概要
北海道は、日本の都道府県の1つ。日本の最北に位置し、面積は約83,460km²と2位の岩手県に圧倒的な差を付けて最大。都道府県の中で、唯一の「道」でもある。
東海道や南海道と言った古代令制国の五畿七道(北海道が追加されて五畿八道)に倣った呼称であるが、他の「道」が現在では歴史的な呼称になっているのに対して、北海道は明治期に中央政府主導で開拓が進められたという特殊な歴史的事情から廃藩置県後の自治体名として採用された点が異なる。明治2年に設置された五畿八道の北海道(令制)に関しては、当該記事を参照。
道庁所在地は札幌市。陸続きで接する都道府県はなく、津軽海峡を挟んだ青森県が隣接県。
また、日本列島を構成する島としては本州に次ぐ大きさを持つ島自体も北海道(北海道島)と呼ばれる。一応、島自体を指す呼称としては「十州島」という名前があるのだが、北海道ですらこの呼称を使う者は皆無に近いのが現状である。
北海道の名付け親として松浦武四郎が知られる(松浦が考えた漢字表記は北加伊道であった)。一説には、「カイ」はこの土地に生まれた者を指すアイヌ語であり、そこから「北に住む者の土地」という意味を込めて名付けたとの説がある。
実際にはそのような単語の実在は確認されていないものの、アイヌ語で「(〜な、〜する)人」という意味の「クㇽ」(kur)が変化したものなのではないかという説はある。実際に周辺の他民族の言葉でアイヌを指す語にはこの「クㇽ」に由来すると思われるものも散見され、例えば樺太の少数民族ニヴフはアイヌを「クギ(кʼуғи)」と呼んでいる。
「北海道」の表記は、徳川斉昭らによって定められたとされる。
また、アイヌ語では「ヤウンモシㇼ」(yaun mosir、「静かな大地」)、「アイヌモシㇼ」(aynu mosir、「人間の住む土地」)と呼ぶ。なお、「アイヌモシㇼ」に関しては、「カムイモシㇼ」(神々の住む地)に対する「この世」と言った意味を含めた名称なので、北海道島(十州島)そのものに対する呼称としては、離島に対する「本島」と言った意味合いもある「ヤウンモシㇼ」の方がより相応しい。
地理
北海道の面積は九州地方の約2倍弱あり、東北地方各県や中部地方各県を合わせたよりも広い。
例えば函館と根室の間は、東京から岡山、東京から函館に匹敵する距離がある。
当然ながら同じ北海道とは言っても地域ごとに異なる歴史があり、様々な文化が育って来た。
北海道はその全域(北方領土も含む)を14の地域に区分して「総合振興局」若しくは「振興局」と呼ばれる出先機関を置き、各地域の行政を管轄している(以下の記事では、呼び分けの必要がない限り、「振興局」と「総合振興局」を纏めて「振興局」と呼ぶ)。振興局と総合振興局は2010年までは支庁という呼称だったが、現在でも地方自治法上は支庁として位置付けられる。支庁を設けている都府県は他にもある(地方振興局・行政センター・県民局など名称は様々)が、多くは県庁所在地から距離がある地域にのみ支庁を設けており、北海道のように全ての市町村がいずれかの支庁に属しているとは限らない。
ただし、元より面積の広大な北海道のこと、14に分割したからと言ってそうそう小さくなるものではない。
振興局の内、最大面積・十勝総合振興局は10,000km²を上回り、岐阜県よりも広い。最小の檜山振興局でも、佐賀県の面積を上回る。振興局は気象庁による気象情報や道内各マスコミでも標準的に用いられ、道内では非常に重要な区分である。また一般道民や地場企業による住所表記にも普通に用いられている点が他の都府県と異なる。
振興局以外の地域区分も、当然ながらある。
そもそも、「北海道」と言う地名自体が律令制に基づく「五畿七道」に追加して置かれた「北海道(令制)」に起源を持つ(北海道を含め「五畿八道」と言われる)。「北海道(令制)」の下に11の令制国が設置されたが、これらの名称は駅名や地名として現在も名残を留めている。
明治初期に臨時の地方行政機関として置かれていた北海道開拓使は、明治15年(1882年)にその役割を終え、函館県・札幌県・根室県の3県が設置され、三県の開拓推進のため農商務省直轄の北海道事業管理局が設置された(三県一局時代)が、「函館県以外はまだ人口が少な過ぎるので県に分かれたままであると開拓が進まない」との理由で明治19年(1886年)に内務省直轄の北海道庁に統合。
函館県と根室県はそれぞれ支庁として継承されたが、本庁と函館支庁・根室支庁の2支庁では管轄範囲が広大過ぎるため1890年には19の支庁が設定された。
その後支庁は明治後半 - 大正時代に掛けて14支庁に再編され、戦後の昭和22年(1947年)に北海道庁は都府県と同格の「北海道」とされて現在に至る。
「三県一局時代」の県名は、令制国名と異なり、現在では全く用いられていない。
各地の地名はアイヌ語に由来するものが大半だが、カタカナではサマにならないと考えたらしく漢字に置き換えてしまったため、初見殺しとなっている。
北海道の地域区分の一覧
支庁から振興局に変更する際に区域が少しだけ変更されている。
振興局(旧支庁)
札幌市を中心とする地域。
都市化が進んでおり北海道の人口の約半分が集中するが、北海道らしい大自然もまた残っている。
石狩の東隣の内陸の地域。広大な水田が広がる北海道随一の穀倉地帯で、畑作・酪農も盛ん。
かつては炭鉱で栄え、豊富な資源を生かした工業地帯でもあったが、ことごとく閉山・事業縮小・閉鎖してしまい、今では農村地域と化している。
石狩の西隣、渡島・檜山の北。
最大都市の小樽市は東端なので、中央部の倶知安町に振興局が置かれている。
函館を中心とする南端の地域だが、松前から長万部まで非常に長細い。
旧熊石町を合併したため、日本海にも面している。
渡島南部は東北地方に最も近い地域で、街並みや植生も北海道の他の地方とはいささか異なっており、本州の面影を感じさせる。
渡島の西隣で、日本海沿いの地域。
市町村合併により、二つに分断されている。
「道南」として、渡島とセットにされることが多い。
檜山南部は渡島と並び、江戸時代以前からの和人文化の伝統を有する地域で、中世以来の歴史遺産に恵まれている。
石狩の南隣で、室蘭・苫小牧を中心とする地域。火山や温泉が多く、工業が盛ん。
胆振の東隣。競走馬の育成で有名。
大きな都市がなく「日胆」として、胆振とセットにされる事が多い。
旭川を中心とする地域。
北の中川・音威子府から南の占冠・南富良野まで、南北に非常に長い。
幌加内町は、空知支庁から此方に移った。
空知の北西に位置する。
酪農と漁業が主産業で、かつては石炭の積み出し港としても栄えたが、現在ではその全てが衰退しており過疎化が著しい。
稚内市を中心とする北端の地域。
地理的に道内の主要都市から遠く離れており高速道路も開通しておらず、交通の便に恵まれない。
幌延町は、留萌支庁から此方に移った。
かつて網走支庁という名前だった。振興局は最大都市の北見市ではなく網走市にある。
帯広を中心とする地域。
広大な十勝平野が広がり畑作農業が盛んで、全国に冠たる農業王国である。
釧路を中心とする地域。
産業は漁業と酪農が中心だが、釧路港は工業・物流も盛んで、北極海経由でヨーロッパと結ぶ「氷上のシルクロード」のアジア側拠点として注目を集めている。
釧路の東隣で、ここも漁業・酪農地帯。「根釧」として釧路とよくセットにされる。
世界有数の、地震多発地帯でもある。北方領土は、ここに含まれる。
その他
道北 / 道東 / 道央 / 道南
「どの地域(市町村ないし振興局)が道北・道東・道央・道南のどれに該当するか」という明確な区分はない。
北海道では行政上、
- 宗谷・留萌・上川を道北に
- オホーツク(網走)・根室・釧路・十勝を道東に
- 石狩・空知・後志・胆振・日高を道央に
- 渡島・檜山を道南に
と区分しているが、日高や胆振地方を道南組み入れている例や、オホーツク地方を道北に組み入れる例も少なくない。
北海道は他府県と比較して広大過ぎるため、4県(旭川県・釧路県・札幌県・函館県(県名はいずれも仮称))に分割する案も存在するが、この場合はオホーツク地方は旭川県に組入れる案が提示されている。
この行政上の区分をしてもなお、1つの支庁の面積が1つの府県に匹敵する程巨大である。それが北海道。
北海道に存在する主な都市
気候
北方にあるためで、冬は寒く雪が多く、夏は涼しいと言うイメージがあるが、実の所北海道と言っても広大なので、地域によって気候風土にかなり差がある。
渡島から胆振・日高の津軽海峡・太平洋沿岸(函館・室蘭など)は、夏涼しく冬は暖かく雪も少なめ(道内比)だが、道央の内陸部や日本海沿いは大量の雪が降り、さらに道北に向かうにつれ冬の冷え込みは厳しくなる。
道東内陸平野部(帯広等)は夏暑い上に冬は連日のように約-20℃以下となるが、山沿いの一部を除いて雪は余り積もらない。
最東部の根室・千島地方は夏でも霧に閉ざされ、湿度が高く肌寒い日々が続く。
道北は降雪量の多さに加えて風が強く、特に日本海側の地域では強烈な地吹雪で交通が寸断されることもしばしば…
北海道の気候の厳しさを表現して試される大地などと言われたりするが、正直言ってこれだけ多種多様な気候の地域を一緒くたに語るのは大間違いである。
道南太平洋側(伊達等)のように、親潮から吹き抜けるやませの影響で一年を通じてそれなりに快適な気候(冬は-10℃を下回る事は少なく、夏は30℃を超えることは少ない)の地域もあれば、オホーツク海沿岸の内陸部(野付牛〔北見市の中心部〕など)のように、夏はフェーン現象で暑く、冬は流氷で閉ざされたオホーツク海からの風で猛烈に寒い(冬は-25℃ まで冷え込むが夏季には35℃を超える事もある)、過酷な気候の地域もある。
住宅の防寒性能が高いので、家の中に限れば日本の大半より暖かい生活ができる。
その代わり冷房普及率が低かったが、近年は真夏日の増加に伴いエアコンを導入する家も増えてきた。
「北海道には梅雨がない」と言われることがあるが、梅雨前線北上の仕方によっては北海道も影響を受け、「蝦夷梅雨」と呼ばれる長雨となる。
第1次産業
日本きっての農業・漁業王国。日本の食糧基地と自称する程第一次産業が栄えており(日本全体の食糧供給率が約38%(※2025年現在)なのに対し、北海道だけで見ると供給率約200%以上)、生乳やジャガイモの生産量は日本一。他にも米、甜菜、小豆、大豆、小麦、玉ねぎなどの生産では北海道が一位である。正に「食に対して文句を言う奴に対しては、北海道からの食糧供給ストップして、奴らを飢え死にさせたろかいと思います」(by百姓貴族)が洒落にならない状況とも言えるだろう。
北海道は冬に雪に閉ざされ二毛作や二期作ができない反面、冬に病原菌や害虫が死滅するため、暖地に比べて病害虫による被害が少ない。農家が悩まされる夏の雑草の繁茂も本州以南と比較すれば(相対的には)マシで、冷涼な気候のため肥料の使用も抑えられ、日照と肥沃な土壌に恵まれた道南や道央、十勝地方などは農業に好適な環境となっている。ただし、根室や宗谷などの海沿いは日照が少ないため、酪農や水産業が主産業である。
しかし、開拓前の北海道の多くは作物の生育に不向きな特殊土壌(泥炭土、重粘土、火山性土など)であった。今ある北海道の農村風景は、明治以降の和人入植者達による土壌改良や排水の努力によって形作られて来たものである。
水産業も盛んで、全国の水揚げ量の約1/4を占めている。ホタテ、カニ、ウニや昆布がよく獲れ、江戸時代から北前船で全国に運ばれていた。寿司や鍋物など、和食の食材が豊富。しかし長年の乱獲からスルメイカなどは深刻な不漁に陥っているほか、近年の気候変動により養殖ホタテも大量死が発生するなど、北海道の漁業の前途には暗雲が立ち込めている。
その他産業・交通等
- 工業は製紙業や鉄鋼業、石油産業など素材工業の比率が多め。上記の通りに第1次産業が盛んなため、製造業も食品加工業の割合が高い。
- ニセコはスキーヤーやスノーボーダーの聖地とされており、オーストラリア人に非常に人気がある。
- 自然が豊かで、著名な観光地を多く有している事から観光業も盛ん。火山や温泉も多い。
- 北海道はアジアの観光客に人気があり、とりわけ台湾人や中国人、韓国人には北海道への憧れが強い。近年、日本では海外旅行が身近になったことから北海道の魅力が相対的に薄れてきており、近年の北海道の観光業は外国人観光客の招致に力を入れている。
- 札幌市ではパソコン黎明期からIT産業が栄えてきたが、ハドソンやウェルネットなど成功した企業が拠点を首都圏に移してしまうのが悩み。
- 近年は札幌 - 苫小牧にかけての地域を除く北海道全体での過疎化が進み、結果的に札幌都市圏への一極集中となっている。
- 北海道には貨物専用線を除いて私鉄が存在しない。国鉄分割民営化により、気候条件の厳しいJR北海道は経営が極めて苦しくなることが予測され、1980年代に多数の道内ローカル線が特定地方交通線に指定・廃止された。特定地方交通線廃止後は支線を除けば1995年に深名線が廃止されたのみであったが、JR北海道の経営悪化が深刻化したことで2010年代以降、再度ローカル線廃止の流れが加速しており、2014年には江差線の一部区間が廃止。加えて留萌本線や日高本線等についても一部区間の廃止が行われた他、存続する路線でも駅や列車本数の大規模な削減が進められるなど、北海道の鉄道は危機に晒されている。
- その一方、2016年3月26日には北海道新幹線が新函館北斗駅まで開通し、東京から北海道まで新幹線の線路が繋がった。だが、現状は赤字路線としてJRの経営の足を引っ張っている状態である。札幌延伸は2031年(令和13年)春の予定だが、工期の遅れにより、完成にはさらに4年程度掛かる見通し。
- 道央を除くと人口密度が低い。日本の本州以南(特に関東以西の太平洋ベルト地域)では、平地のいたるところに人家が立ち並び、田舎であっても細切れの農地や山林の間に住宅が混在し町の境界がはっきりしないことが多いが、北海道では町と町の間に広大な農地や原野が広がっている。
- 特に元々の人口密度が低い道北や道東は人口減少が目立っており、旭川市や帯広市、北見市など一部の都市を除くほとんどの市町村が過疎地域に認定されている。近年まで北海道第4の都市であった釧路市(現在は苫小牧市に抜かれ5位)が新たに過疎地域に指定されるなど、都市部でも過疎化が問題となっている。
- 道央や道南でも、北海道第3の都市・函館市、北海道第7の都市・小樽市の衰退傾向は長く続いており、両市は過疎地域に認定された。とりわけ、かつて北海道の主力産業の1つであった鉱業が1970 - 80年代に急速に衰退したことで、夕張や三笠、歌志内等のかつての鉱業都市の財政状況は厳しく、夕張市は2006年に財政破綻した。
- LED信号普及率は全国最下位であり、未だに電球式信号機が多い。これは北海道の雪が非常に激しく、熱を出す量が少ないLEDでは雪が溶けにくい等の問題が起きるため。雪が強く降る土地柄ゆえか厚型のアルミ分割型灯器は原則不採用となっており、一体型になって本格的にアルミ灯器を採用し始めた。ちなみに、電球がバンドミラー(70W)なのもソフトホワイト(60W)より熱量が多く、京三製作所に至ってはアルミ灯器移行後もレモンレンズが主流なのはブツブツレンズよりレモンレンズの方が雪国の視認性では良い事も影響している。
- 広大な土地を持つことで物流が複雑な道の性質から、2024年時点でも「北海道のトラック業界には来孫請けが存在する」という内容の、現代の日本の産業の常識を破るような衝撃的な証言が聞かれる。しかもソースはゴシップ記事ではなく労働組合の真面目な会合の発言である(参考)。
- 各地の道路には、降雪時に道路の端を知らせる矢印がついている。アクションゲームだったら落ちてきそうなデザインである。
北海道出身の主な人物(札幌市除く)
※札幌市出身者は札幌市の項を参照。
小説家
漫画家・イラストレーター
歌手・ミュージシャン・音楽家
俳優・タレント
声優
その他
北海道出身(もしくは出身と思われる)の架空のキャラクター
北海道を舞台とした作品
北海道を舞台とした楽曲
北海道の民謡等
ソーラン節 江差追分 松前神楽 北海盆唄 ユーカラ
北海道のテレビ局
北海道を拠点とするスポーツチーム