東京国際映画祭(TIFF)2025…中東関連作品のラインナップ
10月27日から11月5日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座を会場に「第38回東京国際映画祭」が開かれる。10月1日に東京ミッドタウン日比谷で行われた主催者記者会見でラインナップが発表され、中東地域やその周辺を背景に据えた作品計10本が上映されることが分かった。以下、「コンペティション」「アジアの未来」「ウィメンズ・エンパワーメント」の3部門に分け、上映作品を紹介していく。
コンペティション部門
「パレスチナ36」
1936年のパレスチナを舞台に、「アラブの反乱」を軸に物語が展開する歴史叙事詩的ドラマ。イギリス委任統治下という重圧と、民族的覚醒の渦の中で葛藤するアラブ人を描く。蜂起が拡大する中、圧政と抵抗が交錯する群像劇。アンマリー・ジャシル監督作品。
ジャシル監督は、歴史的事件を単なる過去の物語として扱うのではなく、現在のアラブ・パレスチナの状況と響き合う記憶として描こうとする。観客に「歴史の重みを現在とつなぐ視線」を強く意識させる作品といえそうだ。
第38回トロント国際映画祭(TIFF)でのプレミア上映に際しても、監督は「過去を描くことは、現在を問い直すことでもある」と語っており、作品は現在進行形の政治的緊張と常に対話しているように見える。
「アロトピア」(アメリカ映画)
タイトルには、「ユートピア」をもじった造語のような響きがある。だが、アロトピアとは、イラク戦争に派遣される兵士の軍事訓練のために米国内に作られた映画セットのような架空の中東の街。そこで働くイラク系アメリカ人の女優を主人公にした風刺ドラマ。市山尚三・プログラムディレクターによると、「イラク戦争への批判的な視点」が織り込まれているという。
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