【基礎編第8回】わたしたちにできること〜学習eポータルのこれからを一緒に考えよう✨〜
こんにちは、旅するコンサルTommyです♡
さて、この連載も今回で最終回。第1回から第7回まで、学習eポータルをめぐる「歴史」「寡占化」「利益相反」「認証」「データの流れ」「公的データストア」「あるべきシステム構成」と、たくさんのことをお話ししてきました。
たくさんの専門的な内容を読んでくださって、本当にありがとうございます。
最後のこの記事では、「じゃあ、わたしたちには何ができるの?」 という問いに、できるだけ具体的にお答えしたいと思います✨
📖 連載を振り返って
第1回では、学習eポータルが「過渡的措置」として生まれた経緯をお話ししました。本来なら、デジタル教材の提供側がSAML認証に対応していれば、ポータルは不要だったはず。でも、現実には「Windows 95の体験版ビジネス」のような旧来型の発想がまだ残っていて、ポータルが必要になってしまった。
第2回では、先行4社のうち2社が撤退し、残る2社が約7割のシェアを占める寡占構造を見てきました。データポータビリティがないため、「一度選んだら変えられない」という厳しい現実がありました。
第3回では、標準化団体の役員構成や、公共システムの開発企業の関係性など、利益相反の構造について考えました。過去のベネッセと大学入試改革の失敗例も思い出しながら、「公平性と透明性が大切だよね」という話をしました。
第4回では、シングルサインオン(SSO)や認証パターンの技術的な仕組みを、できるだけやさしく解説しました。「誰が誰を認証するのか」によって、システムの主導権が変わる、という大事なポイントでしたね。
第5回では、LTI規格やRosterサービスによって、子どもたちの学習データがどこに、どのように蓄積されるのかを見てきました。そして、データのコントロール権が曖昧なまま、民間の学習eポータル事業者が主導している現状を確認しました。
第6回では、学習データを「公共財」として捉え、公的機関による公的データストアの整備と、マイナンバーの活用による長期的・継続的なデータ管理の必要性を提案しました。
第7回では、システム構成の「あるべき姿」として、汎用クラウド(GoogleやMicrosoft)を認証の中心に置き、学習eポータルを「コンテンツへの窓口」として位置づける構成を提案。そして、ガバナンスの透明性・独立性・公正な競争の大切さを強調しました。
✨ この連載で伝えたかったこと
わたしがこの連載を通じて、一番お伝えしたかったのは、
「教育ICTの目的は、子どもたちの学びを豊かにすることであって、特定の企業や仕組みを守ることではない」
ということです。
GIGAスクール構想は、本当に素晴らしい取り組みです。一人一台端末が当たり前になり、デジタルの力で学びの可能性が広がっています。
でも、そのインフラとして整備された学習eポータルが、いつの間にか「過渡的措置」から「不可欠なインフラ」へと変わり、しかも一部の企業に寡占されている。データポータビリティがなく、透明性に課題があり、子どもたちの学習データのコントロール権が曖昧なまま……。
これでは、せっかくの素晴らしい構想が、「子どもたちのため」ではなく「仕組みや企業のため」 にすり替わってしまいます💦
だからこそ、この連載では、
構造的な問題を明らかにすること
あるべき姿(理想)を描くこと
わたしたち一人ひとりができることを考えること
を大切にしてきました。
💡 わたしたちにできること
では、具体的に「わたしたちにできること」を、立場別に考えてみましょう♡
【先生方・学校現場の皆さん】
「選べない」ことを問題視してください
もし、学習eポータルを選ぶ際に「データが移行できないから変えられない」と感じたら、それは正常な状態ではありません。教育委員会や自治体に、「データポータビリティが必要です」と声を上げてください。認証の仕組みを理解してください
GoogleやMicrosoftといった汎用クラウドを認証の中心に置くことで、セキュリティも向上し、コストも抑えられます。学習eポータルに認証を委ねる構成は、安全性やコストの面でリスクがあることを知ってください。子どもたちのデータについて意識してください
学習履歴やテスト結果が、どこに、どのように保存され、誰がアクセスできるのか。そして、子どもたちや保護者に、そのデータのコントロール権があるのか。こうした視点で、現場の運用を見直してみてください。
【教育委員会・自治体の皆さん】
調達の際に「データポータビリティ」を必須条件にしてください
学習eポータルの調達仕様書に、「他社への移行時に、標準形式でのデータエクスポートが可能であること」を明記してください。これだけで、健全な競争が生まれます。透明性のある選定プロセスを
どのような基準で、どの事業者を選んだのか。評価の根拠を公開することで、公正性が担保されます。公的データストアの整備を国に求めてください
自治体単独では難しいですが、複数の自治体が連携して、文部科学省に対して「公的なデータストアの整備」や「マイナンバーの活用」を要望することは可能です。
【保護者の皆さん】
「子どものデータは誰のもの?」と問いかけてください
学校で使っているシステムに、わが子の学習履歴がどのように蓄積され、誰がアクセスできるのか。卒業後もデータが残るのか。こうした疑問を、学校や教育委員会に尋ねてみてください。「選べる」ことの大切さを意識してください
学習eポータルやデジタル教材が、「一度選んだら変えられない」仕組みになっていないか。保護者の立場からも、透明性と公正性を求める声を上げることができます。
【政策担当者・研究者・有識者の皆さん】
利益相反の構造を見直してください
標準化団体や公共システムの開発に関わる企業・研究者が、特定の事業者と強い利害関係にある場合、その構造を透明化し、独立性を確保する仕組みが必要です。公的データストアの法整備を急いでください
「教育データ利活用ロードマップ」にも示されているように、公的機関による中立的なデータストアの整備は急務です。マイナンバー法の改正など、法的な手当てを含めた検討をお願いします。「疎結合」の原則を徹底してください
学習eポータルと公的データストアは、疎結合(loosely coupled)であるべきです。事業者が撤退しても、データは安全に残り、別の事業者に引き継げる。そんな設計思想を、政策レベルで明確にしてください。
【ICTベンダー・教育関係企業の皆さん】
SAML認証への対応を急いでください
デジタル教材やコンテンツ提供側が、最初からSAML認証に対応していれば、学習eポータルは本来不要でした。今からでも遅くありません。標準的な認証方式への対応を進めてください。データポータビリティを標準装備してください
顧客の「囲い込み」ではなく、顧客が「選べる」ことを前提に、他社への移行が容易な設計を心がけてください。それが、長期的な信頼につながります。透明性と公正性を大切にしてください
公共調達に関わる企業として、利益相反の構造を自ら点検し、透明性のある情報開示を進めることが、業界全体の健全性を高めます。
🌸 最後に:「しあわせの種類と総量をふやす」ために
わたしは、「しあわせの種類と総量をふやす」ことを、自分の理念として掲げています♡
教育ICTも、校務DXも、学習eポータルも、すべては「子どもたちの学びを豊かにし、先生方の負担を減らし、誰もがしあわせになるため」のはず。
でも、仕組みが複雑になりすぎたり、特定の企業や利害関係者の都合が優先されたりすると、本来の目的から遠ざかってしまいます💦
だからこそ、わたしたち一人ひとりが、
「これ、おかしくない?」と問いかける勇気
「もっと良い方法があるはず」と考える柔軟さ
「子どもたちのために」という原点に立ち返る優しさ
を持つことが、とても大切だと思うんです✨
🌈 これからも一緒に
この連載は今回で終わりですが、教育ICTをめぐる議論はこれからも続きます。
わたし自身も、全国の教育現場を旅しながら、先生方や自治体の皆さんと一緒に、より良い仕組みを模索していきたいと思っています。
もし、この連載を読んで「もっと知りたい」「うちの自治体はどうなってるんだろう?」と思われたら、ぜひ周りの方と話してみてください。
そして、もし「こんなことを記事にしてほしい」というリクエストがあれば、いつでもお声がけくださいね♡
「Kawaiiは正義♡」
「子どもたちの未来は、わたしたちがつくる」
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました✨
また、どこかの記事でお会いしましょう♡
旅するコンサルTommyより💕
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この記事は noteマネー にピックアップされました




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