エプスタインファイルに釣られる自称リベラルに腹を立てたので書いておく
アメリカの汚い金持ちことエプスタイン氏にまつわる事件の資料、通称エプスタインファイルが公開されて色々と話題になっているようですが、どうも、ネットで又聞きした情報を元に「こんなひどい事件があったなんて……」と明後日の方向に集団ヒステリーを起こしている方々が目につきます。
いつものごとく放置していても良かったのですが、流石に陰謀論者が増えすぎていると思ったので、盛大に冷水をぶっかける意味でこの記事を書いています。
あらかじめ断っておきますが、エプスタインと言う人物がカリブ海の私有島で、かなりエグい性犯罪を行っていた。というのはすでに裁判にかけられて有罪が確定しているわけですから、そこを否定する気はありません。金持ちが女遊びをいくらしようと本人の勝手だと思いますけど、人身売買や性犯罪を我々の社会と法は許してはいけないのです。
結局エプスタインは刑務所で不審死(自殺とされているが不審な面多し)といううすぎたねぇドブネズミみたいな死に方をしたわけですが、それはそうとして、島で何が行われていたのかというといまだ不明瞭な点が多く、様々な憶測を呼んでいるわけです。そこで皆さんエプスタインファイルを元に「島では悪魔崇拝が行われていた!」「子供が殺されて食われている!」などの情報で大騒ぎしているわけですが、実際のファイルを見てみると、実はかなり信憑性が怪しい記載なんですよね。
そもそも、皆何を根拠に騒いでるの?
エプスタインのファイルは非常に多く、私も全部見たわけじゃないんですが、「島で子供が殺されて食われているんだ!」みたいな言説っておそらく上のファイルが元だと思うんですよ(他にも似たようなファイルがあるのかもしれませんが)
で、早速読んでみるとこれがめちゃくちゃ怪しい。まず、このファイルは警察内部のメールで、「エプスタインに被害にあった」という人物の聞き取り情報なんですが、私の拙い英語力でも「なんじゃこりゃ???」って思うレベルの内容が書かれています。
メールは何通かあるので、以下時系列順にまとめて日本語訳を記載しますね。
【翻訳】一通目のメール
タイトル:エプスタインの被害者と主張する人物への聞き取り(Interview Of Purported Epstein Victim)
日時:2019年8月28日 水曜日 PM12:00
FROM:■■■■■
TO:■■■■
本文:
■■、2019年8月27日火曜日に、私とSA■■(※Special Agent 特別捜査官のことらしい)は、元FBI 特別捜査官の▲▲とジャーナリストMICHAEL MOORE(映画監督ではない)の紹介によって、JEFFREY EPSTEINの被害者と主張する人物への聞き取りを行った。
その結果を以下に示す。
・12:00、■■■と称する男性がC20オフィスに現れた。
・彼は無職であり、彼の母親と母親の病的に太ったボーイフレンドと一緒に同居していると述べた。
・彼は過去に幻覚キノコ(マジックマッシュルーム)やその他の違法薬物を摂取したことがあり、現在は大麻を吸っていると述べた。
・5歳から22歳まで、大叔父からレイプ(ソドミー)を受けていたことを報告した。
・5歳の時、続いて8歳の時に、親戚が会員となっていた■のヨットクラブでエプスタインと会った時の状況を説明した。
・彼は2000年に■沖の大型ヨットの上で、エプスタインおよびウィリアム・J・クリントン元米大統領からレイプ(ソドミー)を受けたと述べている。
・彼は、2000年の当該ヨット旅行には、現職のトランプ大統領も妻のメラニアを伴って同席していたと述べている。(※トランプは現在の配偶者であるメラニアと2005年まで結婚していなかった)
・エプスタインとクリントンにレイプされている時、重度の薬物状態で意識が朦朧としていたと語っている。
・上記の出来事はすべて、2016年頃にセラピーを始めるまで『抑圧され忘却されていた記憶』であったと述べている。
・男性は、それを裏付ける物証、あるいは目撃者を何一つ提示できなかった。
・私には、彼は情緒不安定に見えたが、薬物やアルコールの影響下にはないように見受けられた。
・現時点において、本件の主張に関して、これ以上の捜査リソースを投入することは推奨されない。
ニューヨーク市警 刑事■■
【コメント】一通目のメールに関して
いや、もうこれ何!?
証言者は、エプスタインにレイプされた。と語っているわけですが、なぜかクリントン元大統領が出てきたり、刑事も注釈で突っ込んでいる様に、2000年にはまだ結婚していなかったメラニア婦人がトランプ大統領と一緒に出てきたり……。
更に過去に薬物疑惑もあり、おまけに2016年にセラピーを受けるまで忘れていた。というのも信憑性が厳しくなります。失礼ですが、俗に言う作られた記憶なんじゃ……。
そりゃ刑事も「これ以上本件への捜査は認められない」みたいなドラマでよく見るみたいな結びをするわけだよなと。
で、これに続くメールがこちら。
【翻訳】二通目のメール
(おそらく一通目のメールに対する補足を引用でつけていると思われる)
日時:2019年8月28日 水曜日 PM12:43
FROM:■■■■■
TO:■■■■
本文:
自称被害者によって明かされた、いくつかの点についても付け加えたいと思います。
・ヨットに乗っている間、彼はアフリカ系アメリカ人の男達が白人のブロンド女達と性行為をしているのを目撃した。女たちは皆、行為中に出血していた。
・彼は儀式の生贄になり、シミター(三日月刀)で両足を切られたが、傷跡は一切残っていないと述べている。
・ヨットの上で、赤ん坊たちがバラバラにされ、腸を取り出され、その腸から出た排泄物を人々が食べているのを目撃したという。
・彼は、ジョージ・ブッシュ元大統領(父親の方)にもレイプされたと述べた。
被害者を名乗る男性は、『True Pundit』の創設者であるマイケル・ムーア氏に付き添われてFBIビルへ行ったことを明かした。複数のオンライン情報源によると、同サイトはFBI悪玉説の陰謀論主導のニュースサイトである。なお、ムーア氏にはFBIの捜査(著作権侵害)による犯罪歴がある。
この件に関してオフィスに電話してきた元FBI捜査官について詳しく知りたかったら、知らせて欲しい。
ありがとう。
【コメント】二通目のメールに関して
補足説明が入って、さらにダメダメになってきました。まず付き添いできたムーア氏なる人物は、右派系陰謀論サイトの運営者だそう。
さらに著作権関係での犯罪暦もあることが明かされています。(わざわざネガキャンしとこ!って感じで情報が追加されているので、メール書いた人も結構キレてますねこれは)
さらにジョージ・ブッシュ元大統領(親父の方)まで出てきて、カオス極まっています。言っちゃ悪いんですが、妄想的というかなんというか……。
で、ここに皆さんが先日から騒いでいた「赤ん坊を殺して腸をすすった」とか「儀式としてシミターで足を切られた(しかし傷跡はない)」の話が来るんですね。この補足説明をつけた人がだれかはわからないんですが、彼らがやってきたのは「元FBI捜査官」の紹介だそうで、ちょっとキレてると思う。わざわざ最後に「聞きたいならそいつの名前教えるで!」みたいなこと言ってるし、出禁にしたいオーラがムンムンします。(出禁にしたほうが良いと思いますよ!)
で、それに対する返信が三通目のメールです。めっちゃシンプル。
【翻訳】三通目のメール
ありがとう。■■。ブッシュまで彼をレイプしていたとは気づかなかったよ。OK。
SSA(監督特別捜査官) ■■
FBI New York
ニュアンスが掴めなかったのでAIを使って色々と表現を調べていたんですが、洋ドラとかでよくある「へぇ、しらなかったな」という皮肉のニュアンスに近いそうで、これでメールは終了です。(捜査打ち切りですね)
で、結局このファイルってなんだったの?
ぶっちゃけた話、「私はエプスタインの被害者だ」と述べる無職の男が、陰謀論サイトの創設者に付き添われて現れ、非現実的な内容を述べているだけに思えます。
特に補足部分になると、お、お前なんか変な薬でもやってるのか……?ってないようなんですが、マジでやっているから迫力あります。
興味深いのが「元FBI捜査官」の紹介でやってきたってことで、なんかその元FBI捜査官も相当陰謀論に毒されてそう。OBが変な方向に行っちゃうって世界的にもよくあることなのかもしれませんね。
ということで、「赤ん坊が殺されている!」みたいな内容をRTしては「こんなひどい事実が!」みたいに真実に目覚めてしまった人は、一旦落ち着いたほうが良いと思います。FBIの偉い人も皮肉を込めてこの件を終わりにしているわけで。
思うんですが、この手の事件ってテレビで大々的に報道されると、どうしてもこういう人たちが出てくるものなんですよね。病的な虚言癖があったり、悪気がなくても、人間の記憶は嘘を付く。証言者は2016年にセミナーをうけることで思い出した。と語っているんですが、もし仮に彼が本当に性的虐待をだれかから受けていたとして、その記憶がとりあえず目についた有名人で上書きされた可能性だってあるわけです。
となると当然こんなファイルを公開すんなよ!と思う方もいらっしゃるかもしれません。そりゃ変なオッサンが語った内容がかかれたメールですから、なんの裏付けもないわけです。でも、捜査の一環として集めた以上、公開するのが私は正しいと思います。そりゃ状況だけみれば信憑性は限りなくゼロでしょう。しかし、先入観にとらわれては行けません。もと薬物やってた無職のオッサンと陰謀論者のコンビの語る話でも、真実を語っていないとは言い切れないわけですから。
こんな変な証言でも集めて精査して、裏を取って真実に迫っていく。きちんと仕事をするということはとても大変なことなんですね。まあ今回は信用できるかと言うとかなり厳しいですが……
そもそも陰謀論界隈でホットな話題
エプスタイン事件、あまりにも陰謀論的というか、陰謀論の元ネタといいますが、汚い金持ちを地で行き過ぎてるわけですけど、この事件は陰謀論界隈ですごく人気がありました。
具体的には、「小児性愛者グループが子供を誘拐して殺しているんだ!トランプ大統領はそれを救う英雄なんだ!」というもので、中には「ワシントンにあるピザ屋の地下で人身売買が行われている!」と意気込んだ正義感だけはあるオッサンが銃をピザ屋で乱射するというピザゲート事件(2016年)なんかも起こったりしてます。残念ながら、そもそもこのピザ屋に地下はなかったわけですが。
これは2016年10月の話で、エプスタインが獄中で死んだのは2019年の8月10日。で上記のメールの証言者が現れたのは2019年の8月27日ですから、元々小児性愛者でサタニストのグループが!みたいな陰謀論があったところに、エプスタインの逮捕と獄中死があり、盛り上がった所で、上記の証言者がFBIにやってきたということになりますね。
時系列的にも、かなり怪しいものです。まあ陰謀論と行っても、トランプ大統領がヨットに登場したりするので、「トランプ大統領は英雄!」みたいな話ではないみたいですが。
人は信じたいものを信じる
以上、「赤ん坊が殺されて食われている!」みたいな内容って、これのことだとしたら、荒唐無稽だし、釣られているだけなんじゃないの?という話をしたかったわけですが、わざわざこんなのを書いたのは、どうも自称リベラルの皆さんがこぞって釣られているのを見て危機感を覚えたからです。
ここまでの内容を読めば流石におかしい話だなと気がつくのかもしれませんが、恣意的に(それもPV数が伸びるように)切り抜かれた情報の受け売りだと気が付かない人もいると思うんですよ。
元ネタに当たることもなく、聞いただけの内容で、憤ったり怒ったりしてもアルゴリズムの奴隷になるだけだと思うんですが、ピザゲートの時は陰謀論と笑って片付けられたような内容も、いざトランプ大統領の不正を暴く!みたいな話になると、途端にころっと騙されてしまう。
正直な所、私はリベラルといいながら抑圧的だったり、フェミニストと言いながら、統一教会のデマを真に受けて差別的な言動をしたりする人に非常に腹を立てているので、彼らが周回遅れの陰謀論に突っ込んでいくのは、「この人らって立場が変わればピザ屋で銃を乱射するようなレベルだもんなぁ」と半ば納得してしまうような所もあるのですが、それにしたって、あまりにもレベルが低すぎて私は悲しいですよ。
リベラルのアンチみたいなこと言っているように聞こえるでしょうけど、どっちかというと、右翼界隈はもう手遅れなので、まだ陰謀論に毒されないでいて欲しいという思いが強いんです。
せめてこう、もっと元ネタに当たるとか、SNSの書き込みじゃなくて署名付きの記事に当たるとかしてくれないかなぁ……。
大体、今回の文章の開示だってトランプ大統領の命令によるものですからね。まあ本人は開示します、開示しますって言っときながら、いざとなると渋って大ブーイングだったわけですが。(どうも、トランプ本人は関係なくても、知人に関わりのある人がいることが分かった説あります)
まああれだけ自信満々に開示しますと言っていたということは、当然、本人に不利な内容もでてくるわけなくない?なんて私は思うんですが、ご熱心にトランプ大統領の関与を探そうとする人がどうもあとを絶たないようです。もっともトランプ大統領がアホすぎて自分の関与を忘れているという可能性もあり、困ったことに否定しづらい部分はあります。
冒頭でも断りましたが、エプスタインを擁護したいわけではありませんし、その所業については、実はまだまだ裏があるんじゃないかという疑惑はあります。人身売買はほとんど確定みたいなものですしね……。今回公開されたファイルの中でも、エプスタイン本人が送っているメールの写しなんかは、信憑性が高いでしょう。まあ、プロの捜査官が調べて分からなかったものをインターネットの探偵団が解決できるとは思いませんけど。
ただ、点と点を繋いで想像を働かせてみるのは慎重にやったほうがいいし、いつの間にか脳内でそれを事実にしてしまわないように気をつけたほうがいいと思うんですよ。
まあ色々と書きましたが結論として、人は自分の信じたいものを信じてしまう。ということなんですよね。ぶっちゃけた話、私も時々騙されることがあります。だからこそ、自分が聞いたそれって本当に陰謀論でないと言い切れますか?を常に考えてできる限り元ネタに当たることが大事だと思うんです。
今回ですと「grokに聞いたら〇〇だそうです!」みたいな人がちらほら居たのも深刻度高いと想います。私だってAIのサポートを得ていますが、それは原文を一対一で検証した上での話であって、「全部AIに聞いて判断してもらうんだったら、もうAIさんところの子供になっちゃいなさい!」と嫌味の一つも言いたくなります。
例えば私が今日紹介したファイルが本当に実在するものなのか、リンクを開いてみた人ってどれくらいいるものなんでしょうか?そういうところから疑っていくのがこれからの世の中で身を守っていくことになると思うんですよね。ぜひ、ファイルを開いて確認してみましょう。そのひと手間が明日の君を救うのだ!以上です。
(2026/2/4 メールのキャプチャ画像追加。また一部誤字を修正)



「部落差別は解決済み」なんてデマを半世紀は続けてる日本共産党をマトモに批判出来ないリベラルは手遅れでは。 そういう人達は「リベラル」や「社会主義者」なのかすらも怪しいとは思いますが。
そのリベラル、もう手遅れだと思います。