銀座に届いたオスマンの宮殿菓子…バクラヴァの老舗「ナーディル・ギュル」が日本を選んだ理由
2022年11月11日、松屋銀座にトルコ・イスタンブールの老舗バクラヴァ専門店「ナーディル・ギュル」が常設店を開いた。それから3年。徐々に日本の食文化に浸透してきている。オスマン帝国の宮殿菓子として発展し、トルコの菓子文化の象徴的存在であるあるバクラヴァ。「ナーディル・ギュル」はなぜ日本を、そして銀座を選んだのか。本稿では、開店当時に行った関係者3名への取材を通して、その背景と思想を探る。
世界が向かう一軒――カラキョイから東京へ
「私たちは1975年から、イスタンブールのカラキョイ地区で店を構えてきました」。会長のナーディル・ギュル氏は語った。家業としての菓子商は19世紀半ばに始まり、現在は息子のムラート・ギュル氏が経営を担っている。家業としての菓子商の歴史は19世紀半ばにさかのぼり、現在は6代目。とりわけ近年、アヤ・ソフィアと並ぶ“立ち寄り先”として、世界中の観光客を引き寄せてきたという。
日本人客の増加に合わせ、小ぶりのバクラヴァを用意したというエピソードは、この店の柔軟さと観察眼を物語る。伝統を守ることと、他文化に応答すること。その両立が、今回の日本進出の伏線となった。
ここから先は
1,666字
/
3画像
みなさまからのチップ、歓迎しております~さらに充実した情報発信のため、活用させていただきます~



購入者のコメント