新たな発見の場に──「アウトサイダー・アートフェア」新ディレクターに聞く、その可能性と魅力
このフェアの求人広告を見たとき、すぐに「これこそ自分が本当に大切に思えるフェアだ」という強い思いが湧きました。ここ数年、現代アートの世界は厳しい状況にあります。でも、アウトサイダー・アートフェアに足を運び、出展ギャラリーの展示を見るたびに、厳しい状況への心配をいったん脇に置いて、純粋にアートの素晴らしさや新たな発見の喜びに浸ることができたのです。そして、何よりも作品とアーティストが第一に考えられています。 現代アートの世界が──どう表現したものか悩ましいですが──下降線をたどっている今、まさにアウトサイダー・アートフェアこそ自分が今いるべき場所だと感じました。これが私の夢だと確信したのです。 ──今の指摘は、現在アートの世界で広く認識されているのに表立っては議論されていない問題です。確かに今も売れている作品はありますが、その多くは低価格帯のもので、特にオンラインでの販売が中心だと言われています。アートフェアでの売り上げは不確実性が増していて、多くのギャラリーが販売の減速を報告している中、これらの課題にどう対処していこうと考えていますか? アート界は変化を拒んできたように思います。一般的なアートフェアは長年の慣行の見直しをほとんどしていませんが、それが自らの首を絞めているのです。価格の透明性の低さなどが良い例で、新世代の買い手からすれば昔からのこうしたやり方は理解不能です。彼らは、価格が明示されていないものを購入することに違和感を抱いています。ミレニアル世代やZ世代は、こうした排他性や情報不足、透明性の欠如の中でアートを買いたいとは思わないでしょう。 アウトサイダー・アートフェアで作品を買う体験は、それとは違います。自らをコレクターとは全く思っていない人々も、ここなら気軽に入って作品を購入できます。私はそうした人の話をしょっちゅう耳にしますし、アーティストたちや収入がさほど多くないアート業界関係者も、ここで作品を購入したことがあると言っています。多額の予算を費やせないアートコレクターもそうです。ここでは3桁や4桁の金額(100〜9999ドル、日本円にして1万5000円から150万円ほど)で、末長く愛せる作品を手に入れることができます。 大規模な有名フェアでは、ともすれば買い手側が品定めをされているような、変なプレッシャーを感じることもあるでしょう。私たちのフェアではそんな思いをさせることなく、より良いユーザー体験が提供できると考えています。 ──最近、ギャラリー関係者の本音が浮き彫りになった大規模調査についての記事を書きました。調査結果では出展コストの高さに加え、「1年に何回もアートフェアに出展するのには疲れた」とか、「出展前にどのくらいのプリセールスが必要なのか不透明だ」などの声がありました。海外のギャラリーなら、これ以外に為替レートも考慮に入れなければなりません。 我われのアートフェアは、はるかに低いコストで済みます。