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2026年衆院選、戦い終わって日が明けての総括

 そんなわけで大勝利に終わった自由民主党と日本維新の会の与党側だったわけですが、世の中こんなことは長くは続かないのでして、絶対権力は絶対腐敗することのないよう手当てしていくべきだろうと思いつつ備忘録的に簡単に振り返ります。

 なお、ご寄稿依頼や取材もいくつも頂戴していますが明日以降、順次対応してまいります。さすがに疲れたわ…

 本件はあくまで「与党目線」なので、野党ご支援で頑張ってこられた皆さまには何だこいつって思われるかもしれませんが、何より国民有権者の皆さまの厳正な投票による結果は真摯に受け止めたく存じます。与党野党に限らず今回の選挙に関わったすべての皆さま、投票所に足を運んでくださった有権者の皆さま、そして何より、解散決定から投開票日・最高裁裁判官国民審査を短期間にもかかわらず遂行しきった我が国の基礎自治体・地方公務員の皆さまには深く御礼と感謝を申し上げたいと存じます。

いいことばかりはありゃしない

 絶対権力は絶対腐敗するので、当面は身体検査漏れした新人さんや、緩みまくった政権幹部のスキャンダルについて気を付けていくべき状況です。

 そして、皆さんご存知の通り、選挙で大勝した後は、歴史的に必ず大敗が待っています。そうならないよう努力するべきですが、1986年、中曽根康弘さんの衆参同日死んだふり解散のあと89年参院選で大敗し社会党大躍進(マドンナ旋風)、2005年、小泉純一郎さんの郵政解散のあとの麻生太郎さん2009年政権交代選挙、そして2012年安倍晋三さんによる自由民主党と公明党さんとの政権奪還選挙がありました。いずれも、選挙ですっげえ勝利をしたときにまいた種がきっかり3年後に収穫されていることを忘れてはならないのです。

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橋本龍太郎御大もお怒りです

 いちいち言いませんが今回急に擁立した新人の中では「いままで問題含みだから本人が出たがっていても擁立しなかった」候補が混ざり、そして当選しています。頭が痛ぇよ。でもそんなことをいま私が言っても始まらないので静かにしています。私、大人なんで。

敵失すごくね

 何が凄いって中道改革連合という新しいハコがいきなりできて、盛大にずっこけたことです。終わったので書きますが、いや、どうしていけると思ったんでしょう。いきなりの解散総選挙で、根拠になったのが謎調査の260議席以上獲得というでっかい風船だったために「これはヤバイ」と思っていたところ、いきなり相手が野田佳彦という古い酒と斉藤鉄夫という古い酒とを混ぜて新しい酒瓶に入れ直しましたという話が出てきたので、素直に「これは勝った」と思いました。

 関係者ならずともある程度政治に関心のある有権者ならば、「ネトウヨ高市早苗が総裁になったのでブチ切れて佐藤浩さんらが三行半突き付けて自公連立解消し、出て行って立憲とハコを作り立憲もぶっ壊した公明党」という見え方もするかと思います。もちろん、比例上位をガメたので公明党単体でみればガッツポかもしれませんが、乗り捨てられる形になった旧立憲民主党さん、というか旧立憲支持層はたまんねぇだろうなと感じます。ベンチがアホやから野球ができないレベルではありません。

 そんなわけで、しょっぱなから大変な判断ミスがあったので、戦略のミスを戦術で立て直すことはむつかしく、そのまま終戦した感じはします。

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稲船敬二御大もお怒りです

創価学会のまき直しは凄かった

 とはいえ、選挙戦道中に連合さんというか労働組合さんが寝ている話があったものの創価学会さんがまき直しをするというのでどうなることかと思いましたが、有利だったものがいったん互角伯仲になって、その後また選挙戦終盤で一気に差が開いたので、これはさしもの学会員さんでも埋め切れない何かがあったじゃないかと感じています。

 国政としての公明党さんの党勢が衰亡していたので、中道という新しいハコにして公明党さんとしての集票結果を見せないようにする工夫もあったかと思うのですが…。ただ、蓋を開けてみれば当然ながら比例で公明党さん前職や元職の皆さんは議席を確保し、小選挙区で頑張った旧立憲民主党さん各位は幹部揃って城を枕に討死となりましたので、結果的に、これはどうなんやと感じるところであります。

 目下(生成AIが)各選挙区の投票箱ごとの開票結果を解析しておるところですが、やはり、立憲民主党さんを支えてきた労働組合票が寝た上に、比例上位を公明党さんが占めるということで期日前出口の傾向同様5割から6割ぐらいしか旧立憲民主党支持者の皆さんは新しい装いの中道候補には投票しなかった、というのが解党的大敗の重大な根拠だろうと思います。別の記事でも書きましたが、じゃあ立憲民主党のままで勝てたのかというのはありますが、ただ立憲支持層がハコとしての中道さんを見放したおは間違いないのです。

 つまり、高市旋風は間違いなくあって、これが大勝利の大きな要因ではあったけど、それ以上に、対抗であるはずだった中道改革連合さんの支持層の融解と無党派からの票獲得が極めて不振に終わり、投票箱にすらお越しくださらなかった(ある選挙区などは、dサーベイや楽天インサイトなどでは中道支持17%とかあるのに当日出口調査では5%だった…)のが中道さんの敗因です。つまり、目論見自体が間違っていたので、起きた高市旋風に対してしのぎ切れない藁の家を作ってしまったわけです。

 本来、私の仕事はそういう雰囲気になったときにネットを見ながら作戦を立てるわけですけど、途中から仕事がなくなるぐらい、何も起きませんでした。

高市早苗を出さない真意とか

 途中で須田慎一郎さんがガセネタを流すなどいろいろなことが起きた党首討論忌避云々も含めて、下落傾向にあった高市早苗さん本人の政権支持率を下げさせないまま投開票日を迎えるというのが作戦の本丸でありました。街頭ではしっかりと千票単位で得票が積めるのは間違いありませんから、ポイントを絞ってしっかりと遊説していただきつつ、ぼろが出たら取り返しのつかないテレビなどでの討論では安全運転を心がけていただく形にならざるを得なかったなと思います。

 とにかくイメージで勝ち切るためには、メディアで露出することよりも生の街頭やハコ中での演説で高市早苗を感じていただき、ノリと雰囲気でなんかいいんじゃないかということでやるというのが大事だということで…

 後述しますが、中道さんもマスコミも明確な争点を設定できなかったのもあり、何となく良さそうな高市自民党で推してもらう、という本線が当たったのかなと。

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とりあえずおんな大将のケツを拭く木原稔御大と、なにかあったときにとりあえず担ぎ出される田村憲久御大

泡沫政党のイシュー割れの利用

 途中から、既存政党を忌避する有権者が「自民党でも中道でも国民でもないチームみらいに」という動きがありました。特に東京7区とか都市部で高所得層が維新さんや国民民主党さん、中道さんからごっそりチームみらいさんに得票が移る傾向が顕著になり、結果的に、自民党候補の追い風となりました。良く知らんが勝手に野党票を喰って割ってくれるんですから、ありがたいことこの上なかったです。

 他方で、先の都知事選のような石丸伸二旋風みたいになられても困るので、注目してみていたんですけど運動量が少なくて「チームみらいに投票するけどチームみらいは支持していない」傾向が出たため議席数は伸ばすかもしれないけど今回は何もしない感じになったんじゃないでしょうか。実際、特に何もしていません。

 ただ、チームみらいさんが出てきたことで割を食ったのはその他野党で、なんだかよく分からないけど対抗でもないはずのチームみらいさんに無党派層を奪われて沈没してました。チームみらいさんは比例でしか議席を確保できない状態ですが、小選挙区でも都市部はまあまあ票を取るので、往年のテンプレ候補を立てては政権批判票を割る元気な日本共産党とほぼ同じ地形効果を野党陣営にはしていました。あの辺は、本来なら中道さんや国民民主党さんが取っていくべき票です。

 参政党さんも割りを喰いましたが、参政党さんに議席が行くよりはチームみらいさんが議席を確保したほうが日本社会に利益があると思うのでこれはまあよかったんじゃないでしょうか。

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急拡大する組織あるあるで、割と面倒なことが起きるパターン

 ただ、他の記事やyoutubeでもさんざん指摘しましたが、国民民主党さん、参政党さん、チームみらいさんほか反自民・反政権票の受け皿が分散したことで中道さんにとっては対自民に集中することができず、争点も埋もれて沈没したというのは間違いないと思います。チームみらいさんは参政党さんと違ってあまり長い時間政党として存続するのはむつかしそうな面もありますが、今回は与党アシストになったのは間違いないでしょう。

争点の設定ミスによるイメージ選挙の果て

 ということで、今回有権者の皆さんは突然の選挙で、どうも「何のための選挙だったのか」がよく分からないまま投開票日を設定され、なんとなく高市さんが良さそうということで地滑り的大勝ができた、というのが実際ではないかと思っています。

 で、そうなった理由の大半が、政策的な争点とされた「物価高対策」と「消費税減税」です。これ、一口にいって「物価高」と言っても原因が複合的過ぎて、政治に対してどうにかしろと丸投げするに等しい争点なんですよ。円安かもしれない賃上げ不足かもしれない人口減少かもしれない外国人かもしれない働き手の都市集中かもしれない成長力不足かもしれないということで、非常にぼやける争点でありまして、有権者にとっては「じゃあ、誰が私たちの生活を苦しくしている物価高対策をしてくれる政党なのか」はさっぱりわからなかったんじゃないでしょうか。

 また、途中から日本人ファースト的な排外主義的なイシューが争点から消えました。参院選ではこの辺が無視できない投票意向への反映で石破自民党は苦労したわけですが、この辺、ネットでボットをせっせと掃除をしたところ煽っているアカウントが軒並みBANされて争点としては一気に下火になりました。ということは、前回の参院選では誰がその争点を煽ったのかということに興味を持つわけなんですが、ともあれ今回の選挙ではどの調査でも外国人問題は8位とか7位とかに沈んだわけであります。

 他方、何だか知らないけど「消費税減税」が叫ばれましたがこれもチームみらいさん以外は消費税減税に賛成だということで争点として消えてしまいました。今回、日本共産党さんやれいわ新選組さnが埋没した理由として、これらの争点をなぜか高市早苗さんが丸飲みしたので独自政策を打ち出せず、日本共産党さんやれいわ新選組さんを投票する理由が無くなった、というのがおおきいわけです。

 また、ガソリン減税や103万円の壁なども年末に高市さんが満額回答しろっていうんでそうなって、こちらも争点として消えて決まったので、国民民主党さんが埋没しました。国民民主党さんが一生懸命「手取りを増やす」といっても、その政策を高市さんが実現してしまったので国民民主党さんの実績にすることができず、国民民主党さんに投票する理由が無くなってしまったのです。その点では、連立与党入りすることや年度末予算案に賛成することなども含めて国民民主党さんにキャスティングヴォートがあったんですが、今回の選挙で自民党が大勝し、また国民民主党さんが勢力を大きく伸ばすことができなかったことから、取引する価値が無くなってしまいました。

 高市政権はやることをやっているから争点潰しに成功したんじゃないかという面もありますが、国民生活で困っていることは他にもいろいろあるわけで、そのあたりで大きな絵を描いて自党に投票する理由作りをすることができなかった野党陣営とマスコミは、出てこない高市早苗さんの失言を攻めるしか方法が無かったんじゃないかと思います。「円安でホクホク」は肝を冷やしましたが、なぜかぼんやり物価高と結びつける反論ぐらいしか来なかったので助かりました。

イデオロギーの死、というか投票の理由としての死

 うっかり大勝してしまったんですが、選挙戦の終盤に「徴兵制」や「ママ戦争止めてくるわ」などのキャンペーンが始まり、都知事選で蓮舫さんが負けたパターンで動員が掛かり始めたので勝ちを確信しました。

 今回の選挙の裏テーマは間違いなく「生活苦」なので、生活者目線の政策以外に野党サイドが挽回する方法はなかったし、もしも私が中道さんの選挙対策の人間だったらいろんな手を打ったことでしょう。

 少なくとも裏金問題やら統一教会やら党首討論ドタキャンやら戦争だ調整製だtいった、国民からすればいま聞きたいことではない話を前面にもってきたら、そりゃ勝てないだろと思うわけですね。公明党さんにおいても、そういう自民党と連立を組んでいたわけで、それが嫌で出て行ったにせよ、有権者は公明党さん支持者ほどカネ云々より生活を良くしてくれる政策と未来を明るくする方法について対案を聞きたかったわけですから、そこは政治に漬かり過ぎていたんじゃないのと思わないでもありません。

 その点で、散発的に、これやられたら困るなと思うような街頭をやっていた陣営もいましたが、手ごたえを感じて党全体で採用するような現場感は最後まで持ち得なかったのかもしれません。ってもう午前5時30分すぎてますので残りはJBpressかどこかご寄稿依頼先に垂れ流したいと思います。

 最後までお読みいただきありがとうございました。
 いろいろチェックしたり連絡に返信したりして寝ます。

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山本一郎(やまもといちろう) 神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント

コメント

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isaisa

古い酒と古い酒を新しい酒瓶にという箇所では聖書の「新しい酒を新しい革袋にという聖句を思い出して、笑ってしまいました。本当にどうしていけるかと思ったんでしょうね。 おっしゃるとおり、高市旋風もあったのでしょうけど今回の大勝はどう考えても中道の自爆も大きな要因の一つでしょうね。この大…

2026年衆院選、戦い終わって日が明けての総括|山本一郎(やまもといちろう)
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