トップコラム何を「ファースト」とするか【上昇気流】

何を「ファースト」とするか【上昇気流】

 「ファースト」とは「一番、最初の」とか「最優先の」といった意味である。トランプ米大統領の政治スタイルを象徴する表現「アメリカ・ファースト(米国第一)」でおなじみだが、それを国際的波紋もいとわず露骨に実行に移すところがトランプ流たるゆえんだ。

 もともとは19世紀のカトリックの移民排斥から始まったが、その後、第2次世界大戦への米国参入に反対する「アメリカ第一委員会」で広まった政治的スローガンでもある。その背景からしても米国がそう叫ばざるを得なかった時代とも言える。

 日本ではトランプ流にあやかってか、「日本人ファースト」など「〇〇ファースト」が特に選挙時にはトレンドになってきた。前回参院選の参政党の躍進もそれを裏付ける。

 今回の総選挙で、立憲民主党と公明党が合流した中道改革連合は「生活者ファースト」を連呼。「誰もが生活者」(野田佳彦共同代表)となると誰を優先するのかというツッコミも出た。

 先の日本教職員組合(日教組)の教研集会で「日本人ファースト」論への批判と関連して「今の排外主義は、関東大震災の虐殺につながる構造と同じだ」と訴える実践報告があったという(産経1月26日付)。「印象操作」も甚だしいと言えよう。

 不法外国人の増加や軋轢(あつれき)にどう対応するか。それは「共生」とも矛盾しないはずだ。政府がおろそかにしてきた外国人対策は、国民の不満を吸い上げる一方でどうバランスを取るか正念場である。

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