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オモイアイ/Novel by 廣嵜 ユカ

オモイアイ

6,360 character(s)12 mins

お久しぶりです。
ノアユウを書いたけど1作目を超えることも並ぶことも出来ないくらいの駄文で諦めた廣嵜ユカです。
もちろん出すようには努力します。
ということで今回は女先生×カヨコの純愛です。
今回もなかなかに重たい感じになってます。
今回も誤字脱字、解釈の不一致が発生する場合があります。
ご了承ください。
あ、それと似た者姉妹が100いいね突破しました。
本当にありがとうございます。
それでは、また今度。

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え?君って女の子好きなの?


私は、私の中の普通を貫きたかった。

ねぇ…お願い…普通の女の子になってよ…


いつも疑問に思っていた。

ごめんなさい。あなたと関わると私もいじめられちゃうから


なんで物語に書かれているプリンセスの隣は毎回王子様なのか。

こいつレズなんだってw気持ち悪。


子供の頃に見た絵本に感じていた疑問だった。

気持ち悪いから近寄らないでくれる?


そんな疑問を持つ私は、友達や家族に爪弾きにされていた。
周りから見たら少数派なのも認めるし、変わっていることも分かる。
でも考えれば考えるほどみんなの普通・当たり前が何なのかが分からなくなっていた。
でも分かったことは自我を殺せば周りが求めている自分になれるということ。

ある日からシャーレに先生として着任することになった。
様々な生徒が居て忙しくも楽しい日々を送っている。
何より、嫌われることが無くなったから。
それが何より大きい。
生徒は、私を頼ってくれている。
向こうの世界では、考えられないことだったから。

「ふぇ?!もうこんな時間なんだ…これ今日中に終わるかな…」
小さく独り言を呟いてみる。
もちろん執務室には、誰も居らず返事が返ってくるわけが無い。
仕事の一区切りがつきコンビニへ向かう。

夜のコンビニということもあり、人は店員以外誰もいなかった。
店内を一巡し、ホットミルクコーヒーを手にレジへと向かう。
ついでにコンビニスナックの小さい唐揚げのパックを1パック買った。
コンビニスナックとホットミルクコーヒーを買って屋上に向かう。
屋上は、少し風が吹いていた。
柵の方に寄りかかり景色を見ながらコンビニで買ったものを食べるのがココ最近のマイブーム。
ほんの少しだけ冷めたコンビニスナックを口の中にほおりこむ。
コンビニスナック特有の油っぽさが口に残る。
口の中に物が無くなった後にコーヒーを1口飲む。
「やっぱりこれだねぇ。」
また独り言を零す。
この一人の時間が堪らなく好きだった。
だって自分の気持ちを押し殺す必要のない時間だから。
この時間だけは、自分を殺さずに済むから。
そうして、外の景色を何も考えずにボーっと眺める。
数秒後には、とある生徒のことを考えてしまう。
ちょっと前なら、そんなこと無かった。
いや向こうの世界でも、似たような経験を2回したけど殆どが、嫌われていたのでそれ以降は発展は無いし少しトラウマ気味でもある。
だけど、人というのは、過ちを繰り返すものってどこかで見たことがある。
それが今なんだと感じる。

ポケットの中に手を入れてとあるものを出した。
取り出したのは、向こうの世界で使っていたスマホ。
今でも写真を撮ったりと様々なことに使っている。
スマホの写真フォルダを開き、写真を眺める。
そこには、カヨコが猫と戯れている所や後ろ姿などを隠れて撮った写真が画面に表示されていた。
私のお気に入りの写真達。
最初こそ、生徒の成長記録としてのものだったのに、今では、満たされることのない、欲を満たすためのものに成り代わってしまった。

私、先生は、生徒であるカヨコに好意を抱いてしまった。
好意を抱いたのは、出会った時だった。
完全な一目惚れだった。
一目惚れしたその日からカヨコの好きな所が増えていった。
優しく包み込んでくれそうな雰囲気、安心感のある声、ずっと一緒にいたくなるような性格。
カヨコの全てが好きだった。
ここまで好きになるのも、人生で初めてだった。
生徒と恋愛的関わりを持つことは御法度という事も理解してる。
付き合ってもカヨコを傷つけてしまう。
なら、この気持ちは心にしまうのがいい。
その方が、お互いの為だから。
大きくため息を吐きながら、スマホの画面を暗くしてポケットにしまう。
残っていたコンビニスナックを食べて、コーヒーで流し込む。
ゴミをレジ袋の中に入れ再び景色を堪能する。

"いい景色だね先生"
声のする方へ振り向くとそこには、さっきの写真の被写体であるカヨコがいた。
少し動揺しながらもカヨコに言葉を返す。
「でしょ?私のお気に入りの場所なんだよね」
"そっか。肌寒いけど気持ちがスッキリするね。"
カヨコに気になった単純な疑問をぶつける。
「こんな時間にどうしたの?」
"依頼の調査が終わって通りかかったから寄ってみただけ。"
「なるほどねぇ…」
こうやって何となくでシャーレに寄ってくれる。
その事実だけで心音の、間隔が狭まる。
"ねぇ先生"
「どしたの?」
カヨコが私の方へ向く。
"先生ってさ恋とかした事あるの?"
カヨコからの想定外の質問に驚く。
「こ、恋?うーん…した事ないかなぁ。元々あんまりそういうの興味が無いから。」
嘘。
恋なら今している。
無意識の自分を守るための防御反応が出た。
その反応が、後悔や心の痛みを増幅させるとわかっているのに。
"そうなんだ。"
カヨコは、景色の方へ視線を戻した。
「カヨコはどうなの?」
私だって恋愛事情を知りたい。
好きな人のことなら一入に。
"…現在進行形ってやつかな"
ドキッという音が体内に響く。
「おぉ。恋する乙女だねぇ。どんな子なの?」
自分を好いてくれているという天から垂れる蜘蛛の糸の如き希望を求めながら話を振る。
"普段ふわふわしてるんだけど、かっこいい所もあって自分のことを後回しにしてでも、人には、一生懸命尽くそうとするそんな人かな。"
聞けば聞くほど、心が痛くなる。
風がやけに冷たかった。
カヨコの話してくれた内容は私の雰囲気ではなかった。
もし仮に私だとしても、付き合っても幻滅される。
みんなが好きなのは、先生の私であり、私自身では無い。
そんな傷を負うならいっその事嫌われた方が幸せになると思う。
「そっか…その人と結ばれるといいね」
結ばれて欲しくない。
私と、一緒に居て欲しい。
そんな自分勝手で、好きな人を不幸にしてはいけない。
心にあるドス黒いなにかが広がっていく。
少し、呼吸が苦しくなる。
「さーてさて仕事に戻りますかぁ!」
景色に背を向け扉の方へ向かう。
"せっかくだし、仕事手伝う?"
「大丈夫!今やってる仕事は、生徒には見せられないものだからね。」
見られても全く問題ないが、今の私は、軽い病み期に入っていた。
そんな状態の私を見て欲しくない。
醜い姿を見せたくない。
カヨコは、ため息を吐いた後話す。
"わかった。あんまり無理しないでね。"
「もちろん!カヨコも気をつけて帰ってね。」
"うん。ありがとう先生。"
シャーレの執務室のある階でカヨコと別れ、執務室に戻る…
予定だったが、気分が変わった。
私は、徐にシャワー室に歩みを進める。
シャワー室に入るとすぐに備え付けられているI字の剃刀を準備する。
シャワーのある部屋で服の裾をまくり、剃刀を左腕に当てる。
当たるときのゾワゾワ感と、自分の間抜けさ、自分の情けなさに対する怒り。
その2つが溢れ出る。
この行為を始めたときは、恐怖心というものがあったが、今は、慣れてきている。
まだ恐怖は残ってはいるが。
勢いよく剃刀を手前に引っ張る。
摩擦による熱とツーンとくる痛み。
独りよがりの懺悔を痛みによって許しを乞う。
そんな自分勝手な行為にまた自己嫌悪が強くなり、その行為をする言い訳を心の中で何度も唱えながら、痛みを感じていた。
先生という役職は私には、重く不釣り合いで、あまりにも不出来だった。
生徒に教える立場にいる人間が、嫉妬・自己嫌悪・我欲に溺れ、自分を痛めつけることでしかその気持ちを抑えることができない。
要は、生徒と関わる権利すら持ってはいけないタイプの人間。
それが私。
血が滲み出て床にポタりと垂れる。
この景色は、何回みたか覚えていない。
向こうの世界でもやっていたから回数も数える気にはならなかった。
傷から1センチ位ズラしてまた剃刀を当てる。
当てた瞬間不思議と涙が出てきた。
おかしいなぁ。
なんで泣いてるんだろ。
今まで、この行為で泣いたことないのに。
腕はそこまで痛くないのに、雫が零れ落ちる。
やっぱりカヨコが好き。
大好き。
諦めよう、もう考えるのは辞めようと思えば思うほど、好きが強くなっていく。
もう、戻れなくなっていた。
そんな時、昔の記憶が再放送される。

ごめんなさい。私、女の人と付き合うとかマジで無理なんで。


向こうの世界の告白をした時の事を思い出した。
あの頃は、自傷行為なんてものすら知識としてなかった時のことだった。
剃刀が手から落ちる。
もう限界だった。
今まで貯めてきた感情が爆発した。
涙の制御ができなくなっていた。
「ゔゔっ…」
体育座りで唸りながら泣いた。
抑えようとしても声は漏れてしまう。
「もう嫌だ。もう嫌だ。自分嫌い。自分嫌い。」
自分の横髪を鷲掴みにして、額を無理やり膝とくっつける。
痛みで嫌な記憶を無くそうとしたが、こびり付いてなかなか取れない。
こんなことなら私なんて…
そう考えた瞬間だった。
後ろから覆う感覚に襲われた。
"大丈夫。大丈夫。"
声の主は、カヨコだった。
その瞬間血の気がザァーと引いていくのを感じた。
終わった。
先生という立場にいるものが行為をしていることを。
「カ、カヨコ!?なんでここにいるの?!」
"今は、どうでもいいよそんなこと。"
"今だけは、何も気にしないで。"
「何を言って…」
カヨコは、頭を撫で始めた。
"ほら大丈夫だよ。深呼吸しよっか"
カヨコの発言に対して肯定の頷きをする。
"ほら、ゆっくり吸って…ゆっくり吐いて…"
深呼吸をする。
泣いた影響か、しゃっくりが不定期的にくる。
"大丈夫。心配しなくても私は、先生を嫌いにならないから安心して。"
そんな時でもカヨコは、私を撫でてくれた。
さっきまで泣いたせいで、過呼吸気味になっているのでまだ頭が回らない。
だけど、声と温もりが、カヨコがいるんだと分かる。
"仮眠室まで行けそう?"
カヨコからの問いかけに対して首を縦に振る。
そこからカヨコに肩を借りながら仮眠室のベットに横になった。
仮眠室に到着し、ベットに座った。
「迷惑かけてごめんなさい。」
息が整い改めて自分のやっていた、人に見せるべきでないものを見られてしまったという事実が胸に刺さる。
もう嫌われたんだな。
"迷惑だなんて一切思ってないから安心して。"
「ありがとう…ございます…」
仮眠室にある救急箱を取りだしこちらへ戻ってきた。
"消毒するから腕出して"
腕には、今まで隠してた痕が沢山ある。
もう終わってるはずなのに、バレたくない。
今まで隠し通してきた事をだから。
「もう大丈夫だから…あとは自分で出来るから」
カヨコの表情は、怒りでいっぱいになっているのがわかった。
腕を差し出す。
プレッシャーを感じた。
「ごめんなさい…」
消毒をして大きめの絆創膏を貼り、包帯で巻く。
カヨコは、巻き終わった腕をゆっくりと撫でる
"嫌なことあったの?"
もうここから相手も好きになることはないならいっその事嫌われた方が楽だと思い、思い切って話すことにした。
「自分が嫌になった。自分の抱いていた感情とか考えやとかが全部嫌になった。」
"そっか…"
カヨコは、私を正面から抱きしめた。
"嫌だったこと全部私に吐き出していいよ。"
その言葉が、その一言が私の躊躇していたものを後押しした。
「…ごめんなさい。実は…カヨコのことが好きで、だけど、私となんて不釣り合いなんてこともわかってるし、先生が生徒に対して、情を抱くなんて良くないことも理解してるつもり。だけど、諦めることが出来なかったんだよ。」
言葉がスラスラと出てくる。
「どうして嫌いになってくれないの?なんで突き放してくれないの?私、レズなのに…」
涙がまた、ポツリポツリと流れてきた。
カヨコは、反論をする訳でもなくずっと聞いてくれた。
こんな、肥溜めのように汚く、自己嫌悪の塊のような内容でも。
カヨコは、ため息を吐く。
"そんなことで、嫌いになるわけないでしょ…"
「じゃあなんで…」
"はっきり言うけど、私の好きな人は、先生だから。"
「え…」
"私のことを考えてくれて、優しくてかっこよくてだけどちょっと抜けてる先生が好き。"
突然のことが連続で続いて言葉が出なかった。
そんな私に対して言葉を紡ぐ。
"まず、先生がリスカしてるとか、女の人が好きとかそんな事で先生を嫌いになるわけないよ。"
その言葉が、私の溜めていた最後のダムが決壊させた。
「…うあ゛あぁ…がよこぉ…」
涙が一気に溢れ出た。
生徒の前で大きく泣いた。
人生で受け入れられたことがない私を受け入れてくれた。
この時は、先生としての私ではなく私としての私だった。
初めて生徒の前で、こんな私をみせた気がする。
"辛かったよね。大丈夫だから。"
カヨコは強く抱き締めてくれた。
少し痛いくらい。
たけどその痛さも、心地よかった。
今までの痛みとは違った。
リスカの痛みとは比にならない安心感と幸福感。
私が泣いている時もカヨコは背中を優しく叩いてくれたり、さすってくれた。
そのおかげか少し泣く勢いも収まった気がした。
だけど、涙はまだ流れていた。
「ありがとう…本当にありがとう…こんな私を好きになってくれて…」
"先生も、私の事をこんなに考えてくれてて本当に嬉しいよ。"

しばらく無言の時間が流れた。
だけどこの時間は心地よく、最高な時間だった。
呼吸が整い始め、冷静な状態に戻される。
「ねぇ…一緒に寝てくれる?今帰っても夜遅いから危ないし…」
ただの自分の欲に正当性のありそうな理由をつける。
"いいよ。一緒に寝よ。"
「やった…ありがとう。」
人の温もりってこんなに依存性があるものだとは思わなかった。
私を救った薬でもあり、依存性を副作用とする毒でもあった。
座っているベットにカヨコと一緒に入った。
元々1人で使用する想定なのか、2人だと狭く感じる。
だけど、その狭さも苦ではなかった。
お互い向き合って抱き合いながら横になった。
心臓の鼓動が早くなる。
好きな人がこんな近くで見える所にいる。
これ以上の幸せなんてないんじゃないかな。

少し時間が経って疑問が残る。
「そういえば、別れた後って帰らなかったの?」
そう、カヨコとは執務室のある階で別れて階段を降りていく姿も確認した。
だけど今目の前にいる。
カヨコはゆっくりと話す。
"屋上から降りる時の先生。表情があんまり良くないなって思って先生のことだから無理矢理にでも仕事すると思って心配になって戻ってきた。"
どうやら顔に出てしまっていたらしい。
「そんなに顔色悪かったかな…」
“先生が思ってる以上に悪かったよ”
「心配させちゃったよね。ごめんね。」
“気にしなくていいよ。”

夜も更けて良い時間帯になった。
私も、カヨコもウトウトしていた。
寝る前にもう1回確認する。
「ねぇカヨコ。」
“どうしたの?”
「私たち付き合うってことでいいんだよね。」
“そうだよ。”
「やった…えへへ…」
その事実が頬を緩ませる。
もう変な我慢をする必要が無い。
自分に鎖をつける必要が無い。
安心感が…強すぎて…
「Zzz…」

"寝顔可愛い…"

"…これで隠れて私の写真撮る必要も無くなったよね。"

"大好きだよ…先生…"

Comments

  • なましさん

    何度見ても最高…カヨコにドロドロに溶かされたい

    June 17, 2025
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