頻度は概ね次のようになります。
M7以上:年に数回
M6以上:月に1回程度
M5以上:月に10回程度
M4以上:1日に数回(ほぼ毎日)
つまり、M4クラスの地震自体は決して珍しいものではなく、むしろ「日常的に起きている規模」です。
確かに、今朝3時から9時までの約6時間に複数のM4クラス地震が起きた、という点だけを切り取れば「やや多い」と言えるかもしれません。
しかし、現在は M7.5の青森県東方沖地震の余震活動が続いている状況です。その文脈を考えれば、今回の揺れが「異常事態」と言えるかどうかは、慎重に考える必要があります。
それにもかかわらず、
【速報】各地でM4クラスの地震相次ぐ
という表現だけが独り歩きすると、
「何か異常なことが起きているのではないか」
「次にもっと大きな地震が来るのではないか」
といった 不必要な不安を煽りかねません。
地震が多い国・日本において、
どの規模の地震が“異常”で、どの規模が“日常”なのか
この感覚を社会全体で共有することは、非常に重要だと思います。
地震に関するリテラシーの向上は、
いま改めて重要になってきているように感じます。
日本は地震が日常的に起こる国だからこそ、私たちはその「頻度」や「規模」を、もう一段深く理解しておいてもよいのではないでしょうか。
義務教育の中でも、地震の仕組みや避難行動については学びますが、
たとえば「どの規模の地震が、どのくらいの頻度で起きているのか」といった統計的な視点まで踏み込む機会は、意外と多くありません。
そうした知識があれば、日々流れてくる地震のニュースを、より落ち着いて受け止められるようになるはずです。
とりわけ、情報を発信する立場にあるメディアには、
単に「速報性」だけでなく、その出来事が統計的にどの程度特別なのか、
あるいは日常の範囲にあるものなのかを、数字や背景とともに伝える役割が期待されているように思います。
「速報」であるかどうか以上に、
その情報が私たちの行動を本当に変える必要があるものなのかどうか。
そうした文脈まで含めて伝えることが、これからの防災報道に求められているのではないでしょうか。
ただし、これはブーメランかもしれませんね。
後続地震注意情報については、引き続き大きな地震に備えるという意味で、重要な情報だと考えています。一方で、その影響が日本の他の地域にまで及び、「いま全国的に異常な状況にある」という印象を与えてしまうとすれば、少し慎重さも必要かもしれません。
とはいえ、地震は「来そうだから備える」ものではなく、「いつ起きてもおかしくないから備える」ものです。特定の出来事をきっかけに不安を強めるのではなく、日頃からの備えを見直す機会として受け止めることが、より現実的で持続的な防災につながるのではないでしょうか。



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