任天堂の3Q、営業利益が市場予想届かず-スイッチ2は「健闘」
- スイッチ2好発進の陰で利益率に懸念、コスト管理が今後の焦点に
- スイッチ2販売は12月末に1500万台、過去最速ペース
任天堂が発表した2025年10-12月期(第3四半期)営業利益は、前年同期比23%増の1552億円となったが、アナリストの予想平均1807億円には届かなかった。家庭用ゲーム機「スイッチ2」の初の年末商戦は及第点との声が上がる半面、メモリー価格の高騰が利益率に与える影響に懸念が高まっている。
発表資料によると、スイッチ2の昨年10-12月期(第3四半期)のハード販売は701万台と市場予想の647万台を上回った。12月第4週までに累計販売1500万台を達成したのは過去最速ペースだという。
一方、今期の販売計画はハード1900万台、ソフト4800万本を据え置いた。初代スイッチもハード400万台、ソフト1億2500万本を据え置いた。
モーニングスターの伊藤和典ディレクターは、第3四半期にスイッチとスイッチ2の販売が合計837万台となったことについて、「スイッチ2の専用ソフトや自社制作ソフトのラインアップの弱さを考えれば十分考えられる結果」だと分析。その上で、現在の株価にはある程度織り込み済みだとの見方を示した。
サンフォード・C・バーンスタインのアナリスト、ロビン・チュー氏も、ハードが市場の予想を上回ったことについて、「エコシステム全体としては、まずまずうまく回っている」と評価した。一方で、営業利益が市場予想を下回った点については、費用増によるものだと分析した。
利益率は低下
スイッチ2の年末商戦は健闘したとの声が上がるが、さらなる普及拡大に向けては課題も見える。東洋証券アナリストの安田秀樹氏は、日本ではスイッチ2を戦略価格で売っているため販売は絶好調だとしながら、「製品ミックスが悪くなって利益を押し下げた」と分析する。
同氏は、日本での売り上げが他の地域に比べ伸びたことと、トランプ政権による関税政策の影響などで原価率が悪化したことが利益率を押し下げる要因になったと指摘。「部品価格高騰の懸念などもあり、改めてコストをどうコントロールしていくかが注目だ」と述べた。
需給逼迫による半導体価格の高騰は、今後、任天堂を含めたメーカーの製造コスト上昇につながり、価格転嫁へのリスクが高まる。
ブルームバーグが入手した会見の記録によると、任天堂の古川俊太郎社長は3日に開いたアナリスト向け説明会で、足下のメモリー価格の高騰について、今期中はほとんど影響がないと説明。
ただ来期以降、想定以上に価格高騰が長期化した場合、収益を圧迫する可能性があるとした上で、市場の動向を見極めながら対応策を検討したいと説明した。
発言について任天堂に問い合わせたが、現時点で回答を得られていない。
この点について、モーニングスターの伊藤氏は、メモリー価格の影響が出るのは来年度以降との見方を示し、「ある程度長期契約で調達していると想定すると、粗利が悪化してもハード価格は値上げしないのではないか」と予想した。
任天堂は、今期末の前提為替レートを1ドル140円から150円に、1ユーロ160円を170円に変更した。今後は、4月に映画「ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー」の劇場公開を控え、新たなスイッチユーザーを掘り起こす契機になりそうだ。
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