ラサの風に吹かれた30年越しの旅…稲見圭さんチベット旅行報告会
(サムネイル写真は、今年8月に稲見圭さんが撮影)
かつて学生時代に読んだ藤原新也のルポルタージュ『西蔵放浪』は、異国のようすを知るというよりも、魂の奥を吹き抜ける感覚をおぼえる風を受けるようなインパクトがあった。
それからかなり長い間、チベットという場所は、私にとって「遠い国」になっていたが、数年前に、岩手で新聞記者をしていた頃、やや唐突にチベットと再会することになった。
図書館での調べものの途中だったと記憶している。かつてチベットを目指した日本人のうち二人――西川一三と多田等観――が、どちらも岩手にゆかりのある人物だったことを知ったのだ。西川は、チベットから戻り盛岡で晩年を過ごした人物。作家・沢木耕太郎は彼に長期にわたりインタビューを続け、著書『天空の旅人』として結実した。
多田は秋田県出身だが、チベットから持ち帰った経典を、戦時中の疎開先だった花巻の光徳寺へ納めた。花巻の博物館では定期的に、多田の遺物の展示を行っている。
西川、多田両氏ら、チベットを目指した日本人たちの足跡について全体像を丹念にたどった労作が、『チベットと日本の百年』(新宿書房)である。
この本は、明治から現代に至るまで、宗教・探検・文化交流など多様な動機でチベットを訪れた日本人たちの百年の軌跡を描き出したものだ。西川一三の秘境行や、多田等観の仏典研究をはじめ、戦前から戦後にかけてチベットと関わった人々の生と思想が浮かび上がる。
関心のある方にはぜひ読んでもらいたい。
異国チベットと、私の郷里・岩手を結ぶこの二人の足跡に、私は不思議な縁を感じた。岩手がかつて「日本のチベット」と呼ばれたという事実については、ここでは深入りしないが、チベットをめぐる私の関心事のひとつである。
そしてこの8月、チベットを歩いたのが稲見圭さん(国会議員秘書)。当時は面識がなかったが、私の大学の同級生。学生時代、アジア横断の旅で果たせなかったチベット行きという長年の念願を、ようやくこの夏にかなえた。その体験を聞く報告会を開催することにした。
稲見さんの旅は、西寧から始まった。青蔵鉄道でラサへ向かった。ラサ滞在中は、ポタラ宮殿やジョカン寺、ノルブ・リンカ、西蔵博物館を巡り、薬王山からラサ市街を望んだという。ガンデン寺では、ツェ村からツェルグンタン寺まで約1時間のトレッキング。チベット族の民家ではモモづくりにも挑戦した。その後はツェタンへ。サムイエ・ゴンパやユムブラカンを巡り、ヤムドク湖、ギャンツェ・ゾン、そしてシガツェのタシルンポ寺へ。
チベットの宗教と風土が交錯する道のりで、稲見さんはチベットという土地を全身で感じ取ったに違いない。
【報告会概要】
日時:11月15日(土)14:00~
会場:さいたま新都心駅直結の会議室
話し手:稲見 圭 氏(国会議員秘書。2025年8月にチベットを旅行)
聞き手:カフェバグダッド(久保)
参加費:無料(ソフトドリンク持ち込み自由)
参加希望の方は、
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