衆院選、注目の数字は「233」「167」そして「53・85」

読売新聞2/8(日)18:30

衆院選、注目の数字は「233」「167」そして「53・85」

読売新聞 【読売新聞社】

 8日に投開票される衆院選は、今後の高市首相の政権運営を占う上で、与党がどこまで議席を伸ばすかが焦点となる。2月の投開票は36年ぶりで、降雪や寒さが投票率に与える影響も懸念される。注目の数字を検証した。(政治部 岡田遼介、田村直広)

与党勝敗ライン 過半数 233…自民単独でうかがう

 「自民党がすごく勝つという報道が出て泣きそうになった。もしかしたら過半数、割り込んでしまう。投票に行かなくていいって思っちゃう人がいる」

 高市首相(自民総裁)は7日、東京都文京区の街頭でマイクを握り、引き締めを図った。報道各社の情勢調査で自民の優勢が伝えられていることを受けたものだ。

 与党の公示前勢力は、自民198、日本維新の会34の計232議席だ。1議席を増やせば、与党で過半数(233議席)を確保でき、衆院は法案を与党だけで可決することが可能となる。首相指名や予算案、条約の承認では、衆参両院の判断が異なった場合、衆院の議決が優先される。

 首相は「与党で過半数」を勝敗ラインに定めた。ただ、自民内には単独過半数を目標に掲げることを求める声も多く、党ベテランは「『与党で過半数』という目標はそもそもハードルが低い」と指摘する。

 さらに「安定多数」と呼ばれる243議席に届けば、衆院に設置された17の常任委員会で委員の半数を確保した上で、委員長を独占できる。衆院では解散前、論戦の舞台となる予算委員会の委員長ポストを野党が握っており、首相も選挙期間中の街頭演説で「重要な委員会は全部、ほかの党が(委員長ポストを)持っている」と強調した。

 与党が261議席以上を獲得すれば、委員長を独占した上で、すべての常任委で過半数を確保できる。「絶対安定多数」と呼ばれ、直近では2021年衆院選で岸田政権が自民単独で達成した。

 与党が78議席を増やすと、憲法改正の国会発議に必要な衆院定数の3分の2にあたる310議席に到達する。読売新聞社の終盤情勢調査によると、与党は310議席をうかがう勢いとなっている。確保すれば、衆院で法案を可決後、参院が否決したり60日以内に議決したりしない場合でも、衆院が出席議員の3分の2以上の賛成で再可決すれば成立させることが可能となる。

中道 公示前勢力167議席…割り込めば責任論も

 中道改革連合は、衆院選の公示直前に立憲民主党と公明党の衆院議員により結成され、公示前勢力は167議席に上った。ただ、報道各社の情勢調査では苦境が伝えられており、巻き返しに懸命だ。

 中道改革は当初、自民を上回る「比較第1党」を目標に掲げていたが、短期決戦となる中で党名が浸透せず、政権批判票を十分に取り込めていないのが現状だ。読売新聞社の終盤情勢調査によると、小選挙区の中道改革候補202人のうち優勢は7人にとどまり、100議席を割り込む可能性がある。安住共同幹事長や岡田克也・元外相ら党幹部やベテランも劣勢や接戦に追い込まれている。

 このため、選挙戦の最終盤は、首都圏を中心とした接戦区での議席の積み上げに注力した。7日は野田、斉藤の両共同代表が東京都内の選挙区を徹底的に回り、支持を呼びかけた。野田氏は杉並区の街頭演説で、「激戦区があまりにも多く、特に大接戦の選挙区でマイクを握っている。畳をかきむしってでも当選してほしい」と訴えた。

 野田氏は選挙期間中の街頭演説で、結果次第では「責任を取りたい」と明言し、「公明支持層と立民支持層を足して1足す1が2に届かなかったら失敗だ」と強調した。党内では「公示前の167議席を割り込んだ場合は辞任する」(中堅)との見方も出ている。

投票率、前回24年 53・85%…大雪や寒さ 低下の懸念

 低迷が続く投票率にも注目が集まる。2024年の前回衆院選は、53・85%で戦後3番目に低かった。60%を超えたのは民主党が政権交代を果たした09年の69・28%が最後だ。以降5回の衆院選は、戦後最低となった14年の52・66%を含めて50%台にとどまる。

 今回は1990年以来、36年ぶりに2月の投開票となり、雪や寒さの影響で投票率が低下するとの指摘が多い。8日は冬型の気圧配置が強まり、日本海側などで大雪となる見通しとなっている。前回選から約1年3か月しか経過しておらず、有権者の関心が高まらないとの懸念もある。

 ただ、高市内閣は高い支持率を維持しており、自民党の連立相手は昨年10月に公明党から日本維新の会に代わった。こうした政治状況への注目度は高く、投票率の上昇につながるとの見方も出ている。

 読売新聞社が1月27、28日に行った全国世論調査では、衆院選の投票に「必ず行く」と答えた人は70%に上った。調査方法が異なるため、単純に比較はできないが、前回選での同様の調査では69%だった。

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