日本の総選挙と同日の8日、タイでも下院総選挙が実施されました。
今回の選挙では、現職のアヌティン首相が率いる与党「タイの誇り党」が、定数500の下院で約200議席を獲得し、最大勢力となる見通しです。単独過半数には届かないため、今後は連立政権の協議に入るとみられていますが、アヌティン首相自身は続投に強い意欲を示しています。
「タイの誇り党」は、昨年12月に発生したカンボジアとの国境衝突をきっかけに高まった愛国的な世論を追い風として、支持を大きく伸ばしました。
強力な軍事力を背景に戦況を有利に進めたことから、首相や政府だけでなく、多くの国民も戦争を支持する空気が形成されていたと考えられます。
こうしたタイ国内の世論は、カンボジアにとって非常に厄介な存在です。
平和や経済発展よりも、結果として覇権主義的な選択が支持されたとも言えるでしょう。
昨年12月28日には停戦合意に至ったものの、その後もタイ軍による国境周辺、さらにはカンボジア領内への軍事的な挑発行為が続き、緊張状態は解消されていません。いつ軍事衝突が再燃しても不思議ではない状況です。
紛争解決に向けては、ASEANが消極的な姿勢を見せている点も懸念材料です。
さらに、カンボジア国内で大規模な詐欺拠点が発覚し、多国籍の人々が拉致・監禁され詐欺行為に加担させられていた問題への国際的批判もあり、世界世論がカンボジアに対して平和的解決を積極的に後押しする状況にはなっていません。こうした要因が重なり、紛争解決の道筋は見えにくいままです。
現在のタイは、経済や観光の低迷による不況が続いています。
ここに連立政権による政情不安が加われば、対外的な活路を求め、再びカンボジアとの戦闘に踏み切る可能性も否定できません。中央政府の統制が十分に及ばないタイ軍が暴走気味に見える点も不安を増幅させています。
今後のタイとカンボジアの関係は、最終的には現職であるアヌティン首相の判断と指導力に大きく左右されることになると考えられます。
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