清川村はニホンオオカミの遺物を周知しようと、頭骨などのレプリカと復元画を作成した。2月14日にお披露目し、帝京大学の植月学教授の講演会「丹沢周辺における人と狼(おおかみ)の関わりの歴史」を開催する。イベントへ向け、ニホンオオカミを約30年にわたって取材する映像プロデューサーの松尾知明さんに、最新の研究成果やオオカミ信仰などを解説してもらう。
ニホンオオカミは明治末期には本州から姿を消した。そして頂点捕食者を失った日本の森は今、どうなっているのか。絶滅の原因と、今も清川村に残るオオカミ信仰を読み解く。
未知の感染症が打撃
絶滅の直接的な引き金となったのは、江戸時代に海外から入った「狂犬病」や明治期に入った「ジステンパー」の流行である。免疫を持たないオオカミに未知の感染症は打撃を与えた。さらに江戸時代は燃料として木々が乱伐され山が荒廃。その結果、獲物のシカなどが激減し、家畜を襲うようになったオオカミは徹底的に駆除された。かつて「山の神」とあがめられたが、近代化とともに「害獣」とされ、歴史の闇へと葬られたのである。