この章では、WebメールソフトウェアのRainloopを設定するとともに、基本的な使い方を説明します。
Webメール
WebメールはWebアプリケーションの電子メールクライアントで、実装には次のようなものがあります。
ちなみにPCにインストールしてネイティブで動く電子メールクライアントには次のようなものがありますね。こちらはWebメールよりも馴染みがあるのではないでしょうか。
本章ではWebメールソフトウェアのRainloopを扱います。
Rainloop
それではRainloopをインストールして動かしてみましょう。
PHPと拡張機能のインストール
はじめにRainloopの要件にあわせて、PHPと拡張機能のパッケージをインストールします。
sudo apt install php php-curl php-xml php-json
ここでRainloopを動かすWebサーバーには、インストール済みのApacheを使うことにします。
Rainloopのインストール
続いてRainloopをインストールします。
インストールはRainLoopのアーカイブを取得してサーバー上に展開し、パーミッション等を調整すればOKです。まず次のようにして展開し、[1]
wget https://www.rainloop.net/repository/webmail/rainloop-latest.zip
sudo mkdir /var/www/rainloop
sudo unzip rainloop-latest.zip -d /var/www/rainloop
さらに次のようにパーミッションとインストールディレクトリの所有者を変更します。
cd /var/www/rainloop/
sudo find . -type d -exec chmod 755 {} \;
sudo find . -type f -exec chmod 644 {} \;
sudo chown -R www-data:www-data .
これでインストールは完了です。
Apacheの設定変更
Apacheの設定を変更し、WebアプリケーションとしてRainloopが動くようにしましょう。
まずApacheの設定ファイル /etc/apache2/sites-available/mysite-ssl.conf に次のような変更を加えます。
<VirtualHost *:443>
中略
+ Alias /rainloop "/var/www/rainloop"
+ <Location /rainloop>
+ Order deny,allow
+ Deny from all
+ Allow from 192.168.0.0/24
+ </Location>
</VirtualHost>
それから sudo systemctl restart apache2.service でAapacheを再起動してください。
これでブラウザから https://sv1.example.com/rainloop にアクセスできるようになりました。
Rainloopの初期設定と動作確認
Rainloopの初期設定と動作確認を行いましょう。
初期設定
ブラウザから https://sv1.example.com/rainloop/?admin にアクセスして、デフォルトの管理者ユーザー名とパスワードでログインします。[2]
Rainloopに管理者ユーザーでログイン
ログインするとAdmin Panelという画面が表示されるはずです。
インターフェースの設定
まずAdmin Panelの左側にあるカテゴリでGeneralを選び、InterfaceというグループのLanguageを「English」から「日本語」に変更すると良いでしょう。
また、ユースケースに応じてチェックボックスのチェックを変更するのも良いかと思います。参考までに私の例を下図に示します。
Rainloopの管理画面、全般設定の様子
続いて警告を解消するために管理者パスワードとデータフォルダの設定を変更しましょう。
管理者パスワードの変更
管理画面のカテゴリでセキュリティを選び、管理者ユーザー名とパスワードを変更してください。
Rainloopの管理画面、セキュリティ設定の様子
データフォルダのパーミッション変更
Rainloopのデータフォルダにインターネットからアクセスできないように設定します。
Apacheの設定ファイルに次の変更を加えます。
<VirtualHost *:443>
中略
Alias /rainloop "/var/www/rainloop"
<Location /rainloop>
Order deny,allow
Deny from all
Allow from 192.168.0.0/24
</Location>
+
+ <Location /rainloop/data>
+ Order deny,allow
+ Deny from all
+ </Location>
</VirtualHost>
再度 sudo systemctl restart apache2.service でAapacheを再起動してください。
ブラウザで管理画面をリロードすると、警告メッセージが消えるはずです。
ドメインの追加
初期設定の最後にドメインを追加します。
最初に管理画面のカテゴリでドメインを選び、不要なドメインを削除しましょう。[3]
それから下図のような感じで構築したメールサーバーを参照するようにドメインを追加します。ダイアログの左下にあるボタンで接続テストを実行し、IMAPとSMTPの接続に成功することを確認しておくと安心です。[4]
Rainloopの管理画面、ドメイン設定のダイアログで新しいドメインを追加する様子
以上で初期設定は終わりです。
動作確認
一般ユーザーでRainloopによるメールの送受信ができることを確認しましょう。
ブラウザから https://sv1.example.com/rainloop/ にアクセスし、LDAPサーバーに登録したテストユーザーのメールアドレスとパスワードでログインした後、外部とメールのやり取りができればOKです。[5]
使い方はGmailなどのWebメールサービスと似たような感じなので詳細は省略します。
参考資料
-
unzipコマンドがない時は、先にsudo apt install unzipを実行してください。 ↩︎ -
デフォルトの管理者ユーザー名は
admin、パスワードは12345です。変更しましょう。 ↩︎ -
私はデフォルトで追加される
gmail.comoutlook.comqq.comyahoo.comをすべて削除しましたが、削除したくなければ残しておいても良いと思います。 ↩︎ -
接続テストに成功するとIMAPとSMTPの文字色が緑に変わります。 ↩︎
-
URLが
https://sv1.example.com/rainloop/で、管理画面の時とは違うことに注意します。 ↩︎