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今日は女の子の日/Novel by た う

今日は女の子の日

2,706 character(s)5 mins

2作品目にしてやっと色々な技術を手に入れました。

なんだか毎回ツッキーが「お姫様」と言っていて言わせてる作者が恥ずかしいです。

※生理ネタ、女体化を含みます。

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その日僕は、裏庭のベンチで蹲る小さなたんぽぽを見つけた。


今日は女の子の日



「ちょっと。」
「あ、」

そう呟いて顔を上げた日向からはいつもの笑顔は見えず、オレンジ色に似合わない青白い色を持っていた。
彼女の小さな手はお腹の前でぎゅっと握られている。
一向にその姿勢から動かない日向を不思議に思い、近寄ってしゃがみこみ下から顔を覗き込んだ。

「どうしたの。」

その言葉に瞳の奥で動揺が揺らめく。

「具合…悪いの?」

また重ねて問えば今度は少し苦しげに眉をしかめた。
日向は普段体全体をめいっぱい使って感情を伝えている分、苦しみ、悲しみ、困惑などの
変化もわかりやすい。

苦しそう。苦しいのを僕にも伝えて欲しい。
日向の彼氏になってからというもの、彼女の感じていること、見ている世界をより知りたくなってしまった。
きっと少し前の自分は人に深入りする事をめんどくさいと避けていたと思う。いや今も日向以外のことを特に知りたいとは思わないのだが。

「僕には言えない?」

苦しみを共有できていない今、なんだかとても寂しい気がしたのだ。

「あのね」

ぽそっと可愛らしい口が言葉を紡ぐ。
その今にも消え入りそうな声を聞き漏らさないようにと真剣に耳を傾ける。

「お腹が痛くて…」

話している彼女の頬はなんだかほんのりと赤く染っているように感じる。
どこかに照れる要素があっただろうか、と考えながら次の言葉をじっと待つ。

「えっと…血が…」

そう聞いてギョッとする。

「血?!君怪我してるの?」

驚きのままにそう聞くと日向はふるふると首を振った。
その間にも首までもを赤くする日向に少し焦り、少しでも落ち着けばと自分の手を彼女の握りしめられた手に重ねる。
そしてぎゅっと包み込んだ。

「…せ…生理。」

あぁそういう事か。
その名を聞いたのは保健の授業以来だろうか。
うちは男兄弟で、母も目立ってそう言った話をしない人だったため、お腹が痛いという発言からその考えにすぐ繋がることは無かった。

「あぁなるほど。」

そう呟くと日向は僕の手をこれでもかと言うほど強く握り返してきた。

「ちょっと痛いんだけど。」

そう言っていた僕も、日向の赤さにつられ少し赤く染まっていた。かもしれない。

「で、僕はどうしたらいい?」
「今の僕は君に優しくしてあげられるかもしれないよ??お姫様?」

ニヤッと笑い、日向を元気づけようと甘い甘い冗談を添えて。
そう伝えると、カバンの中からポーチをとってきてと要求された。
お腹を撫でてなどという可愛らしいおねだりを少し期待していた僕はなんとも現実的な要求に少しガッカリとしながらもはいはいと言ってポーチを取りに向かう。

カバンの中からポーチを取り出し、日向に渡すとちょっと待っててとトイレのある方向に走っていった。

日向が座っていたベンチの上には赤い血が少し垂れていた。
今の日向がこれを見たらきっともっと落ち込んでしまうだろう。
そう思い、ポケットからティッシュを取り出し、綺麗に拭き取る。
こんな事を絶対前の自分だったらしなかったことだろう。少し潔癖症気味の自分は人の体液など触れなかった。
だがしかしそれが愛する人のものに変わっただけでなんの躊躇いもなく処理できてしまうのだからそんな自分にも驚きが隠せない。
これが世間で言う''恋は盲目''ということなのだろうか。
処理したあとは近くにある水道で手を洗う。
まぁこれは潔癖以前の問題だろう。そこはきちんとわきまえて置かなければならない。

少しして日向が僕のもとへ帰ってきた。

「もう大丈夫。ありがと月島!」

そう言いながら彼女は当たり前かのように僕の足の間にするりと入ってきた。
後ろから抱きしめる形で座っている状態である。

「日向サン?」
「ギュッてしてください!」
「なんで?」
「さっき優しくしてくれるって言った!」
「行ったけど…」
「あっためて?月島?」

こてんと首を傾げながら、大きな瞳で上目遣いという合わせ技をかけてきた日向。
どうやらこいつは僕の理性を引きちぎるのが特技みたいだ。
そんな本能に負けそうな自分を目の前にある愛しいからだを強く抱きしめることで抑える。
いや実際日向の匂いやら触り心地やらで収まってはいないのだけれど。
ご所望通り、昼休みの終わりの鐘がなるまで彼女の体を抱きしめ温め続けた。
耐えたぞ僕。偉い。

その日から日向は女の子の日が来る度、色々な手段で僕に温めて?と甘えに来るようになった。
重くて辛い日もあるようだが、それを1番近くで知れている自分は日向には悪いが優越感があってなんとも嬉しいものだと思っていた。


君のつらさも知りたい。
君のイライラも受け止めるよ。
いつかそれが未来に繋がればいい。
その時も君のとなりは僕であるように。


Comments

  • おみず
    March 5, 2021
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