先生だーい好き独占欲マシマシリツちゃんに死ぬほど愛されて逃げられない
私の見た幻覚です。リツの怪力おててに鷲掴みにされたい人のための小説でもあります。
明日はもう実装なので、こういう幻覚書けるのはもう今回限りかもしれません。でも絆で湿度見せてきたりしたら私は泣いて喜びますぜ。
投稿者のX(概念先生の裏話とかあるよ)
https://x.com/hatcha0214
他の世界
女の敵のわるーい先生シリーズnovel/series/12727459
ドSなわるーい先生とナギちゃんシリーズnovel/23467521
わるーい先生とアビドス幸せカルトファミリーnovel/series/13537591
私の生徒解釈(比較的真面目な二次創作)novel/series/12422011
やりたい放題アーカイブ(やりたい放題してる二次創作)novel/series/12541091
コハルが喜ぶやつnovel/series/12682123
短いお話たくさんの掌編アーカイブnovel/series/12705802
ほんわかセミナー&みんなのパパな先生シリーズ
novel/series/13087222
- 97
- 127
- 2,162
日が落ちて間もない、ワイルドハントの学舎の、人気のない外路。
緑の多い、庭園近くの道でのことだ。
私は、蒼い闇に閉ざされたその道を、ただひたすらに駆けていた。
「ハアッ、ハアッ、ハアッ……」
走りすぎて酸欠気味だった。
視界がぼやけている。路地の地べたも校舎の壁も、だんだんと蒼が薄まって、不吉な灰色に近づいていた。
でも、あと少しなんだ。
あと少し。
あと少しでミヨのところまで行ける。
そうすれば……。
「……ハアッ……うッ……ゴホッ」
くらくらする。
だめだ、もう走れない。
走った甲斐もあってか、あの子の気配は感じない。
そして、魔法みたいに丁度いい隠れ場所が、私の目に飛び込んできた。
草垣と草垣との隙間の、濃い陰。幅はおよそ1メートルほどだろうか。まるで私が隠れるためだけにあるような、そんは場所だ。
もう肺が痛くなっていた。
十秒、いや五秒だけでも息を整えたかった。
「……うっ、ゲホッ……」
私は垣根の間に前傾姿勢で滑り込み、半ば倒れるような勢いで地べたに這いつくばった。
「ゲホッ、ゲホッ!……すーっ。……はーっ。……ふう、、ふう……」
ようやく、少しばかり肺を休ませることができた。
冷たい空気が、熱された肺へと送られる。
心が、少し和らいだ。
…………。
……よし、もう行かないと。
そう思って振り返ると、朗らかな笑顔を浮かべるリツが、道の真ん中に立っていた。
両手を後ろに隠したかわいらしいポーズで、私を見つめている。
「……みーつっけた」
彼女は蒼い夕闇から、私のいる暗闇へと笑みを向けている。
どういうわけだか、ぞっとはしなかった。
代わりに、灰色の無が心を侵食してきた。心をやすりで削られているような気分だった。
「袋のネズミだねー?もちろん、ネズミは先生」
私は後ずさった。
奥行きはせいぜい3歩。
すぐ、壁に背中がついた。
もう逃げられない。
リツは芝生を踏みしめて、草垣の隙間の闇に入ってくる。
その顔は、影に塗られて見えなくなった。
残るのは気配と……淡々とした、迫りくる足音だけ。
一歩。
一歩。
「先生。静かに……だよ?」
不意に、本当にすぐ目の前から、声がした。
体温すら感じられるほど間近に、リツはいた。
……遠くから足音が、他人事みたいに聞こえてきた。
道を誰かが歩いている。
二人組だ。
「……で。依頼が……リッちゃんにも後で……」
「はいはい。……プロット……」
この声は間違いない。
私とリツが垣の隙間にいることなど露と知らない、ミヨとフユだ。
……嫌な風が吹いている。
草垣と、辺りの木々の葉が揺らされて、ざわざわ音を立てている。
駄目だ。
私がリツに屈しては駄目だ。今助けを呼ばないと、もう逃げられない。
助けを呼ばないと……と思って息を吸い込んだ瞬間。
リツの小さな掌が、私の口元を抑えつけた。
私の頬に、少しだけ、爪が食い込まされた。
心臓がばくばく鳴って、顔がじわりと熱くなってくる。
緊張のあまり、吐き気もこみ上げてきた。
「……先生?……顔、ゆで卵みたいに潰されたくないよね?」
リツは淡々とそう告げてくる。
足ががくがく震える。
身体が言うことを聞かない。金縛りに遭ったかのようだ。
……気がつけば、ミヨとフユはすっかり通り過ぎていた。
「……ごめんね?先生、こんなことして」
リツは、どこか冷たい調子でそう言うと、私の口元をがっしり掴んだまま押し、私に無理やり膝をつかせた。
時間の経過で、ますます暗くなっていた。
もはやリツの姿は、シルエットすら全く見えない。
相変わらず、草葉が風で騒がしく鳴っている。ざわざわした音が不気味で、ひどく不快に思えた。
「……ねえ?先生。もう声出していいんだよ?……だからさ、答えてよ。……ミヨちゃんと会うのは、楽しい?」
身体が動かない。
意思を示さなきゃいけないというのは、わかっている。でも、頭が働かない。
ただ、食い込まされる爪の感触が恐ろしかった。
ぎりぎりと万力のように、少しずつ私の顔への圧は強くなる。
「……ごめんね?楽しいに決まってるのに、変なこと聞いちゃったねー。……ボクはね?先生が、会いに来てくれる度に、ほんとに幸せだったんだよー?」
リツはくすくす笑った。
しかし、不意に低くて冷たい声色に変わり、ぐいと私の頭を側に引き寄せ、囁いた。
「ボク、すっごくモヤモヤしたんだー。……何してたか知らないけどさあ、ミヨちゃん、お顔真っ赤にしちゃってたよねー。……ボク、あんな場面見せられて、それから、先生はボクと会うこと減っちゃって。でもミヨちゃんと先生は……ね?」
リツの左手が、私の側頭の髪の毛を引っ掴んだ。
「……ボクの頭、ぱーんってなりそうだったよ?ぜんぜん眠れなくなっちゃったし。……ねえ。想像してよ。いつも一緒に過ごしに来てくれる大好きな人がさあ、急にあんまり来てくれなくなっちゃって。そしてルームメイトは寝言で、『先生、先生』って、熱に浮かされたみたいに呟くようになって。……ねえ。……ボクの胸がね、ノミとハンマーで、ガンガン叩かれて、削られて、血が出て痛くて苦しくて病んで吐きそうで切なくて、嫌で、嫌で、嫌で、嫌で、嫌で、……あはっ。あは」
二つの掌が、私の頭を少しずつ加圧する。
リツの息遣いが荒くなり、語気も強くなり始めた。
「……先生。好きだよ。好き。好き。好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き。今ボクね、頑張って力抑えてるんだよ?先生が好きで、好きで。でも好きとおんなじぐらい、憎いんだよ?ボク、長い事ちゃんと眠れてないんだ。授業もダメダメになって、成績も下がっちゃった。ねえ?痛いよね?ボクも、痛かった。先生も痛い?ごめんね、こんなことしてごめんね?」
リツは私の頭を掴んだまま、ゆっくりと位置を調整し、後頭部を地面につけさせてきた。もう、されるがままだった。
リツは、私の腹に跨った。
頭を掴むのはやめていた。もう十分に、私に恐怖が刻まれていたからだろう。
「……ボク、いっぱい苦しんだから。心が、先生に彫刻されちゃったんだー。……だからね、先生」
暗闇の中、小さな手が私の頬を撫ぜる。
「……先生にも、同じようにしてやるから」
リツの、舌なめずりの音が聞こえた。
クローズアップする描写が緊迫感をいや増す・・・ でも実際生徒たちの心に大きな爪痕を残しといて「責任」とれ!って言われたらどうするんでしょうね…