清川村はニホンオオカミの遺物を周知しようと、頭骨などのレプリカと復元画を作成した。2月14日にお披露目し、帝京大学の植月学教授の講演会「丹沢周辺における人と狼(おおかみ)の関わりの歴史」を開催する。イベントへ向け、ニホンオオカミを約30年にわたって取材する映像プロデューサーの松尾知明さんに、最新の研究成果やオオカミ信仰などを解説してもらう。
清川村で昨年、新たな村の重要文化財が指定された。120年以上前に絶滅したとされるニホンオオカミの頭骨などだ。その数7個。一地域で発見された数としては、最多である。貴重な遺物がなぜ一つの村にまとまって残されていたのか。謎をひもとくため、あらためてニホンオオカミの姿と日本人との関わりに迫る。
日本動物学史上の謎
ニホンオオカミとはどんな生き物だったのか。実は生きた姿の写真や映像がなく、残された6体の剝製も姿はバラバラ。長らく「日本動物学史上最大のミステリー」とされていた。
そこで、歴史や分類、解剖、生態、遺伝子学など各分野のエビデンス(科学的根拠)を多角的に検証し、昨今目覚ましい人工知能(AI)の力を借りて、筆者が所属する映像制作会社「ゼロステーション」(東京都千代田区)がその姿を再現した。
制作に当たっては、国内外の骨格や毛皮などの資料を基に、動物学者の今泉忠明氏、欧米オオカミの生態を研究する長野大学の角田裕志准教授らの監修・科学的なファクトチェックの下、CG制作の「フィジカルアイ」(愛媛県今治市)に依頼した。
ニホンオオカミは体長95~115センチ、体高40~60センチ、体重15~20キロ。全身骨格から「世界で2番目に小さなオオカミ」とされ、欧米のオオカミよりかなり小柄だ。特徴は胴長短足で尾も短いこと。その体形は日本人の体格にも通じるようだ。