2026/2/8
「サナエファンのかたへ」 法政大学名誉教授・元総長 田中 優子
(東京新聞 「時代を読む」)
まずは笑い話から。
まだ投票がお済みでない全国のサナエファンのかたは、投票用紙に高市早苗と書きましょう。
こういう呼びかけがあって思わず笑った。昨今の政治が「推し活」になっていることを象徴している。もちろん奈良2区以外は無効となる。 比例代表は「サナエさん所属の中道と書くと良いですよ」とささやく人もいるとか。自民党を知らないサナエファンもいるからだという。
政治全体が芸能界と化し、ハンドバッグや洋服、「頑張っている」話で盛り上がる。何に頑張っているかは知らなくても一向に構わない。
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本日の選挙結果次第では、日中関係はさらに深刻になる。中国との戦争の可能性さえある。その状態を喜ぶのは誰か? 私は米国だと思っている。日本では、米国の望む状況をつくり出す政党が勝つという臆測があるが、間違いではないだろう。
それは戦後の歴史をたどるとわかる。1945年に日本が受諾したポツダム宣言に、「日本国民を欺いて、世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する」との文言がある。この勢力とは軍国主義者のことだ。しかし米国は除去するどころか免責を条件に軍国主義者をよみがえらせた。例えば細菌兵器を開発した731部隊の石井四郎氏は、 その研究成果を米国に渡すことで免責されたという。戦犯容疑者だった岸信介氏は釈放されて旧統一教会に協力した後、国際勝共連合をつくった。報道機関Tansaが旧統一教会の報告書「TM特別報告書」の公開を始めたが、軍国主義が自民党に連綿と続いていることが読み取れる。その象徴こそ、高市政権が力を入れる「スパイ防止法」である。
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軍国主義政治家は米国や旧統一教会が望むまま日本を中国の防波堤にしている。米軍が撤退した後、自衛隊と日本の軍事費で砦をさらに強固にするだろう。安保3文書の前倒し改定、防衛費の大幅増額、非核三原則の見直し、武器輸出、スパイ防止法の制定、そして排外主義である。
日中関係の悪化を米国は喜ばないという言説があるが、そんなことはない。台湾問題はどうでもよいのだろうが、中国との交流が盛んになれば砦にほころびが出る。日本人の嫌中は好都合なはずだ。その結果、観光業の衰退やレアアース等の輸入が滞ることで日本経済が衰退したところで、米国の知ったことではない。 米国は日本を守っているのではなく、利用しているだけだからだ。
非核中堅国家の連携がカナダを中心に提唱されている。アジアの非核中堅国家連携こそ、これからの日本を守る仕組みだ。しかし高市政権は日本を大国と勘違いし、核武装まで考える可能性がある。サナエファンにはそれぐらい知っていてほしい。
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