投票用紙の撮影、SNS投稿は違法? 投開票日はNGなこと
記入済みの投票用紙を撮影し、写真をアップする。衆院選についてSNSでよく見られる光景だが、8日の投票日はNGだ。違法となる恐れがある。 【情勢をグラフで】各党の推定当選者数 終盤情勢調査 ◇選挙運動とみなされる可能性 「○×党さんに投票してきました」「投票に行ってきました」 衆院選の期日前投票が始まって以降、こうしたコメントとともに記入済みの投票用紙をSNSに投稿する行為が目立つ。 しかし、投票日に同じような投稿をすると、特定の政党・候補への投票を促す「選挙運動」をしたとみなされる恐れがある。 公職選挙法は、投票日の選挙運動を禁止しており、罰則として1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金を定めている。 記入済みの投票用紙をSNSにアップすることは「ケースによっては罪に問われる可能性がある」とするのが総務省の見解だ。 ◇投票先の強要に利用されたケースも こうした行為はそもそも、「秘密投票」を侵害しかねない意味でも問題だ。 秘密投票とは、有権者がどの候補に投票したかを誰にも知られないようにする制度のこと。 これによって誰かに投票先を強要されたりせず、個人が自由に投票できるようにする意義がある。 憲法15条4項でも保障された権利だ。 実際、写真撮影が投票先の確認に悪用されたケースがある。 2025年参院選で立件されたパチンコ店運営会社の社長による公選法違反事件では、パチンコ業界の組織内候補の名前を記入した投票用紙を撮影し、画像データを「LINE(ライン)」で送れば、従業員に報酬を支払うと約束する行為があったとされている。 ◇選管は自粛を要請 衆院選の期間中にSNSへ投稿された写真を見ると、記載台の上で撮影したとみられるものもあり、多くが投票所内で撮ったもののようだ。 一方で、投票所内で記入済み投票用紙を撮影する行為を直接禁止する規定は公選法にはない。 現場ではどのように対応しているのか。 多くの選挙管理委員会は、投票所では写真撮影をしないよう呼びかけている。 たとえば東京都町田市選管は投票所に「写真撮影はおやめください」と張り紙を出し、注意を促している。 その根拠となるのが、公選法60条で定められた「投票所の秩序をみだす者を制止し、従わないときは投票所外に退出せしめることができる」という規定だ。 投票用紙に記入しているとき、周りでシャッター音が鳴れば不審に思う人もいるだろう。 周囲に気を配り、節度を保った投票行動が求められている。【木村敦彦、小林慎】