プリキュアに変身して怪物を撃退して盗まれたものをとりもどした明智あんな。しかし自分の住んでいたマンションの場所が空き地になっているのを見て、今が1999年と実感してしまう。
プリキュアの先輩がいるはずだという小林がキュアット探偵事務所に明智をつれていくが、そこにいたのは少年の姿をした222歳の妖精、ジェット。探偵を補佐する博士だが、今はプリキュアはいないという。
帰れる家もなく事務所ですごした明智は、翌日にポチタンに呼ばれて新しい事件の発生を知る。小説家の来栖エリザがファンの老婆にサインを書こうとしたら、ガラスペンが消えたというのだ……
デフォルメキャラのカットが入る土田豊演出に、安定してかわいらしい松浦仁美作画監督。脚本は前回*1につづいて村山功シリーズ構成。
今回も子供向けだからといって、いやだからこそ謎解きで手抜きをしない。変装能力を持つ敵の行方を推理させるため、前半の時点で変装を見破られる展開を入れる。どのような特異な能力を敵がもっているかという情報を視聴者に開示しているフェアプレイ。ついでに前回の変装を見ていない視聴者も想定してのことだろう。
変装を見破る手がかりは強調するように見せているので前回よりも真相はわかりやすいが、他の可能性が残るなかでひとつの可能性を真相と考えるのではなく、何が奇妙なのかを見つけるという推理なので厳密性が高い。なぜそのような失敗をしてしまったかという敵の視点もきちんと説明できている。
何よりこの推理にかかわる出来事によって主人公コンビが警察よりも先に推理する状況が自然になり、さらに商品の販促も組みこめた。ミステリ部分がストーリーにも商業アニメにも密接につながっている。
そして事件を解決してマコトジュエルを集めればポチタンが育って明智が未来に帰れるという道筋もでき、そのうえで明智は困った人のために事件を解決したいと語る。身分証明できない少女が当面の生活ができる場所もできて、番組フォーマットがしっかり固まり、これから安心して見ていられる。
しかし、敵のファントム怪盗団が「ほしいものは何でもウソで手にはいる」とうそぶき、主人公が「プリキュアがウソを終わらせる」とあらがった今回の放送日が、ちょうど衆院選の投票日であることに批評性がある。
もちろんスタッフが意図したことではなく、虚偽発言をくりかえす女性初首相が身勝手に投票日を設定して、自分から批評の的にされに来たという感じだが……