国立がんセンター元医長に無罪判決「収賄罪、成立しない」 東京地裁

森下裕介
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 製品を使う見返りに医療機器メーカーから賄賂を受け取ったとして、収賄罪に問われた国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)元医長の男性(49)に対し、東京地裁は6日、無罪(求刑懲役2年6カ月、追徴金約315万円)とする判決を言い渡した。向井香津子裁判長は、収賄罪は成立しないと判断した。

 男性の起訴内容は、同病院の肝胆膵(かんたんすい)内科医長だった2020年6月と21年5月、医療機器メーカー「ゼオンメディカル」(東京都千代田区)の製品を多く使う見返りとして、同社側から計約315万円の賄賂を受け取ったというもの。この機器は「ステント」といい、カテーテル治療に使う。

 男性は同社のステントを使い、改善点を指摘して報酬を得る契約を同社と結んでいた。検察側は、調査報告のために作成された書類は内容が希薄で、調査に実態がないと主張。弁護側は、もらったお金は契約に基づく報酬であり、賄賂ではないと主張していた。

 判決はまず、男性はステントを使った手術の動画を繰り返し見るなど、調査に一定の労力と時間を費やしたと指摘した。

 21年5月にあった送金については、会社側に調査内容を生かす意思がなく、販売促進のためだったと認めた。だが、男性が会社側の意図を認識していたとはいえず「契約の報酬として受け取ったに過ぎない」と結論づけた。

 判決に対し、東京地検の市川宏次席検事は「判決内容を十分検討して適切に対処したい」とコメントした。

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この記事を書いた人
森下裕介
東京社会部|裁判担当
専門・関心分野
司法、刑事政策、人権