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バカな有権者に媚びるのをやめろ。選挙カーと居眠りと病気で騒ぐお前のことだ

割引あり

 衆議院が解散され、衆議院選挙が公示された。各地では大雪のせいでポスターが貼れないだの、郵便物が届かないだの、挙句はスキーの国際大会に出す予定の人手がいなくなって中止だのと問題が頻発している。「いまなら勝てそう」だから解散するという幼稚極まる決断をした高市政権を叩き落とさなければいけない選挙といえる。

 しかし、じゃあ実際に叩き落せるかというと雲行きは怪しい。そんなまともな判断のできる有権者ばかりなら高市政権は誕生していないだろう。議席の増減はさておき、高市政権は選挙後も継続する可能性が高い。

 有力な対抗馬である立憲民主党は公明党と新党を結成し「中道改革連合」になった。つい最近まで自民党と連立していたカルト政党が中道なわけないだろとは思うのだが、新政党結成という話題性で集票しようという目論見があるだろう。つくづく馬鹿げているが、残念ながらその目論見は間違っていない。

 このことからわかるのは、有権者が馬鹿である限り政治は改善しないということだ。与党も野党も馬鹿に合わせてチューニングするのだから、できあがるものが馬鹿になるのは当然だろう。

バカな有権者とは何者か

過剰に単純化する有権者がバカな有権者

 まず、「バカな有権者」とは具体的にどんな人物かを明確にしたい。

 バカという罵りは一般に、知的能力を中心としてそれを欠く人物に用いられる。だが、ここでは「バカな有権者」を単に知的能力だけで定義しない。

 そもそも「知的能力」自体が多面的なものだ。藤井聡太の最終学歴は中卒だが、彼をバカだと思う人はいない。一方、河合ゆうすけは京大卒だが彼のことを賢いと思うのはレイシストだけだ。そして、彼らは2人とも心理学の素人で、十中八九、大学一年生向けの授業についていくもやっとだろう。そこだけに限れば、私は彼らよりはるかに賢い。河合ゆうすけに対しては私の方が全面的に賢い、と言いたくもなるが、あれでも一応京大に行くだけの脳みそはあるのだし、どこかを探せば私より知的に勝っているところもあるだろう。

 さておき、ここでの「バカな有権者」の定義は一般的な知的能力を参照しない、ということだけが重要だ。一般的な形容詞としての用法から外れるため、この記事では「バカな有権者」には必ず鍵括弧がつく。

 では、何が有権者の優劣を定義づけるのか。

 ここでは、「バカな有権者」を「自身の能力を超えて過剰に単純化した理解で投票行動を起こす者」として定義する。

 この定義に従えば、少々極端な例を出すと、知的障害を有する有権者が自身の能力の範疇で真剣に検討して投票するなら仮に何かしらの間違いがあったとしても彼らは「バカな有権者」ではない。彼らは平均より著しく知的能力が劣るために知的障害の診断を下されているが(でなければ誤診だ)、だからといって自動的に有権者として愚かだという評価になるわけではない。

 一方、後述するように、「五月蠅い選挙カーは嫌いだから、期間中に聴かなかった政党に投票する」ような有権者は、どんなにいい大学を出ていようが「バカな有権者」だと断言できる。彼らは自身の能力的限界を超えるかたちで物事を単純化しており、有権者として果たすべき努力を放棄しながら政治選択を全うしたと思いあがっている。

 こうした有権者は、投票したところで社会に何の改善ももたらさない。家で寝ていた方がましである。

有権者の義務

 こういうことを書くと、それこそ「バカな有権者」から「誰にだって投票する権利ガー」などとケチがつくだろう。だが、的外れだ。

 まず、誰にだって投票する権利がある、わけではない。現在有権者と呼ばれている人々は、単に現時点で18歳以上で日本国籍を有しているから有権者になっているにすぎない。「バカな有権者」よりよっぽどまともな投票行動のできる中学生もいれば特別永住者もいる。国によっては外国籍の市民に選挙権がある場合もあるし、わが国もつい最近まで18歳から19歳は投票できなかった。有権者が有権者なのは、単に政治的な都合と偶然の産物に過ぎない。

 投票という権利はこれほどまでに偶然に左右されているにもかかわらず、その結果は全ての人に影響をもたらす。であるならば、有権者には自分以外のあらゆる人々の権利を考慮して投票を行う義務がある、というのは言い過ぎではないだろう。そうでなければ、選挙権のない子供や外国人の権利も、選挙権を行使しにくい立場にある病人や怪我人、高齢者の権利も守られない。

 誤解がないように書いておくと、これはイデオロギー以前の問題だ。「どう」権利を守るのかという点に関しては議論の余地があり、私が考える理想と違う選択をする人がいたとしても、そのことで直ちに愚かだと評価するのはあまりにも狭量だとわかっている。だが、あらゆる人々の権利を考慮すべきだという立場にすら立てないのなら、そんな有権者は白票を投じている方がよほど社会のためになる。

愚かさの典型例

子供レベルの仮病も見抜けない

 こうした「バカな有権者」の典型的態度として3つの例を挙げたい。まずは政治家の病気に関する言説だ。

 高市早苗首相(自民党総裁)は1日、各党党首らが出演予定だったNHKの討論番組について、遊説中に腕を痛めたことを理由に急きょ欠席した。番組には代理として田村憲久元厚生労働相が出席した。
  首相はその後、自身のX(旧ツイッター)に「ここ数日の遊説会場で、熱烈に支援してくださる方々と握手した際、手を強く引っ張られて痛めてしまいました。関節リウマチの持病がありまして、手が腫れてしまいました」と投稿。医師からテーピングなどの治療を受けたとし、午後に予定していた岐阜、愛知での演説には参加するとした。

高市首相、NHK討論番組を急きょ欠席 「遊説中、手を痛めて治療」-朝日新聞

 2月1日、高市早苗首相はNHKの討論番組を突如欠席した。首相はリウマチによるものだと主張しているが、これが仮病に過ぎないことはわかり切っている。都内のスタジオで行われる収録に参加できない痛みなら、岐阜や愛知に出かけて行って演説が出来るはずもないからだ。

 にもかかわらず、「バカな有権者」は彼女の主張を信じ込み、批判者を攻撃する。その中には医者も混じっていることが、「バカな有権者」の条件に学歴が関係ないことの証左となっている。

 彼らは「病人を厳しく扱ってはいけない」というテーゼに乗じるかたちで高市を擁護する。だが、彼ら自身はこのテーゼを信じているわけではなく、単に高市擁護に利用できるから飛びついているにすぎない。そのことは、自民党が連綿と続けてきた福祉予算の削減に彼らが何も言っていないことからも明らかだ。彼らが病人に心を寄せるのは、その病人が都合のいい権力者であるときに限られる。

 同時に、彼らは批判者の発言も単純化して歪める。批判の内容を読めば明らかなように、批判の要点は高市が病気になったことではなく、それを口実に討論から逃げたことだ。平均的な読解力があれば誤解は生じようもないが、彼らは「バカな有権者」なのでそれができない。彼らのなかでは批判の内実が省みられず、「病人を批判しているから不道徳だ」という過度な単純化による理解しかなされない。

 同様の事例は、高市のオリジンとでも言うべき安倍晋三でも見られる。安倍は第一次政権を放り投げたとき、自身の病気を口実とした。病気自体は事実だったかもしれないが、辞任の主因が病気ではなく政権運営の行き詰まりだったことは明白だった。にもかかわらず、彼は小さなプライドを守るためなのか、病気による無念の自認を演出し、「バカな有権者」はそれを信じた。結果として、この演出と「バカな有権者」の共犯関係は第二次安倍政権誕生を助けた。政権運営が行き詰まってやめた人間が再び首相になることはあり得ないが、病でやむを得ず(笑)辞めた人間なら再チャレンジが許されるからだ。

 結果、「バカな有権者」は憲政史上でもとりわけ愚かな政権の誕生と持続を許した。その結果は御覧の通りだ。

 ちなみに、この記事を書いている最中、高市リウマチ説が仮病であることが暴かれた。確定したと思ってもいいだろう。しかし、現時点で「心ある」(括弧がある、つまり一般的な用法から外れる) 医者たちが仮病を利用したことに怒りを表明している姿は確認できていない。

選挙カーと演説

 次に挙げるのは選挙カーや選挙演説にまつわる議論だ。

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