面接で「資格を取得しました」「リーダーを務めました」と伝えても、採用担当者の反応が淡い-就職活動の現場では、こうした場面が少なくありません。学生の多くは、努力や成果が正当に評価されていないと感じがちですが、実際に起きているのは別の問題です。
それは、応募者が示している情報と、採用側が確認しようとしている情報が一致していないという点にあります。実績の量や優劣が問われているのではありません。評価されにくい理由は、採用の判断に必要な情報が、十分に示されていないことにあります。
結果のみ強調されると、判断が見えにくく
採用の場で重視されているのは、「仕事の局面において、どのような判断を下す人物か」という点です。成果や肩書が不要というわけではありません。ただし、それらは結論ではなく、判断の傾向を読み取るための材料にすぎません。企業が知りたいのは、成果に至るまでの過程で、何を課題と捉え、どの選択肢を検討し、どの基準で決断したのかという意思決定の内容です。ここが示されなければ、実績は事実の説明にとどまり、評価の根拠にはなりません。
まず、資格や試験結果について考えてみます。語学試験や情報系資格の合格は、一定の知識を修得したことを示します。しかし、それだけで仕事上の判断力が分かるわけではありません。採用側が確認したいのは、点数や合否ではなく、なぜその知識が必要だと考えたのか、どの業務や場面で活用する想定を持っていたのかという点です。仕事では、学習の量よりも、何を学ぶべきかを選ぶ判断が成果に直結します。結果のみが強調されると、その判断が見えなくなります。
肩書だけでは経験内容読み取れず
次に、リーダー経験についてです。代表やリーダーといった役職は、分かりやすい実績として語られがちですが、役職名そのものが評価の中心になることはありません。採用側が見ているのは、その立場において、どのような判断を積み重ねてきたかです。意見が分かれた場面や、計画の修正を迫られた場面、想定外の事態に直面した場面で、何を優先し、どの選択肢を取ったのか。そこに、その人の考え方が表れます。肩書だけでは、経験の内容を読み取ることはできません。
ただし、こうした場面で多く見られるのは、判断の内容よりも、その過程で直面した苦労や大変さに語りが偏ってしまうケースです。困難の度合いそのものが無意味というわけではありませんが、それだけでは採用側が確認したい情報にはなりません。
実績の背後にある判断が採用側に伝わるか
採用の場で見られているのは、困難な状況において、どのように状況を整理し、何を基準に選択し、想定外にどう対応したかという点です。複数の選択肢がある中で何を優先し、どの判断を下したのか。その意思決定の過程にこそ、仕事における判断力が表れます。したがって、言語化すべきなのは苦労の大きさではなく、困難な局面で行った判断の内容です。
資格や試験結果、リーダー経験は、本来、十分に評価の対象となります。ただし、それは実績の背後にある判断が、採用側に伝わる形で示されている場合に限られます。採用とは、過去の行動を手がかりに、入社後の場面でも同様の判断ができるかを見極める行為です。そのために必要な情報が示されなければ、実績は評価に結びつきません。
就職活動で問われているのは、保有している事実ではありません。どのように考え、何を基準に判断してきたかです。この点が伝わったとき、資格や肩書は初めて、評価に耐える情報になります。(「内定塾」講師 齋藤弘透)
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