1杯のトルココーヒーで旅する…中東のカフェの時間を東京で
コーヒーの香りをかぎながら、歴史を思い浮かべる人はそう多くない。
けれど、トルココーヒーを口にするときだけは、なぜか「コーヒー文化の始まり」を感じるときがある。
それは、この飲み方があまりに素朴だからだ。
粉を煮立て、フィルターを通さず、沈殿を避けながら上澄みをすする。
その原初的な手順には、世界でカフェ文化が始まった16世紀の中東の香りが生きている。
銅鍋の中の時間
イスタンブールの街角では、いまも銅製の小鍋「ジェズベ」や「イブリーク」を火にかけたり熱い砂の上で熱したりして煮立てる屋台が出ている。
家庭でもカフェでも、作り方は変わらない。粉と水を鍋に入れ、静かに泡が立つまで待つ。この「待つ時間」こそ、トルコ語で言うケイフ(keyif)——
「何でもないひとときを幸せに感じる感性」そのものだ。
マシンがいれる「現代のケイフ」
そんな伝統の国トルコにも、近年「トルココーヒーメーカー」が普及している。私が使っているのは「OKKA」というブランドのもの。水を注ぎ、粉を入れ、ボタンを押せば、数分で本格的なトルココーヒーが2杯同時にできあがる。
11月29日のイベント「中東のカフェの楽しみ方」(カフェバグダッド出版記念トーク)では、このマシンを使って実際にトルココーヒーをお出しする予定だ。
煮立つ音、立ちのぼる香り、そして小さな泡の立ち方。手淹れとは違うけれど、確かに「ケイフ」は宿っている。静かに出来上がりを待つ数分のあいだ、日本のカフェが、ほんの少しだけイスタンブールに近づく。
器とともに旅する
トルココーヒーは、器もまた語り手だ。
イスタンブールでは金属で覆われた陶器のカップが多いが、
私は能登の珠洲焼のおちょこに注いでみた。
淡い茶色の釉薬が、コーヒーの褐色と静かに響き合う。
ソーサ―はモロッコ・フェズのコセマ社製。北アフリカの先住民族ベルベル人の文様が、異国の空気を運んでくる。異なる土地の器を組み合わせると、
まるで旅するように一杯を味わえるのだ。
中東のカフェを、日本で
中東のカフェ文化は、単に「飲む」ための場所ではない。人々が語り合い、人生そのものを交換する場所だ。
今回のイベントでは、そんなカフェの空気を東京・文京区の小さなカフェで再現できたらと思う。
当日は、
トルコメーカー製マシンで淹れたトルココーヒー
中東産ピスタチオを使った米粉パンケーキ
『日本で食べられる中東料理ガイドブック(第2版)』サイン本
をご用意している。
湯気のように、文化の香りを感じていただきたい。
ケイフのすすめ
トルコのカフェでは、夜遅くまで人々が語り合い、
音楽が流れ、街角には笑い声が響く。
そんな空気を、東京でも感じられたら——。
コーヒーを「飲む」だけでなく、「時間を味わう」こと。
それが、トルココーヒーが教えてくれる、いちばんのぜいたくだと思う。
☕️ イベント案内
カフェバグダッド出版記念トーク
〜中東のカフェの楽しみ方〜
🗓 11月29日(土)15:00〜17:00
📍 café de Forte(カフェ・ド・フォルテ)
文京区本郷3-14-9 小川ビル1階
💰 参加費:4,000円
特典:
『日本で食べられる中東料理ガイドブック』増補改訂版のサイン本
トルココーヒー(OKKA製マシン使用)
ピスタチオ米粉パンケーキ
📲 ご予約・お問い合わせは
カフェ・ド・フォルテのInstagramのDMまで。フライヤーにQRコードがあります。
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