イカ墨の微笑…台湾映画『ダブル・ハピネス』に見る伝統儀礼とユーモア
台湾映画『ダブル・ハピネス』(原題「雙囍」)は、華やかな華燭の典を舞台にした作品でありながら、その奥に文化のきしみと人間の複雑な感情を描く。監督は台湾の許承傑。2025年の東京国際映画祭の特集上映「台湾電影ルネッサンス2025」で上映された。
物語は、台湾人のイタリア料理のシェフと香港出身の女性との結婚式を軸に展開する。やがて新郎新婦は、きわめてややこしい状況におちいる。ネタバレになるので、ここでは詳細には立ち入らない。
冒頭のシーンに登場するのが、日本の女優・吉岡里帆で、少し驚かされる。彼女は以前、日本映画『九龍ジェネリックロマンス』という、香港が舞台といえなくもない作品で主演をつとめた。台湾の観客からすれば、その姿に異国の風を感じたかもしれない。ほんの一場面のみの出演だが、作品の主題──異文化が交わることの喜びと戸惑い──を、象徴的に提示する存在なのかも知れない。
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