【A4studio】「ミニストップ」が閉店ラッシュ…店内調理やソフトクリーム、独自性に隠れた「決定的な弱点」

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イオン傘下のコンビニエンスストアミニストップ』が、1月8日に発表した資料によると、2026年2月期の最終損益が、約60億円規模の最終赤字に転落する見通しであることが明らかになった。背景には店内調理商品などの消費期限ラベルと貼り替えるなどの偽装問題があったと考えられるが、この問題以前からミニストップは最終赤字を計上しており、実は3期連続の最終赤字となっている。

一方、国内のコンビニ市場では、『セブン‐イレブン』、『ファミリーマート』、『ローソン』の三大チェーンの存在感が一段と強まっている印象。なぜここまで差が開いてしまったのか。三大コンビニとミニストップを分けた決定的な要因は何だったのか。そして、ミニストップは今後もコンビニ市場で生き残る余地があるのか。このような疑問について、コンビニジャーナリストの吉岡秀子氏に解説していただいた。(以下「」内は吉岡氏のコメント)

記事前編は【「ミニストップ」業績悪化が止まらない…強みだった「ソフトクリーム」が重荷に】から。

親会社イオンの戦略は……?

だが「三大コンビニ以外は生き残れない」という見方について、吉岡氏は「必ずしもそうとは言い切れない」と指摘する。

ミニストップは、イートインや店内調理などの強みをきちんと活かせば、生き残っていけると思います。しかも、ミニストップはイオン傘下のチェーンです。簡単に“なくなる”存在ではありません」

ただし、コンビニ事業特有の構造には注意が必要だという。

「コンビニのチェーン展開は直営店よりもフランチャイズが基本です。ブランド名は同じでも、実態としては“個人店”の集合体ともいえます。本部よりもオーナーが事業を続けられなくなれば、その店舗は撤退する。そういう意味では“生き残ることができなくなった”という見方が出てくる恐れはあります」

さらに、ミニストップの今後を考えるうえで、親会社イオンの戦略も無視できない。それが、現在、首都圏で急速に拡大している都市型小型スーパー『まいばすけっと』の存在だ。

「イオンが都市型小型スーパーのまいばすけっとに力を入れている、という見方も確かにあるかもしれません。ただし、食品スーパーのまいばすけっとと、コンビニエンスストアミニストップでは業態が違うため、ビジネスモデルがまったく異なります。単純にまいばすけっとが伸びているから、ミニストップをまいばすけっとに置き換える、という話ではないでしょう」

弱みに転じた「強み」は復活の武器

人手不足の深刻化により、店内調理やソフトクリームといったミニストップ独自のオペレーションは、かつての「強み」から一転して経営の重荷となった。ではこの独自性は、現在の市場環境においても有効な武器となり得るのだろうか。

この問いに対し、吉岡氏は「十分に可能性はある」と前向きに評価する。

「いまでもミニストップの強みは生きると思っています。インバウンド客がコンビニで“食べ歩き”をする光景は、すでに日常になっていますし、カウンター周りの商品はその需要に合っています。とくに夏場のコールドスイーツ、看板商品のソフトクリームを強化すれば、勝機はあるでしょう。

休憩しながら飲食できる空間づくりを大事にすれば、インバウンドに加え、シニア層の取り込みも見込めます。

イートイン需要そのものは今後も必ず残りますし、むしろ重要性は高まっていくはずです。空間の使い方に重点を置けば、ミニストップらしさを活かした店舗づくりはまだ十分に可能だと思います。

これまでのミニストップは、コンビニが本来持っている“社会課題に対応できる拠点としての価値”を十分に生かし切れていませんでした。いま問われているのは、社会環境の変化や人手不足の深刻化、デジタル化といった時代の流れに、コンビニとしてどう対応していくのか、という点ではないでしょうか」

ミニストップが見せている「新たな動き」

実際、ミニストップは新たな動きも見せ始めている。

1月19日、日本郵便と連携し、ミニストップで取り扱う食品や飲料など約70種類の商品を購入できるサービスを、関東5県の37郵便局で試験的に開始。利用者の反応を踏まえ、今後は導入局の拡大も検討するという。地域の生活インフラとして身近な郵便局を活用した買い物支援を強化する狙いだそうだ。

――ミニストップの現状は、コンビニ業界がこれまでの成長モデルを問い直し、「次の役割」を模索する新たなフェーズに入ったことを象徴しているのかもしれない。

(取材・文=逢ヶ瀬十吾/A4studio)

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