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第10回オモイカネ杯振り返り&自作問題と「IAR」の解説。

宇宙に喜び多からんと書いて宇喜多・W・要出です。記念すべき第10回のオモイカネ杯、お疲れ様でした!以下、第10回大会のネタバレ注意。

私の結果は……11人中9位! 下から数えたほうが早い! 一度は1位タイにまで並びました。まぁ、それだってキャッチアップチャンスを使ったのが早かったからってだけですからね……でも、夢を見させてもらいました。やっぱりクイズっていいもんですね。 

さて今回私が出した問題はこちら。

ウィキペディアにはIARという方針があります。
ウィキペディアに自由を確保するための、究極の方針です。
あまりに過激すぎて、日本語版ウィキペディアでは正式採用が見送られています。
Aはオール、Rはルールズの頭文字です。
ではIは何の頭文字でしょう?

答え:Ignore

こたえはIgnore(無視する)。IARは「ルール全てを無視しなさい」と訳されます。

このルールについて語るには、ウィキペディアの成り立ちからはなし始めなければなりません。サム8みたいね。

ジミー・ウェールズとラリー・サンガー

むっちゃ短縮すると、ウィキペディアを作ったのはジミー・ウェールズ(以下「ジンボ」。公式のあだ名。)とラリー・サンガーです。私たちウィキペディアンにとってのジミー・ウェールズとは、iPhoneユーザにとってのスティーブ・ジョブズにも等しい存在です。しかも生きている!

サンガーの功績だっていろいろあります。Wikipediaの名付け親だったり、「中立的な観点」の元となる「lack of bias(偏向を欠如させる)」を考案したりなどです。

今でこそ数多のルールがあるウィキペディアでも、立ち上げ当初はルールなど碌すっぽありませんでした。人が集まって共同作業をする中で致し方なくできていくのがルールってもんです。

IARが生まれたのはウィキペディアにルールが生まれ始めたのとほぼ同時です。言い出したのはサンガー。あくまで「ルールの丸暗記なんかやんなくていいよ。」というためだけの文言でした。確かにその通りです。道交法を丸暗記していないにもかかわらず、私たちは往来を飛び回っています。

やがてジンボとサンガーは喧嘩別れします。この喧嘩別れもこれだけで一本の動画になりうるくらい興味深いんですよ。おおよそ明治六年の政変みたいなことが起きたと理解してください(ただしその理解は正しくない。)。

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西郷「もういいよ!私、政府やめる!」大久保「たかちゃん!?」

西郷隆盛はこの後、西南戦争を起こしました。サンガーはこの後、ウィキペディアに批判的な意見を言うようになった……といえばいいのか、もう少しいうと、ウィキペディアに文句を言う際に最強の立場を得ました。大抵のメディアがウィキペディアを攻撃するときに、あるいはジンボを攻撃するときに、サンガーを呼ぶのです。

IARはその後どうなったでしょうか。「ルール全てを無視しなさい」なんてルールがあったらどうなるでしょうか。おそらく皆様のご想像の通りです。自分の都合の悪いルールに対して、消しゴムよろしく使うようになっていきました。

サンガーは、自らが提唱したルールに対して、自ら批判しました。むしろ批判しない方が不義理でしょう。彼はこのように述べています。IARは皮肉であり、私(サンガー)側の「完全なミス」であり、今やルールの施行を妨げている、と。「憲章」のようなものが役立っただろうに、と。

一方でジンボは、もう18年も前になりますが、"IAR is policy, always has been"と述べています。

日本語版では

さて、日本語版ではIARはまだ正式採用されていません。理由は問題文にも書いた通りです。過激です。ただでさえウィキペディアの既存のルールの徹底がままならない日本語版ウィキペディアです。ウィキペディアのルールが外部に理解してもらえている、とは言い難い状況です。そこへもってきて、「無視もアリ」となったらまぁ目も当てられません。宇喜多さんは導入反対派です。とはいえややハト派。

[[Wikipedia:ルールすべてを無視しなさい]]というページそのものは2274バイトしかありません。そしてその議論ページ、[[Wikipedia‐ノート:ルールすべてを無視しなさい]]はなんと、6万バイトくらいあります。しかも過去ログを合わせれば10万バイトを優に超えます。

4年か5年かするたびに、「そろそろIAR導入しませんか?」という議論が巻き起こります。そしてそのたびに、「今はまだ、潮が満ちてはおらぬ」と棄却される。なんてことが繰り返されています。自由が大事なのかルールが大事なのか、ず~~~っと議論しています。IARに限らず、ウィキペディアのあちこちでね。

そして、百花斉放このように議論を続けるということそのものが、ウィキペディアにおいて一番大事なことなのではないか、と宇喜多さんは主張します。

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